コロナ自粛で衣料品とは対照的にガンダムのプラモデルは売上高が伸びた話
2021年5月18日 ネット通販 0
何事においても100%デメリットということはない。
今回のコロナ禍においても多くの業界が売り上げ不振に陥っているが、一方では売れている商品もある。
例えば衣料品は不振だが、ガンダムのプラモデルはかなり好調である。
業界メディアは仕方がないが、国内の一般メディアは好調分野をもっと特集した方が国民の精神衛生上良いのではないかとさえ感じる。
暗いニュースも報道する必要はあるが、一般メディア、特にテレビがワイドショーで暗い情報を煽れば煽るほど情弱な老人層は意気消沈してしまう。
この1年間のガンダムのプラモデルの売れ行きは、体感的にもすさまじいものがある。
2020年2月まではそんなことはなかった。よくも悪くも売り場の供給体制は安定していた。当方は田舎に住んでいるが、近所のジョーシンに行くと常にガンダムのプラモデルがギッシリと置いてあって「何年前の入荷だろうか?」と疑問を感じる商品さえあった。
ところが、今では、ガンダムのプラモの棚はスカスカである。田舎のロードサイドのジョーシンであるにもかかわらず。
ネット通販でいうなら、2021年2月までのAmazonはジョーシン以上に割引価格で売られていた。ジョーシンは2割引きだがAmazonは3割引きが珍しくなかった。
しかし、昨年2月以降はAmazonのガンプラ価格が高騰して定価を越える販売価格になってしまった。
そのため、必ず2割引きで売っている近所のジョーシンの利用頻度が増えた。コロナ禍でネット通販から実店舗へ需要が回帰した一例である。
毎月何だかんだと新商品が発売されるが、昨年秋口くらいから、新商品が近所のジョーシンに入荷すると、9割の確率で入荷後数時間で完売するようになった。そのため、当方は欲しい商品が発売される日には開店前に並ぶようになった。
毎回、だいたい3人~10人くらい並んでいて、当方も含めて40代~60代くらいの男性ばかりである。
それくらいに今、ガンダムのプラモの争奪戦は激しい。
当方は、洋服の新作発売日に並んだことはなく、今後もまったく並ぶ気はないが、ガンダムのプラモのためには開店前の田舎のジョーシンのドアの前に並んでいるわけである。
で、ふと思い立って、実際にどれくらいの売れ行きがあるのかを調べてみた。
2021年3月期の第3四半期の決算を発表するとともに、IP別売上高を開示し『機動戦士ガンダム』が前年同期比で7.8%増の676億円と伸びた。プラモデルなどのハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティング等が効果を発揮し、国内外で好調に推移したという。
とある。
ガンダムの売上高は第3四半期で前年比7・6%増、実額にして約50億円の増収である。また通期だと、2020年3月期は781億円だったのに対して、2021年3月期は925億円と見通しており、約140億円の増収を見込んでいるということになる。
コロナ禍における消費低迷を考えると、ガンダム関連はプラモデルが牽引し、凄まじい伸びだといえる。
一般メディア、経済メディアはこういう報道はもっとした方がよいのではないかと思う。
で、ここで注目してもらいたいのが、
プラモデルなどのハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティング等が効果を発揮し、国内外で好調に推移したという。
という一節である。
これは何を意味しているのかというと、このサイトである。
プレミアムバンダイ|バンダイナムコグループ公式通販サイト (p-bandai.jp)
この通販サイトではバンダイの様々な商品が販売されているが、中でもガンダムのプラモデルに関しては、一般販売店では非売品の商品が定期的に販売される。
アパレル通販だと、送料はZOZOTOWNの210円とか、ユニクロ・ジーユーの450円とかドットエスティの500円があるが、プレミアムバンダイは660円もする。
さらにいえば、ユニクロ・ジーユーは5000円以上で送料無料、ドットエスティは4000円以上で送料無料、Amazonは2000円以上で送料無料だが、プレミアムバンダイは例え2万円のプラモデルを買おうが、10万円の超合金を買おうが送料は660円かかってしまう。
アパレルやAmazonに比べるとはるかにサービス内容が悪い。
それでも、一般非売品のガンプラは結構売れていて、人気機種なら発売後数時間で完売してしまう。
ケチな当方でさえ、発送料660円も支払ってここで何度か買ったことがある。
ガンダムのプラモデルの多くはだいたい」2000~3000円台(それ以上の高額品もあるが)なので送料660円がプラスオンされると価格帯が一つ繰り上がってしまう。
にもかかわらず、完売してしまうのだからすごい人気だといえる。
アパレル業界はD2Cで盛り上がっている(笑)が、アパレルのD2Cよりプレミアムバンダイのオンライン専用ガンプラの方がはるかにD2Cとしてビジネスで成功しているといえる。
もちろん、ガンダムという強いキャラクターの力を借りていることは大前提だが、この仕組みと仕掛けをアパレルはもっと研究した方がよいのではないかと思う。
先日、4月末の緊急事態宣言発令直後、大型書店のレジには長蛇の列ができていた。昨年4月にも同じ光景があった。コロナ禍で外出もままならないので、書籍を買う人が増えたのだろう。大型書店の売上高も体感的にコロナ禍によって伸びているのではないかと感じられる。
そういう報道がもっと増える方が国益にかなうだろう。
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