価格相応の商品が増えた
2014年1月8日 未分類 0
めでたく2014年が明けてさっそくバーゲンが始まった。
貧しい筆者もなけなしの所持金を握りしめてバーゲンで各ブランドショップを見て回った。
人入りは多い。ただ、これは筆者の体感的なものなので実際の数字が各施設から発表されるまでわからない。
多くの人は福袋に行列をなしているが、筆者にはその理由が理解できない。
昨今の福袋はサイズが選べるようになっており、中には色柄まで選べるものもある。
防寒アウター、シャツやTシャツ、ニット類、バッグやマフラー、一部肌着というような商品が数点詰め合わされており、これを一つ買うだけでコーディネイト一式が可能になる。そういう意味ではお得である。
ただ、せっかく購入しても常時使用するのは1点、せいぜい多くて2,3点であるから、1万円で2点の商品を購入したと考えるとそれほどお得でもない。メンズ・レディースともにタンスの肥やしを増やすだけではないかと思う。
一方、転売目的のテンバイヤーは別だ。彼らは商売なり自身の小遣い稼ぎでやっている。
また子供服も別だ。子供服は1年または2年くらいで使い捨てになる。
どんなに高額な商品を購入しても子供の体が成長するからである。
なら、5000円でコーディネイト一式が手に入ればかなりお得といえる。
だから子供服の福袋に消費者が殺到するのは理解できる。
さて、単品のセール品を見て歩いたのだが、良い素材の商品と粗悪素材の商品の価格差が激しいと感じる。
お断りしておくと貧しい筆者が買い物をできる店は大衆店に限られており、ユニクロ、GAP、バナナリパブリック、ライトオン、無印良品、グリーンレーベルリラクシング、チャオパニック、冷やかしでビームス、アーバンリサーチ、ナノユニバースといったラインナップである。
この傾向は昨年も同じだったのだが、数年前からするとその差は歴然としていると感じる。
例えば990円の投げ売り品はよほどの過剰在庫品でない限りは粗悪な素材が使用されている。
値下げしても7000~8000円止まりの製品はそれなりに良い素材が使用されている。
だから数年前みたいに「こんなに良い素材の商品が1000円まで値下がりしてる!」なんてケースは去年あたりからめっきり減った。
原因は原材料費の高騰・中国工場の人件費高騰・一昨年末からの円安の急激な進行にあるだろう。
この3つの要因は、概して消費生活に悪影響を及ぼすと言われているが、粗悪品とそこそこマシな商品の差が明確になったことは、怪我の功名とはいえ良かったのではないかと思っている。
この3つの要因がなかった数年前は、「え?こんなに良い素材の商品が1000円?」というサプライズ品が数多くあった。今は「価格相応」の商品が増えたといえる。
畏友の釼英雄さんがブログで書いておられるが、昔の商品は素材のクオリティーもオーバースペック気味だった。
http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/bfb55ed8faef4219e11c5ab7c4726b2d
ちょうど30年くらい前になる。当時、取引していたファッション専門店で、福袋を購入した。中身はレディスの小物やアクセサリー5~6点だったが、手袋が特に上質だったようで、指先をカットして未だに愛用しているという。
見たところ、ウールに多少の合繊が混紡されたもので、粗めの編み立てのニット製だが、毛羽立ちはほとんどない。おそらく小物メーカーが通常の卸用に企画した商品だと思われる。もちろん、当時は中国製なんてないから、まさにメイド・イン・ジャパン恐るべしだ。
そういうオーバースペックに対して賛否両論あろうが、個人的にはこれが日本の持ち味だったと思っている。
それ故に、高額品と低価格品の違いが良く分からないなんて事例も多数発生したが、先ほど挙げた3つの要因のうち、円安以外の要因は加速することがあっても抑制されることはないから、今後もますます「価格相応」の商品が増えると考えられる。
「良い物を知らない」と言われる若い人たちは今こそ店頭に出向いて、価格相応商品とそこそこの価格の商品を触り比べて、着用し比べて(もちろん試着で)その違いを体感してもらいたいと思う。
価格と素材品質の差を体感できるまたとないチャンスである。