
「電動ファン付き服」は作業服分野以外にも広まるか?
2021年1月29日 トレンド 0
今日、金曜日と明日の土曜日は、気温が下がるが、日曜からまた気温は上がる。
いろいろと主観的な印象を持っている人も多いと思うが、豪雪地帯を除くと、20秋冬の気温は、12月下旬から1月中旬までだけが寒かったといえる。
長期予報を見ると1月31日以降は気温が高そうである。
そんな気温変化な上に、更年期なのか高血圧なのかわからないが、さらに暑がり度が増している当方にとって、普通の都市生活を営むにおいて、ここ数年間の冬はほとんど苦にならない。
寒くても少し運動すれば汗ばむ。
それゆえ、気温35度越えが当たり前となった夏の暑さの方がつらい。
夏は汗の乾く暇がない。
冬の保温衣料品なんか個人的には無くても構わないから、夏の冷涼衣料品の開発をもっと強化してほしいと切実に願い続けている。
吸水速乾肌着なんて着ても暑さそのものは軽減されない。真夏は服を着るのもおっくうだが、全裸で歩くと捕まるだけでなく、汗そのものは止まらない。
そんな中、ちょっと興味を持っているのが、「空調服」とそれに類した商品である。
背中に電動ファンが付いたあの服である。ちなみに「空調服」というのは株式会社空調服の登録商標なので、それ以外のメーカーが発売している類似商品にはその名称は使えない。「電動ファン付き服」とかそういう呼び方をする必要がある。
繊維ニュースは「EFウェア」という造語で呼んでいるが、ちょっと意味が伝わりにくいと感じる。
作業服ではこの「空調服」とその類似品が普及してきている。
この商品自体を目にしたのは、6~7年くらい前だったのではないかと記憶している。出始めたころは、当然のことながらそれほど着用者は見かけなかったが、年を追うごとに、着用者を見かけることが増えていった。
昨年夏はかなりの頻度で着用者を目にするようになった。
当方の食生活を一手に担っているスーパー万代には駐車場に誘導係の人がいるのだが、真夏も炎天下で仕事をしていて本当に見るだけでもつらいのだが、昨年夏からは空調服っぽいのを着用するようになった。
そんなわけで、かなり広まってきているのではないかと感じる。
実際にワークマンを始めとする作業服店では、夏の売り上げに「電動ファン付き服」がかなり貢献していると業界では言われている。
使用者からも「一度使うと手放せない」という声も聴く。
今までになかった商品で、完全に普及しきってはいないから、あと数年くらいは売れ続けるのではないかと思う。また作業服ということで、服自体も破損するし、バッテリーやファンにも寿命はあるから、そこの部品交換だけでも継続的な需要が見込める。うーんサステナブル。
作業服店の売上に貢献しているのは需要という側面だけではない。衣料品は全般的に夏物は単価が低く、冬物は単価が高くなる傾向がある。作業服も同様だ。
これまでなら、夏場の作業服なんてTシャツやポロシャツ、それに類した物で単価は低かったが、電動ファン付き服は最低でも5000円くらいはするので、格段に単価が高い。
理由はバッテリーとファンが何千円かするからだ。そこにさらに生地代・縫製工賃が上乗せされるから安くても5000円くらいの売価になる。
通常の夏作業着と同じ数量が売れると、売上高は5倍くらい増えることになる。
ワークマンの夏場の月次売上高が前年増なのは、もちろんワークマン自体の好調さがベースにあり、その上での新規店舗数増と電動ファン付き服の好調さによるところも大きいと考えられる。
さて、そんな電動ファン付き服だが、作業服業界だけのアイテムで終わるのかというところに個人的には関心を持っている。
その見込みは半々ではないかと正直思う。
電動ファンを回すと、空気流によって服自体が膨らむ。まるで冬場のダウンを着ているかのようになる物が多く、夏場に見かけると一瞬びっくりする。
その辺りをデザインやパターンなどで改良できればカジュアル分野にも広まるのではないかと見ているがどうだろうか。
どうしてそんなことを書いているかというと、先日、「ケレン」というカジュアルブランドの展示会で、空調服とのコラボ商品が展示提案されていたからだ。
カジュアルブランドとしてはチャレンジンヌな取り組みだと思う。実際に企画担当者に尋ねると、企画として提案したが経営陣はクエスチョンマークみたいな顔をしていたとのことだった。(笑)
しかし、例えばアウトドア用カジュアルとすれば、あれば便利な機能ではないかと思う。
当方は苦手な真夏にアウトドア活動をしようとはさらさら思わない。できる限り冷房温度25度の部屋で過ごす。
だが、世間的には夏というと山遊びやキャンプ、野外フェスなどのアウトドア活動の時期だとされている。炎天下にそういう活動をすればすぐに体温が上がる。普段なら扇風機かクーラーで涼めばいいが、アウトドアにそんな家電はない。そう考えると、空調服とのコラボ商品の需要はあるのではないかと思う。
繁華街やファッションビル内で着ていると空気流による服らみに違和感を持って見られるかもしれないが、アウトドア時ならそういう目もないだろう。またコロナ禍による在宅勤務なら着用に問題はないだろう。
そんなわけで、作業服以外の分野で「空調服」や「電動ファン付き服」の盛夏需要がどこまで伸びるかをちょっと楽しみに観察していきたいと思っている。
Amazonには「空調服」で表示される類似品が掃いて捨てるほどある(本来は大問題の案件)が、そのうちのアイリスオーヤマの製品をどうぞ~