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南充浩 オフィシャルブログ

夏服の着用期間は半年強もありダントツに長いという話(自分基準)

2021年10月18日 トレンド 1

今回は天気予報通りに、関西は10月16日の夜の雨で一気に涼しくなった。

関東はもう少し前から気温が下がっていたと聞いているが、当方は関西在住なので関西の事例で進める。

10月17日の日曜日は朝から涼しく、ツイッターを見ていると秋冬物の洋服がやはり好調に動いたとのツイートが多かった。

衣料品業界人からすると「季節先取りではなかなか動かない、気温の上下の方が売れ行きに影響しやすい」という嘆きになるが、一消費者としての立場から見ると、可処分所得云々・経済不振云々を除いても、そういう買い方になってしまう人が増えることは極めて当然だと感じる。

90年代後半まで、いや、2000年くらいまではたしかに季節先取りで買う人が今よりも多かった。このころまでは、大型スーパーを始めとする低価格衣料品はモサっとしていたし、百貨店・ファッションビルで展開されているそこそこお高い洋服は、各ブランドで個性的なデザインの商品が多かった。

デザインソースは同じでも、それぞれのブランドらしさがどこかにあって「〇〇ブランドのトレンチコートが欲しい」みたいな感じになっていた。

同じトレンチでも各ブランド間でのアレンジが異なるので、〇〇ブランドと××ブランドでは互換性がなかった。

和装以来の先取り購入文化がまだ残っていたことにも加え、〇〇ブランドが品切れする前に買っておかないという意識も強く残っていた。

 

しかし、今はどうか。アレンジ、デザインに特徴のあるブランドは減り、販売不振も手伝って安全パイのベーシックデザインの商品が増えた。

極端な言い方をすると、トレンチコートもどこで買っても似たようなデザイン・アレンジだから〇〇ブランドで先に買わなくてはならないとは思えなくなる。〇〇ブランドのファン以外は。

ブランド名にこだわらないなら、値下げ時期まで待って買っても構わないし、冬のセールで買って、寒くてすぐには着られなくても春先まで待って着ればいいということになりやすい。ベーシックデザインだからその季節に着なければ時代遅れということにもならないからだ。

ファッション好きの人は「鮮度が」というが、ベーシックなトレントコートとかベーシックなトレーナーにさほど鮮度は関係ないだろう。厳密にいえば着丈が少し長いとか短いとか、襟ぐりが少し広いとか狭いとかそういう違いはあるが、「鮮度が」と強調するほどには第三者の目にはわからない。

先端の人には「鮮度が」というセールストークは通じても、マス層にはまったく響かない。

そうなると、体感気温がいかに重要なのかがよりはっきりするだろう。

 

さて、そんな10月17日の夜、半袖Tシャツの上に長袖シャツを羽織った。6カ月半に及んだ今年の半袖生活が終わった瞬間である。

今年の関西での半袖着用期間は6カ月半だった。

マサ佐藤氏は、気温を毎日日記に残せ、半袖を着た日、長袖に着替えた日などを日記に残しておけ、それが数年間貯まると気温データになるということをブログで推奨しておられるが、ものぐさな当方は日記には残していないが、数年間くらいならだいたいどの時期に長袖・半袖に着替えたかを覚えている。

その記憶でいうと、今年5月のゴールデンウィークはすでに半袖Tシャツを着ていた。そして10月17日の夜まで一度も長袖を着ずに過ごしたので、6カ月半だったということになる。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」

 

と昔からいうが、暑さについては最近は彼岸を越える。

地元では毎年10月12日前後に秋祭りが行われる。去年・今年とコロナで中止になっているが、少なくとも2017年からは9月末~10月頭に涼しい日があっても、なぜかこの祭りの日は気温30度前後にまで上がる暑い日が毎年訪れる。今年も同様でその暑さが10月16日の夕方まで続いた。

ちなみに暖かくなるのは、年によって差があって、早ければ2月下旬から異様な暖かさが続く年もあれば、4月に再度寒波が来る年もある。

ただ、半袖アイテムに関していえば、毎年確実に10月15日ごろまでは着用できる気温がこの4年間続いている。正直なところ、今年の10月16日までの関西の暑さだと、季節先取りで長袖を着る気にもならないし、先取りで買おうとも思わない。長袖シャツにしろ長袖Tシャツにしろ、ブランドにこだわらなければ、同質化した店頭には似たようなモノは溢れている。一番買いやすいところで買えばいい、ということになる。

防寒アウターとて同様で、本格的に寒くなるのは、ここ5年間くらいは年末になってからか正月になってからである。

そして、暖かければ分厚い防寒アウターはいくらファッション性が優れていようが、多くの人は着用しないから、確実に寒くなるまで買い控えるのは当たり前だ。かっこいい極厚ダウンを汗を垂らしながらでも着たいという変態は極少数である。

 

当方の生活スタイルを改めてまとめてみるとこうなる。

 

・5月~10月20日前まで半袖Tシャツ(約6か月半

・長袖Tシャツ、長袖シャツ(秋物スタイル)が10月20日~11月末まで(約1か月半弱)

・長袖シャツ+セーター、長袖シャツ+中肉アウター(初冬スタイル)が12月いっぱい(1か月間)

・防寒アウターを着用 1月頭~3月10日ごろまで(約2か月間)

・長袖シャツ+中肉or薄手アウター(春物スタイル) 3月中頃~4月下旬(約1か月半)

 

という具合になる。

当方が、高血圧気味で更年期障害気味の汗かきで暑がりジジイだということを差っ引いても、夏服着用期間が6か月半とダントツに長く、秋・春・初冬スタイルの期間が圧倒的に短いことがわかるだろう。

当方が若い頃から10年くらい前までは防寒アウターの着用期間はもっと長かった。12月頭、下手をすると11月末から3月20日までのおよそ3か月半以上の着用期間があった。

もちろん、関西基準なので各地方によってはだいぶと異なるだろうが、例えば中国から四国・名古屋辺りまではほぼ同様の着用感ではないかと思う。

 

ツイッターで衣料品業界の方々がツイートしておられるように、気温の上下動で洋服の動きが大きく異なるのであれば、当方が書き出した着用感を各人が書き出し、それらを集めて最大公約数的なモノを導き出し、それに沿ってMDを作ることがもっとも売れやすく、不良在庫を生みにくいシステムといえる。

しかし、それをやっているというアパレルはあまり耳にしないし、アホなコンサルは直近の気温に記憶が引きずられて「異常寒波が昨年だけで終わるなんて想像できないよ~」などというアホ丸出しのコメントをブログで書くことになる。そしてそんなコンサルと契約しているからこそ、アパレルは販売不振だったり過剰在庫に苦しむことになり、それは極めて当然の結果だということである。

 

 

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 comment
  • ヒデ より: 2021/10/18(月) 9:48 PM

    同感です。今年は、関西ほどではないにしろ、関東も残暑が長く、10月に入っても暑い日が続いていました。南さんがおっしゃる通り、自分も5月のゴールデンウィークくらいから10月7日くらいまで、Tシャツ生活でした。暑くて長袖など着る気にはならず、リサイクルショップや古着屋でも冬服は買う気になりませんでしたね。30年以上前、10代の頃は彼岸過ぎると涼しくなり、長袖を着る気になりましたが、今は夏が長く秋は短く、いきなり冬が来るという感じなので、昔みたいに10月に衣替ではなくなってます。そのせいか、箪笥の中の服が、夏服か冬服メインになっていて、中途半端な季節感の服がなくなっていますね。そして、昔はお盆過ぎくらいには今年の秋はどんな服を着ようかという楽しみがあり、買い物にワクワクしたものですが、今は買い物に行ってもどこも似たようなものしか置いてないので、生地感がしっかりしていて、デザインがオーセンティックで、縫製がまともで、値段がいちばん安いものを買えばいいと思います。衣料品に関して物凄くケチな自分としては、最安値で買いたいのでイキった頭の軽そうな若い店員のウザい接客にイライラさせられることのない、リサイクルショップや倉庫型の大型古着屋を梯子して、徹底的に価格調査してから納得のいくものを買います。😁 時間は多少かかりますが、自分なりに納得のいくものが見つかります。結果的に、国内デパートに並ぶブランドや国内セレクトショップの商品ではなく、ミリタリー放出品、海外のワークウェアブランドの古着、ユニクロやGUの在庫処分品などを選んでいて、笑っちゃいますが。

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