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南充浩 オフィシャルブログ

アパレル各社は半年以上着用する夏服をもっと強化すべきではないか

2021年10月19日 天候・気候 2

ファッションが好きな人は、だいたいが重ね着が好きである。

当方は重ね着が大好きである。夏はTシャツかポロシャツ1枚で過ごすが、その場合、コーディネイトで誤魔化すことはできないし、体型・体格がモロにバレる。Tシャツ姿、ポロシャツ姿というのはコーディネイト云々以前に体型・体格が良くなくては話にならない。

もちろん、洋服というのはそういう類の衣料品だが、重ね着でそれはある程度緩和させることができる。

なので、晩秋から4月下旬ごろまでが重ね着に適しているから個人的には好きな季節で、5月のゴールデンウィーク以降10月20日ごろまでの夏服期間は暑い気温も相まって本当に大嫌いである。

 

で、今回は前回の続きになってしまうが、改めて国内の衣料品の商品計画について考えてみたい。

 

夏服の着用期間は半年強もありダントツに長いという話(自分基準) – 南充浩 オフィシャルブログ (minamimitsuhiro.info)

 

今年の秋はいきなり気温が下がってそれについての所感なのだが、そのなかで、服の着用期間を自分の体感に照らし合わせてみた。

 

・5月~10月20日前まで半袖Tシャツ(約6か月半

・長袖Tシャツ、長袖シャツ(秋物スタイル)が10月20日~11月末まで(約1か月半弱)

・長袖シャツ+セーター、長袖シャツ+中肉アウター(初冬スタイル)が12月いっぱい(1か月間)

・防寒アウターを着用 1月頭~3月10日ごろまで(約2か月間

・長袖シャツ+中肉or薄手アウター(春物スタイル) 3月中頃~4月下旬(約1か月半)

 

2017年からの4年間は、だいたいこの着用サイクルである。当然、年度によっては1週間ほどズレることがあるが、1か月ズレることはない。

高血圧気味・更年期障害気味・元々暑さが苦手の51歳ジジイという属性を除いても、関西圏に住んでいる男性ならだいたいこういう着用パターンになるだろう。

北海道・東北・北陸・甲信越の内陸はこの限りではなく、夏服着用期間はもう少し短く、防寒着用期間はもう少し長いだろう。

 

だが、天気予報を見る限り名古屋から以西はだいたいこの感じだし、関西よりも涼しいと言われる東京でさえ、夏の暑さのピークは同じくらいの気温だし、秋の訪れは1週間から10日遅い程度にすぎない。

 

当方の着用データで恐縮だが、夏服(半袖Tシャツ、半袖ポロシャツ)で過ごす期間が半年強もある。東京ですらたっぷり5か月強も着る。

防寒アウターは2か月としたが、年度によっては3か月くらいに伸びることもある。

春・秋物は1か月半、長くて2か月、短ければ1か月という具合の着用しかない。

前回まとめてみて、改めて気付いたのだが、1年の半分以上を夏服で過ごしているということになる。東京ですら半分近くを夏服で過ごすということになる。

 

 

30年近くアパレル業界に関係している感覚としては、アパレルの花形は重ね着できる春物・秋物・冬物だと感じる。個人的にTシャツのマネキンがウィンドーに飾られてもさほど興味は湧かないが、特に冬物を重ね着させたマネキンがウィンドーに飾られていると、重ね着の具合、色合わせなど興味は尽きない。

しかし、そういう個人の趣味性を排除して商売ベースで考えるなら、国内で衣料品を販売しビジネスを成り立たせるには着用期間が1年の半分を占める夏服を強化することが最も効果的ではないかと思う。

春・秋物なんて1か月ほどしか着用期間がない。

花形中の花形である防寒アウターや冬物も長くて3か月しか着用期間がない。

 

いつも12月のプレセール、クリスマスセールの時期になると業界関係者が「まだ寒波も訪れていないのに防寒アウターを値下げするなんて」という嘆き節を聞くことが多いが、12月に我慢して値下げしなかったとしても、着用期間は1月から3月中頃までの2か月半しかないということになる。

この2か月半のために高い金を払って防寒アウターを買いたい、しかもそれを複数枚買いたい、なんていう奇妙な人間が世の中にどれほどいるのか?

 

国内市場で衣料品を売るというビジネスを成立させるのであれば、夏物を大幅に強化し、防寒アウター・冬物セーターなどを縮小し、春・秋はオマケ程度に企画製造するか、夏物と兼用できるような企画にするか、というスタイルが最も効果的ではないかと思うが、どうだろうか?

 

昔の名残を残している「衣替え」の期日は、今でも6月1日と10月1日である。

6月から夏服、10月から秋服を着用するという習わしであるが、現代だと5月から暑くて夏服を着るし、10月半ばまで暑くて秋服は着られない。

この分、夏服の着用期間が大幅に伸び、春物・秋物の着用期間が大幅に減っている。冬に関しては地方によって気温差はあるが、東京・名古屋・大阪を基準に考えると、クリスマス寒波なんてものはこの10年くらいは訪れなくなっており、本格的に寒くなるのは年末ぎりぎりか正月明けになる。

とすると、防寒アウターの着用期間はたったの2か月くらいということになる。

この2か月のために、各社が大量に防寒アウターを投入しても売れるはずがない。消費者が買うのはその中から1枚か2枚なのである。

洋服が売れない、高気温で防寒アウターが売れない、と嘆いているだけでは何も変わらない。SNSで発信しただけでも何も変わらない。

アパレル各社の中の人、特にエライ人が、商品の配分を気温に応じて変える必要がある。それをせずにただ嘆いているだけでは、モノ余りの時代に洋服なんて売れるはずもない。

それは実店舗もECも同様で、特にプレミアのあるブランド以外では、暑くて着られもしない防寒アウターを先んじて買う消費者などいないし、暑いのに我慢をして長袖を着る消費者などいないということを受け止めるべきである。

気温に左右されるのが嫌なら、左右されないようなブランド価値を作るしかない。

そんなわけで当方が防寒アウターを買うのは今冬も値下げされていからになることは言うまでもない。

 

 

 comment
  • 細野 より: 2021/10/20(水) 9:38 AM

    真夏はちょっと暑いけど、それ以外の夏、梅雨入り前とか9月の初めから着られる半袖で少しオーバーサイズのトップスだったら、その下に長袖のトップスを重ね着して冬も着られて便利だなって思いました。

  • みー より: 2021/10/20(水) 10:55 PM

    アパレル各社の特にエラい人は、「現代の一般人は夏服で半年以上過ごしている。」と言う危機を侮どってると思います。
    なぜなら、エラいヒトは大体が高齢者なので体感温度が鈍っておられます。
    (ホラ、よく高齢者は暑さに鈍感で熱中症になっちゃうアレ。)
    なので、5月ならば30度越えでもフツーに春服。9月なら例え32度でも涼しいお顔で秋服をお召しになられます。
    ご自身が、昔どおり3ヶ月程しか夏服を着ないから、この変化に気付けてないのかも?
    実際、秋冬で稼ぐハズの産地でもエラいヒトが若けりゃ、長い夏を快適にする商品開発に力入れてるみたいです。
    ただ、夏物は秋冬物に比べると単価も低いし、ゴテゴテと足し算したら売れないし、量的に売れる夏物はホントに差別化が難しい。
    いっそ、短い秋冬だけの季節労働者的な運営が出来たらいいのに。

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