MENU

南充浩 オフィシャルブログ

10年以上存在を忘れていたブランド「エディー・バウアー」が日本から撤退するのでいろいろ思い出してみた

2021年10月20日 トレンド 5

先日、このブランドのニュースが報道され、非常に懐かしさを感じたとともに、まだ日本でも販売をしていたのだと改めて知った。

ハッキリ言って10年くらい前から思い出すこともなかった。

 

米衣料品チェーン「エディー・バウアー」が日本撤退、全店舗閉店 不景気ニュース – 不景気.com (fukeiki.com)

アメリカの衣料品チェーン「エディー・バウアー」の日本法人「エディー・バウアー・ジャパン」は、2021年12月をもって日本国内で展開する店舗・アウトレット・オンラインショップの全てを閉鎖し、日本市場から撤退すると発表しました。

 

とのことである。

 

当方が普段巡回している(仕事ではなく趣味の活動)大阪市内からはすっかり店舗を見なくなって、長らくその存在すら忘れていた。

当方の記憶に残っている店舗といえば、2000年代前半、梅田の地下街ディアモールに当時レナウンがライセンス生産していた「Jクルー」の近所に店舗があった。

エディー・バウアーの店で、出張用の旅行バッグを一つ買ったが、それっきり使っていない。

理由は当方が旅行に行かないからというのと、仕事での出張はあるが大概が2泊程度の国内に限定されるため、それほど大きな入れ物は不要だからである。

当時は1週間の出張に持って行くために買ったような記憶がある。

2003年とか2004年とかのことである。

 

この当時のイメージでいうと、Jクルーも似たような印象なのだが、オッサン向けで少々値段高めのアメカジブランドというもので、このニュースのコメントにどこかの素人の方が書き込まれていたが「Jクルーと似たようなイメージでした」とあって、恐らくはこの方は当方と同年配で似たような感覚の持ち主なのだと思った。

これは当方の価値観がおかしいのかもしれないし、それは違うという方がおられても全く不思議ではないのだが、当時のエディー・バウアー、Jクルーともに洋服は全く欲しいとは思えなかった。

当時の心境を思い出しながら理由を挙げてみる。

 

1、品質の割に値段が高い (めちゃくちゃ高くはないが低価格ブランドではない)

2、デザインがモッサリしている(要するにカッコよくない)

3、オッサンくさい

4、高い割に機能性はほとんどない

5、サイズ感がアメリカ人向けでデカい

 

というものだった。

このころ、ユニクロはまだファッション化されておらず、何年か前に安売りフリースで成り上がった会社というイメージだったし、ジーユーは存在していなかった。しまむらは今ほど注目をされておらず、地方のおばちゃんの店という感じだった。

当時、当方が価格を比較したのはGAPである。

GAPもたしかにこのころは品質の割に定価は高かった。しかし、このころからGAPは高い定価に反して、驚くほどの低価格での投げ売りセールを行っていた。

チノパンやジーンズは待っていれば1900~2900円にまで下がった。

そう、この頃、当方が着ている服のほとんどをGAPの値下がり品が占めていた。ユニクロ率が増えだすのは2005年以降、ジーユー率が増え始めるのは2017年以降、ということになる。

51歳のジジイともなると、自分基準で衣料品年表が作れてしまう。

 

エディー・バウアーもついでにレナウンのJクルーもGAPと似たような商品イメージだった。

アメリカ人の田舎のオッサンが着ているようなモサっとしたジーンズカジュアルスタイルで、日本国内のトレンド最先端という感じではなかった。

しかし、エディー・バウアーはGAPと定価こそ同等レベルだが、セール品は格段に高かった。GAPほどの値引きをしなかったわけである。これはレナウンのJクルーも同様だった。

だから、当方はエディー・バウアーでは旅行バッグしか買ったことがないし、レナウンのJクルーは日本から撤退するまで何も買ったことがなかった。

 

おまけにこの当時はエディ・スリマンの提案したピチピチタイトスタイルが大流行の兆しを見せ始めていたのに対し、エディー・バウアーもJクルーもオッサン客かアメリカ人向けかを意識しすぎたのか、サイズ感が大きくてこれも30代半ばの当方を買う気にさせなかった。GAPもサイズ感は似たようなものだったがこの頃くらいから、日本人向けサイズというのが導入され始め、一番マシになったと記憶している。

完全な都心型トラッドアメカジを提案していたレナウンのJクルーに対して、エディー・バウアーはアウトドアテイストを強く押し出していたにもかかわらず、他のアウトドアブランドのような機能性商品がほとんどなかったことも当方に買う意欲を無くさせた。

当方からみれば「なんちゃってアウトドアブランド」にしか見えなかったわけである。

 

で、今回、日本撤退の報道を受けて、公式サイトを初めて見てみたが、商品テイストは2000年代前半とほとんど変わっていない。定価も変わっていない。ダウンジャケット以外には機能性商品がほとんど見当たらないのも変わっていない。

ある意味で全くブレていない。この点には驚きと称賛しかないのだが、果たして売れるのかというと、難しいだろうとしか言いようがない。

そして、公式サイトでは閉店セールを開催しているのだが、その値引き率が低いこと(要するに投げ売りしていない)も当時と全く変わっていない。この程度の値引きでは、商品を撤退までに全て売りさばくことは不可能だろうと当方は見ている。

しかし、これほど忘れられた存在にもかかわらず現時点で全国に60店舗弱も出店していたことは驚きである。まあ、主要な出店先はイオンモールだったが、施設内の競合ブランドと比較するとファッション性が低い割に値段が高すぎるという消費者からの評価だったのではないかと思う。

この手の報道が出ると、決まって「日本の消費者が退化した」とか「日本人は安物に慣れすぎている」とかいう意味の分からない日本人批判をする人が出てくるが、エディーバウアーは2009年に本国でも一度経営破綻をしている。

 

2009年6月にアメリカの連邦破産裁判所へ破産法第11章(日本の民事再生法に相当)を申請し、その後は経営体制を変更し再建していました。

 

要するに、12年前に本国で消費者に見放されて経営破綻し、その12年後、日本からも撤退するというわけで、日米ともに売れなかったということになる。

アメリカのことはよくわからないが、当方の持っている知識だけで分析をすると、

アウトドア商品が欲しければ機能性が担保されたパタゴニアやノースフェイスなどの専門ブランドで買うし、アメカジが欲しいなら定価の安いGAPやファッション性がマシなアバクロで買う

ということになったのではないかと思う。アメリカ通の方がおられたらご教授いただきたい。

そして日本では、価格戦略で迷走を続けるGAP、鳴り物入りで出店したが鳴かず飛ばずのアバクロ、撤退してしまったアメリカンイーグルとオールドネイビーなどに共通するような、粗野でシンプルなアメカジテイストは90年代以降の日本人には好まれなかったということではないかと思う。

日本市場だけで考えると、何とか残っているGAP、アバクロも遠からず撤退しても全く不思議ではないと思って見ている。

 

そんなエディ・バウアーのトートバッグをどうぞ~

この記事をSNSでシェア
 comment
  • BOCONON より: 2021/10/20(水) 6:39 PM

    エディ・バウアーでは僕も丸首ニットヴェストを(Vネックに比べてあまり売ってないので仕方なく)買った事があります。これが明らかに日本人向けでないサイズで身幅はそれほどでもないのにびっくりするほど丈が長くてとても着られませんでした。これで懲りてその後は見るだけ。たまに見てもこれと言って目を惹かれる商品もないし、そのうち店自体なくなってしまった。
    こんな塩梅だから僕ももう何年も存在すら忘れていました。要はまったく仰言る通りで「特に良いところがないのに安くもないから買う理由がない」ですね。
    よくある話ですが何で日本人の体形にも好みにも合わせる気がなくて成功すると思うのか,まことに不可解な事です。そんな事が出来るのは一部のハイブランドだけだのに。
    アバクロも H&M も日本撤退する日はたぶん遠くないでありましょう。

  • 勝に不思議の価値あり 負けに不思議の負けなし より: 2021/10/22(金) 9:47 AM

    そうですね、やる気がないというか日本マーケットをなめているというか不思議な進出動機と当然すぎる撤退ですね。

    • ごめんなさい! より: 2021/10/22(金) 7:01 PM

      価値ではなく、勝ちでした。誤変換恥ずかし。

  • 大谷浩一 より: 2021/10/30(土) 7:02 AM

    今回のセールは値引き率が低いですが普段特別にセールでもないのに古い商品が半額近く安くなっててそれをよく買ってました。ここ数年利用してただけですが私の印象は逆ですね。サイズがXSからLLまであり小柄な私にはちょうどいいノースフェイスとかパタゴニアは高くてでかいという感じです。正直に言うアウトドア系とは知りませんでした。街中で着るアウトドア風ブランドかなと思ってました。

  • hitonotameni より: 2021/11/14(日) 6:17 AM

    南さんが指摘されているなんちゃってアウトドアブランドっていうのが、
    価値観を低下させた原因だと思います。
    だったらノースフェイスやモンベルみたいなガチな登山服から、街着まで作っている
    ブランド服買うわってなる。モンベルはエディバウワーよりも安く買えてしまうし。
    昨今のキャンプ、登山ブームでビジネスチャンスあったのに。
    これはという商品出せなかったのが、このブランドの失速の原因だと思います。
    ダウンジャケットなんかは、ガチなアウトドアメーカーの流れと、ヴュペチカ、モンクレール カナダグース のようなハイブランドの流れ、そしてユニクロやGUのような流れに分かれると思いますが、このメーカーはこのどれにも食い込めなかった。

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ