しまむらのネット通販の9割が店舗受け取りになるのは当たり前という話
2021年4月7日 ネット通販 1
ネット通販での購入もすっかり慣れたのだが、送料がかかる物は極力買わない。
ZOZOの送料一律200円くらいならどうということはないと感じるが、500円以上だと「高いな」と貧乏性な自分は感じてしまう。
まあ、送料込みでも定価より安いのであればネット通販を使う意味はあると思っているが、送料込みで定価を越える商品は近所の実店舗に買いに行った方がマシだと思っており、そのように行動している。
ブランドやモールによっては「〇〇円以上のお買い上げで送料無料」となるが、逆に何万円買っても送料が無料にならないブランドやモールもある。
前者はAmazon、ユニクロ、ジーユー、アダストリアあたりだろう。後者はプレミアムバンダイである。
ちなみにこれらは自分がよく使うネット通販の中から考えた。
・Amazonは2000円以上
・ユニクロとジーユーは5000円以上
・アダストリアは4000円以上
となっている。
プレミアムバンダイは何千円、何万円ガンダムのプラモデルを買おうが送料は600何十円かかる。
Amazonの場合、2000円を越えさせるのは簡単で洗剤などの消耗品だと複数買えば済む。
ユニクロとジーユーで5000円を越えるのはなかなか難しい。これについては後述する。だから当方は送料無料の店舗受け取りを選ぶ。
アダストリアの単価だと値下げ品を2枚買うとだいたい4000円くらいになる。どうしても2枚欲しい物がなければ、たまに500円引きクーポンがつくので、それを使って送料を相殺する。
プレミアムバンダイは涙を飲んで買う。何せ、店頭では売っていないネット専用ガンプラが多いから欲しければ買わざるを得ない。
先日、しまむらの2021年2月期決算が発表された。
決算内容については当方よりもよほど正確に分析ができるマサ佐藤氏にお任せしたい。
なるほどと思ったのが、しまむらが開始したネット通販である。
68_04_setsumeianalyst2.pdf (shimamura.gr.jp)
発表によると
▼商品の店舗受取りが約9割。ECと実店舗の相互送客に効果を発揮
と書かれてある。
ネット通販の初年度売上高は目標額よりも3億円少ない17億円となったが、その9割は店舗受け取りだという。
当方には至極当然の結果と映る。
これはユニクロとジーユーのネット通販にも共通することなのだが、しまむら、ユニクロ、ジーユーみたいな低価格品を買った場合、わざわざ送料を払っていたら、何のために低価格品を買ったのかわからなくなる。
ユニクロとジーユーとは異なり、しまむらは何千円買っても送料は無料にならず、サイトの説明によると、送料は200円・500円・1000円の三段階がある。
よくある質問 | しまむら 公式オンラインストア (shop-shimamura.com)
ユニクロとジーユーは5000円で無料なので、しまむらの方が店舗受け取りが増えるのは当たり前である。
しまむらみたいな安い商品を買っているのに、送料を支払うならわざわざそこで買うメリットはなくなる。例えば990円の商品を買うのに送料500円を払いたい人がどれだけいるのか。
当方なら絶対に嫌だ。そうなると、時間のあるときや用事で近隣に行くときに店舗受け取りをする。店舗受け取りなら送料無料だ。
当方はユニクロ・ジーユーのネット通販もほとんどが店舗受け取りである。
理由は、格安値下げ品しか買わないから5000円に到達しないからである。格安値下げ品を買っているのに500円支払うのはアホらしい。だから用事のついでに店舗で受け取る。店舗受け取りなら390円に値下がりしたTシャツでも送料無料である。
しかし、ツイッターを見ていたら驚いたのが、ECを専門とするような多くの人たちが「しまむらのネット売上の9割が店舗受け取りになる理由がわからない」とツイートしていたことである。
当方からすると逆に「どうしてわからんのかな?」と不思議でならない。
しまむらで590円の服を買ったのに、送料500円を払いたい奴なんてそんなにいないだろう。それならユニクロの実店舗で似たような990円を買った方がマシである。100円お得だ。
この消費者心理がわからないのであれば、各ECは期待されるほどには売れないだろう。よく、アパレルメーカーのブランドが「作り手志向が強すぎる」と批判されるが、それは各EC屋にも言えることで「売り手志向、ネット志向が強すぎる」である。
また、EC屋諸氏は都心のナンタラ配送ボックスが完備された比較的新しいマンションにお住まいなのかもしれないとも思った。
郊外の一軒家とか、ナンタラ配送ボックスのない古いマンションやアパートに住んでいたら、宅配よりも店舗受け取りの方が便利な場合がある。
例えば一人暮らしとか、家族で住んでいるが昼間は家族全員が学校や仕事や習い事で留守にしていることが多いとかである。
不在票が入っていて、再配達をお願いしなくてはならない。その際、受け取り日時は指定できるが、それでもピンポイントでの時間指定は不可能でだいたい2~4時間の幅がある。ということは2~4時間を受け取りのために待機しておく必要がある。これはなかなかにめんどくさい。
当方は両親が死んだので郊外の一軒家に一人暮らししているが、配送の受け取りは待ち時間がめんどくさい。一昨年までなら引退した親父が終日家でゴロゴロしていたので、ほぼ受け取り時間など気にしたことがなかったが。
近所の一軒家のオジサンも「一人娘が仕事で昼間はいないので、ワシはAmazonの受け取り係としてずっと自宅で待機している」と嘆いていた。
昔なら、3世代同居も多かったから、昼間は隠居した祖父母が留守番していて、受け取りには困らなかったが、今は祖父母同居も減っているし、全員が仕事・学校で昼間は留守の家庭が多い。
となると、用事のついでや通勤・通学の途中で受け取れる店舗受け取りを選ぶ率も高くなる。
ユニクロ・ジーユーも店舗受け取りが4割くらいを占めるというがそれも低価格品と合わせて当然だろう。
都心最新マンションに住んでいる人ばかりではないこと、送料の500円~1000円をケチりたいという消費者心理、これらを理解できないなら各ECが今以上に消費者に活用されることはないだろう。
ちょっと長くなってきたので、次回に続く。である。
「一人娘が仕事で昼間はいないので、ワシはAmazonの受け取り係としてずっと自宅で待機している」
悲ぴーw
でも、ここはビジネスチャンスなんじゃないっすかね。駅近くとかじゃなくても、ある程度の住宅街付近で、ある程度の大きさの倉庫があれば、個人宅への各社の宅配便を一時的に集積してソコで手渡しするサービスとか商売にならないですかね?送料なんかは、各宅配業者と提携して安くできるだろうし、スマホで個人へ自動で連絡できるようにして、手渡しの要員は1~2名だけ居るってな感じにして。利用料はサブスクで利用者から取ったら採算とれないっすかね?ま、重いものとか大きいもので手で運ぶの大変なものだと利用する人いないだろうけど。