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南充浩 オフィシャルブログ

素人が学生服業界の新規ビジネスを考えてみた

2021年11月12日 トレンド 2

今年頭より交流させていただいている学生服販売店の方が、先日、当方に会うためにわざわざ大阪くんだりまでご足労いただいた。

学生服については、岡山地区の伝統的地場産業であること、とか、業界の大手メーカーの社名を知っていること、とかその程度の知識しかない。

この学生服業界も様々な問題が山積している。

最大の問題点は、少子化による需要減少だろう。

これについては他の分野の衣料品も同じじゃないかという声もあるだろうが、当方が見る限り、学生服の分野は他の分野より厳しいと思う。

なぜなら、他の分野の衣料品は、年齢制限がないし、用途も限定されないから、コア層以外の購買も期待できる。また、嗜好性があれば用途以外の人も購入してくれる可能性がある。

だが、学生服の場合は用途が限定されてしまうし、着用年齢も限定されてしまう。嗜好品でもないから、複数枚買う人もほとんどいない。

売上高とは客単価×購買数量でしかないから、少子化による販売枚数減少は、他の衣料品よりも売上高の低下に直結しやすい。

売上高の低下を補うために、学生服メーカー各社はこれまで毎年のように値上げを繰り返してきた。もちろん、原材料費の高騰や燃料費の高騰などのコストアップ要因もあるが、それ以上に売上高の維持を目的として値上げが続いていた。

食料品などがコストアップに耐え切れず値上げを始めているが、日本国内の衣料品の値段は感覚的には上がる気配がない。その中において値上がりし続けているのが学生服で、本来であればデフレ脱却として歓迎すべきだが、何せ元値が高すぎる。今の相場はだいたい4万円~6万円と言われている。10%値上げするだけで4000~5000円アップということになる。

3990円が4990円に上がるのとは金額ベースで圧倒的に異なる。

 

何も「激安学生服」を作れというわけではないが、庶民の懐感覚としては価格上昇もそろそろ限界に達しているのではないかと思うから、新しい需要を創出して、値上げを控えてメーカー各社の売上高維持の方策をそろそろ、業界として真面目に考えた方がよいのではないかと思う。

 

その学生服販売店の方との雑談で思い付いたことをいくつか書いてみる。

もちろん、学生服の素人たる当方の思い付きだから、机上の空論という部分も大いにあるだろうから、取るに足りない部分は捨てていたきたい。もし、仮に少しでも参考になる部分があるなら、使ってみてもらいたい。まあ、そんな感じである。

 

1、「なんちゃって制服店」に売る

当方にはよくわからない感覚だが、コロナ禍前までは「なんちゃって制服」を着てグループで遊びに行く若い女性が少なからずいたようだ。そういう人たちはどこかのそういう店で買っているのだろうから、そういう人たち向けに販売をしてはどうだろうか?

学生服というと、〇〇高校専用、〇〇中学校専用、というものばかりだと思っていたが、その学生服販売店の方によると全国一律に販売されている「定番」という学生服があるそうである。これは初めて知った。

ならその「定番品」をなんちゃって制服店で販売すればどうか?

なんなら、最近の学生服販売店はある程度ネット通販も手掛けているから、ネット通販で「そういう個人客も買えます」という告知を大きく出してみてはどうだろうか?

 

2、レンタルビジネスを開始する

この「定番」を売るだけではなく、レンタルしてみてはどうだろうか?

これも多少の需要はあるのではないだろうか?コロナ禍前までは観光地で撮影用に各種のレンタル衣料店が賑わっていたが、その中に「定番学生服」も加えてみてはどうだろう。

 

3、1点物のオーダーを積極的に受け付ける

以前にもこのブログで書いたが、学生服業界は身体に障害のある生徒や体格の大きすぎる・小さすぎる生徒のために1点からでも生産できる背景が備わっているそうである。(もちろん、学生服販売店の方の受け売りである)

とすると、これを逆手にとって、そういう通常サイズ・通常仕様とは異なる服のオーダーを受けてみてはどうだろうか?

昔の学生服というと、詰襟とセーラー服が主流だったが、今は男女ともブレザーが主流になっている。ということは、就活用のスーツとか就職後のスーツ&セットアップも手掛けられるのではないかと思う。せっかくの生産背景を活かさない手はないだろう。

 

実現可能な感じだと、部外者たる当方は思うのだが、もし考え違いがあったのならご指摘いただきたい。

 

昨年からのコロナ禍で、学生服業界も「リモート採寸」やネット通販が盛んに立ち上がっている。

一例としてはこの記事。

 

学生服のEC販売専門会社が誕生 不織布の型紙でセルフ採寸を実現 (fashionsnap.com)

 

また、先日の繊維ニュースでは「学生服大手メーカー各社のリモート採寸の取り組み」を特集していた。

 

正直言って、学生服販売店に学生でも学生の親でもない者が買い物に行くのは心理的抵抗が大きい。それなら、ネット通販でそういう個人や団体の需要を受けてみてはどうか?心理的抵抗はずっと小さくなる。51歳の当方が、少女漫画を書店で買うのは恥ずかしいがネット通販なら買いやすい、エロ本を書店やコンビニで買うのは恥ずかしいが、ネット通販なら買いやすい、というようなものである。

 

繰り返すが、他の衣料品も人口減少の影響は受けるが、例えばカジュアルだと嗜好性が強いので、消費者心理を捕まえることができれば、売上高を増やすことも可能性がある。しかし、学生服を真面目に学生向けとしてだけ売っていたのでは人口減少の影響をモロに受けてしまう。他の分野の需要を獲得する方法を実行しないと、際限のない値上げをせざるを得なくなり、行き過ぎれば「学生服廃止論」が大勢を占めてしまい、学生服産業そのものが消滅させられかねないし、もうブランドとのコラボ制服で値段を吊り上げられる時代でもなくなった。

業界は消滅回避のために他ジャンルへの進出は避けられないだろう。

 

カンコー学生服の詰襟をどうぞ~

 comment
  • anonymous より: 2021/11/12(金) 1:32 PM

    「なんちゃって制服」を楽しむ人たちは安いカジュアル衣料をそれっぽく組み合わせたりドンキのコスプレ用制服を着用しているだけなのでかなり価格競争の分野になってしまうと思います。(最近だと韓国系安物衣料がよく着用されています)
    ある程度クオリティを重視してくれるターゲットでしたらアニメのコスプレイヤーなんかはどうでしょうか。キャラクターの再現度にこだわる人も多いようですので。

  • BOCONON より: 2021/11/12(金) 6:01 PM

    中国では日本アニメの影響で女子高校生の制服ぽい服やそれを売る店が大人気とちょっと前ニュースで見ました。これはでも、中国でデザインして作って売ればいいだけですからね。
    日本では・・・女装愛好家は案外多く、セーラー服やブレザー+タータンチェックのスカートは定番らしい。しかしさすがにドンキで売っているようなコスプレ用じゃなく実在の小中高校の制服は中古でもサイズがないようです。
    あるいはアニメと同じ制服着たくても安っぽいものしかないとか。
    現役高校生より彼(女)たち向けに通販でセミオーダーしたらそこそこ商売になりそうな気もする。

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