MENU

南充浩 オフィシャルブログ

継続は力なりを痛感した

2013年10月17日 未分類 0

 先日、フラッと阪急百貨店うめだ本店に出向いたら、「ハツトキ」が期間限定ショップを出店していた。
単品は何度も見たことがあるが、キチンと売り場の体をなしたのを見たのは4年ぶりのことだった。

その出来は非常に良くて、最初ショップの前を通ったときに「ハツトキ」とは気が付かなかったほどである。
筆者の知っている4年前の「ハツトキ」はもっとモサっとして野暮ったかった。
4年間続けるとここまで発展するのかと改めて驚かされた。
まさに継続は力なりである。

IMG_4247
IMG_4245

さて、「ハツトキ」とは何ぞやというと、兵庫県西脇産地の産元商社、島田製織が企画・製造・販売する自社オリジナルのシャツ、ストールブランドである。

http://hatsutoki.com/

西脇産地というのは、綿先染め薄地織物の産地で、シャツ生地産地として知られている。
だから当初の「ハツトキ」は地味なチェック柄やストライプ柄、無地のシャツ生地をドレスシャツのパターンを使用しつつ、何故か洗いざらしのカジュアル感を表現するという中途半端なテイストだった。
当初、面と向かっていうのははばかられたが、今だからいうと、はっきり言って産地製品の域を出る物ではなかった。

島田製織とはその後もテキスタイル・マルシェなどで取り組ませていただいているが、そんな印象だったのでシャツに関しては興味を持って見てこなかった。
しかし、4年も経過すると徐々にデザインにも独自性とこなれた感が出てくるし、素材開発も希少性と効率性を両立させつつある。また顧客ターゲットも絞れつつあるようで、商品のテイストや価格帯も定まりつつある。
現段階において、産地の自己満足ブランドからは一線を画したと感じる。
あとはこのまま企画精度を高めつつ、価格帯とテイストを完全に定めてもらいたいと願うばかりである。

仕事柄、多くの産地ブランドを拝見している。
しかし、その多くは土産物の域を脱してはいない。ひどい場合はオカンの手作り品のようですらある。
もちろん、開始当初から上手く商品企画できるはずもないので、何年かかかって修正・改良するのだが、産地企業の多くはこらえ性がないのと、資金的に余裕がないのでだいたいが3年以内に廃止となる。

もしハツトキが3年以内で廃止していたら、よくある産地ブランドの失敗例ということで黒歴史に封印されていただろう。
島田製織は紆余曲折ありながらも予想外の粘り腰があったし、おそらく資金的余裕もあったのだろう。
その両方によって4年間粘れたことが完成度を高めることにつながった。
そういう意味では比較的恵まれた環境にあったといえるが、運も実力のうちである。

とはいえ、ブランドとして確立されるにはまだ不十分と感じる。
今後ますますの研鑽を希望する次第である。

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ