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南充浩 オフィシャルブログ

ネット通販のレビューコメントは玉石混淆と感じた話

2021年7月30日 ネット通販 3

最近、51歳の中老のジジイはデジタルトランスフォーメーションに成功して、買い物を実店舗とネット通販と併用している。さしずめ「デジタルトランセンテンスモード発動」と言うところだろうか。

実店舗で買う方がお得なら実店舗で、試着や実物確認は実店舗で、という具合である。また実店舗で在庫が切れていてネット通販にあるなら、ネット通販でという感じで買い物をするようになった。

試着してみたり、実物を自分の目で確かめてみた物に関しては、そのまますんなりとネット通販で買うが、試着していない物(できなかった物)や実物を自分の目で確認できなかった物に関しては、ネット通販のレビューを読んで参考の一助としている。

しかし、このレビューが曲者だと当方は感じる。

Amazonや楽天などの大型通販サイトだとこのレビューが問題になっている。

組織的に低評価を付けたり、逆に組織的に高評価を付けたりして消費者を惑わそうとしているからだ。

だが、個々のサイトでもレビューは微妙な物が多い。こちらに関していうと、組織票という感じではないが、消費者個々の商品や料金、品質への認識に激しい格差があるためである。

 

例えば、先日のウェブメディアからの依頼で、いくつかの低価格ブランドから夏向けTシャツをピックアップしたのだ。

ピックアップの一つとしてワークマンで商品を探してみた。

ワークマンのTシャツ類は、合繊100%の給水速乾物はスポーツ・アウトドアテイストに偏りすぎていて、ジョギングや屋外作業でなら着用できるが、デイリーカジュアルとして着用するのはちょっと難しい物が多かったというのが当方の感想である。

で、カジュアルに使えそうだと思ったのが3品番。

一つは、両裾にポケットがある綿100%Tシャツ。これの機能は「虫よけ」である。

もう一つは以前にもこのブログでご紹介した綿100%9オンスヘビーオンスTシャツ

で、三つめが持続冷感コットンオーバーサイズ5分袖Tシャツ(名前長っ)

である。

でこの持続冷感云々Tシャツ(定価780円)で買ってみて洗濯し、着用テストしてみた。

 

理由は上二つが綿100%で、当方は猛暑の真夏に綿100%Tシャツを着ることが嫌になってきたからだ。

この持続冷感云々Tシャツの素材組成は、綿75%・複合素材(ポリエチレン・ナイロン混)25%である。冷感の核となっているのはポリエチレンだろう。

表面は綿、裏面に複合素材が出てくるという編み方である。

売り場に行って驚いたのが非常な売れ筋商品で、品切れになったサイズ、色が多数あったということである。記憶ではナチュラル(オフホワイト)、ブラウン、紺くらいしか残っていなかった。サイトで確認すると、パープル(ピンクがかっている)、黒、グレージュ(ベージュがかったグレー)の全6色があったが、売り場ではすでにこの3色は完売していた。で、当方はブラウンを買った。

 

 

 

人気の理由はそのシルエットにある。大衆トレンドである着丈長めのオーバーサイズを実現しているからである。それでいて、生地の表面はそれなりに光沢のある感じに仕上がっている。

ジーユーのオーバーサイズTシャツと比べると、ワークマンのこれはアームホールが狭く袖が細めである。袖幅が広すぎるとはっきりいって不格好だから、こちらの方がよりスタイリッシュに見える。しかも780円なので、これが人気の理由だろう。

 

着てみた感想だが、たしかに接触冷感はある。ただし、これを着て屋外を歩いていると生地自体はすぐにぬくもってくるからあまり持続しているという感じはしない。しかし、冷房の効いた部屋に入ると接触冷感が復活するから、冷房内ではかなり気持ちいい。

当方にとって重要なのが大量の汗である。これについては裏面の合繊複合素材のおかげで肌に貼りつくことはない。その一方で、表面の綿に吸収されてしまい、ここが濡れてしまい汗染みが目立つ。

ちょっと当方の理想とは異なる。

決して悪い商品ではないが、当方が真夏に着たいという商品ではない。

汗のかく量が少ない人で、ジーユーのビッグTよりもスタイリッシュさを求める方は780円なのでお買い得だといえる。

 

さて、商品紹介が長くなったが、ワークマンのサイトでレビューを読むと

 

「洗濯するとしわくちゃになってしまった」

 

というような低評価コメントがあった。

生地を見ても普通の天竺だからそこまでしわくちゃになるとは思えない。帰宅して着用前に洗濯して(もちろん洗濯機で)みたが、たしかにシワは入ったが、平均的なTシャツと同じくらいである。

クレームを入れるほどではない。

で、ここからは類推だが、この人は780円だからということで洗濯、干す、取り入れた後を雑に扱ったのではないかと思う。シワを伸ばさずに干せばしわくちゃになるし、取り入れたあとたたまずに床に投げ捨てていればしわくちゃになる。商品の品質というより自分の取り扱い方が乱雑だっただけではないのか?

 

また、これは衣服ではないが、両親と弟の死去に伴って一人暮らししている実家だが、夏は庭の雑草の繁殖が酷い。去年から定期的に除草剤を撒いて枯らしている。

以前はAmazonでアイリスオーヤマの4リットル除草剤を2本ずつ買っていたが、今回、ヨドバシカメラドットコムで検索するとメーカーは異なるが4リットル入りの除草剤を1本880円で見つけた。Amazonのアイリスは1本1000円強だったので、ヨドバシの別商品をポチった。

まだ撒いていないので効果のほどはわからないが、2本で1600円くらいなのは大幅に値下がりしたので当方は満足しているのだが、レビューには

 

「コストが・・・・」

 

みたいなコメントが書き込まれており、ちょっととっさには何が言いたいのか理解できなかった。

これも類推したのだが、コメント主は除草剤を1度撒いてしまえば二度と草が生えてこない薬品だと思っていたのではないだろうか?

逆に言うとそこまで毒性の強い薬品は危険物でしかないと思うのだが。

そうだとすると、除草剤という薬品、ひいては薬品全体に対する無知の結果ということになる。

 

長々と書いてきたが、この手の「的外れレビュー」はどの商品にも結構あって、各商品に対する個人個人の知識の格差が可視化されているということになる。またそのレビューコメントに引きずられてしまって購入を見合わせる消費者も幾人かは発生してしまうだろうから、商品レビューの取り扱いというのは、ネット通販業者各社ともに難しい問題であると改めて感じた次第である。

 

 

 

アイリスオーヤマの4リットル除草剤をどうぞ~

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 comment
  • とおりすがりのオッサン より: 2021/07/30(金) 11:32 AM

    ついこの前、AmazonでPCモニターを自由に動かすためのモニターアームを買いました。エルゴトロンという一番有名なモニターアームメーカーの物ですが、Amazonのレビューでは「付属の調整用の六角レンチがねじに合わない」とか書かれていました。「んなことあるかいな?」と、届いた製品を見ると、調整用のねじの横に調整しない固定用のねじがあって、それはいじり防止用のねじでした。「あんたが回そうとしてるのは、回しちゃダメなねじだからぁ~」とAmazonのレビューに返答しかたったですが、今は仕様が変わってレビューにコメント付けられないんですよねw
    しかし、一定数現れるアホ消費者の対応というのは、一般消費者向けの製品では大変そうです・・・

  • とおりすがりの元・服売り より: 2021/07/30(金) 3:06 PM

    これは前々からそうなんですが、Amazonのレビューもそうですし、AppleのAppStoreのレビューもアテにならないものが目立ちます。
     
    例えば、Amazonだと説明書をちゃんと読んでない故に書いてるものもあれば、「梱包がー」とか商品自体というより、業者に対するレビューが付いてたりします。
    あとは、「いい商品です」とか、どこがどうよかったのか?具体性がなく、レビューになってないレビューも多いです。
     
    AppStoreの場合も同じで、例えば「使ってると落ちる」とか「処理が遅い」とか、「それはお前のスマホ(環境)の問題だろう」とツッコミを入れたくなってしまうものも多いです。
    「つまらないです」みたいに、レビューになってないレビューばっかなのも同じ。
     
    結局、レビューを書くにもセンスと言うか、ある程度能力が求められるということですね。
    たかがレビューとあなどり、これが分かってない状態でレビュー書く人が多すぎるのが問題だと思います。

  • BOCONON より: 2021/07/31(土) 6:39 PM

    > レビューを書くにもセンスと言うか、ある程度能力が求められる

    まことに御尤もですね。
    “病院ランキング” とか食べログとかと同様,「なんでオマエなんかに良しあしが判断出来る気でいるんだ?」であります。

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