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南充浩 オフィシャルブログ

バイク用のスエットパンツの開発に面白味を感じたという話

2021年10月22日 トレンド 0

先日、久しぶりに「これは新アイデアだ」と感心した製品があった。

これである。

 

 

バイク用のスエットジョガーパンツである。

膝のプロテクターを内蔵できるようになっている。

当方は最早ジジイなので、スエットパンツを外出着にはしないが、寝間着としては長らく使っているので、その動きやすさは十分に知っている。

こんなイメージ

 

 

 

一方、Superペーパーライダーなので、バイクに乗るときは転んだときのことを考えてプロテクターだけでなく、丈夫な長袖長ズボン着用が望ましいということも知識だけは持っている。

バイク用の衣料というと、本格的なモノはレザーかそれっぽい素材のツナギだろうし、セパレートの上下でもレザーっぽい素材のパンツとブルゾンというのが理想的だといえる。

しかし、現実に自宅の近所で国道を眺めていたりすると、半袖半ズボンでバイクに乗っている若い衆や長ズボンに半袖Tシャツ1枚で乗っている若い衆をよく見かける。

彼らは怖くないのかと不思議でしょうがない。転んだら手脚が悲惨なことになるのは目に見えている。

 

しかし、その一方で、理想的なバイク衣装の場合、目的地に着いてバイクから降りたあと、いかにも「ライダー」という感じになってしまう。

それを忌避すると、半袖Tシャツでバイクに乗るという選択になってしまうのではないかとも思う。

 

最近は、プロテクターを内蔵する機能のあるバイク用カジュアル衣料が徐々に主にバイク用品店での取り扱いが増えているといわれるが、やっぱり、せいぜいがジーンズどまりと言った印象がある。

しかし、カジュアルシーンでいうと、今の50代未満の世代の男性がジーンズを好んで穿いているかというとそうではない。もちろん、ファッショントレンドだから穿いていないという要素は大きく、トレンドが変わればまたこぞって穿くようになる時期も来るだろう。

だが、これは自分自身にも置き換えてみて、ここ5年間くらいめっきりジーンズを穿かなくなった。スエットパンツはあまりにも寝間着にしか見えないのでさすがに外出着としては着用しないが、ジョガーパンツ、ワイドスラックスなどは外出着として着用してみたが、ジーンズよりも圧倒的にラクである。

このラクさを体感した人間が、今後トレンドが変わったことによって、それを手放してかつてのようにメンズカジュアルはジーンズ一辺倒になるのか?というとそれはちょっと考えにくい。

よくてジーンズとの併用ということになるだろう。

例えば、TPOやトップスに応じてジーンズと使い分けるとか、月曜日はジーンズ、火曜日はワイドスラックスというように使い分けるか、だろう。

となると、ジーンズタイプ以外のカジュアルウェア風のバイク衣料品も今後は必要なのではないかと思う。

その点において、膝プロテクターを内蔵できるスエットジョガーパンツというのはなかなか画期的なアイデアだと感心した。

純然たる「ファッション」かどうかはさておき、衣料品の新たな需要創造ではあると思う。

 

さて、そんなスエットだが、基本的には裏毛と呼ばれる編み生地である。

これとは別にアメリカブランドやジーユーなどが冬場に好んで使う「裏起毛」という編み生地もあるが、日本では綿100%の裏毛が好まれる傾向が強い。

実は、当方も3年くらい前から裏毛のトップスを買うことが増えた。

裏毛のプルオーバーパーカ、最近ではフーディーと呼ばれるアイテムが久しぶりにトレンドに復活したので、ジジイもちょっと試してみたくなった。

またフードのないスエット、俗にトレーナーと呼ばれる丸首もジーユーがデザイナーコラボをしていたので、何枚か買ってしまった。

以前から、主張していることなのだが、トレーナーは若者には似合いやすいが、ジジイには似合いにくいと思っている。ジジイの老けた顔にトレーナーのスポーティーさ、チープさがマッチしない。ジジイには横編みのセーターの方が似合いやすい。

とはいえ、ジジイながらトレーナー、フーディーを5、6枚ずつ所有するようになって、気が付いたことがある。

洗濯をすると圧倒的に乾きにくいのである。

体感的には14オンスジーンズよりも乾きにくい。特にヘビーオンスになればなるほど裏毛は乾きにくい。

夏場の高気温なら乾くだろうが、夏場にトレーナーやフーディーは暑すぎて着られない。着るとすると、気温の低い秋・冬ということになるが、生地が分厚いから気温が低くて洗濯をすると乾きにくい。

トレーナーがセーターよりも好まれる理由は、洗濯しやすいというところにもあると考えられるが、乾きにくいという最大の欠点がある。アメリカ人が綿成分が高めの裏毛生地より、ポリエステルが多く含まれた裏起毛を好むのは保温力もさることながら、乾きやすいというところもあるのではないかと思う。

 

この点について、最近のユニクロ、ジーユー、特にジーユーは明快に答えを出しつつあり、ダンボールニットと呼ばれる合繊主体の編み生地を盛んに採用している。ジーユーは「ダブルフェイス云々」という名称でダンボールニットのトレーナー、フーディーを何型も販売している。

ユニクロだと「ドライスエット」という名称で販売している。

もちろん、この2ブランド以外でも各ブランドから同様の商品がたくさん販売されている。

大概がポリエステル主体の生地なので、洗濯しても乾きやすい上に、綿多めの裏毛よりも圧倒的に軽量である。

この点において、裏毛よりも機能的だといえるが、一方で合繊特有のキラメキというかギラつきが出やすい。これを嫌う人は結構いるのではないかと思う。当方もそれが苦手で、黒や濃紺という色はギラつきが出やすいので敬遠している。

バイク用スエットパンツを開発中のブリッツワークスの青野社長にこの辺りのことを伝えてみたが、やはり同様の懸念を持っておられるようで、今後、改良を加えていくとのことだった。

次回以降の展開に期待したい。

 

コムサイズムのダンボールニットのトレーナーをどうぞ~

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