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南充浩 オフィシャルブログ

そんなにお手軽にはできません

2013年9月27日 未分類 0

 生地を販売するよりも製品化して販売した方が利益を取りやすい。と言われる。
デザイン、縫製などにコストはかかるものの、その通りなので、昨今は生地メーカーや染色工場などがオリジナルの製品を開発する。

一番取り組みやすいのはストールだが、ここではストールについて繰り返さない。
その他はバッグや雑貨類が多く、衣料は比較的少ない。

そういう製造工場のオリジナル製品だが、大きく2つに別れる。
1つはキチンとデザインされた物、もう1つはデザイン的にアレな物。
キチンとデザインされた物の多くは、デザイナーなり企画担当者が携わっており、デザイン的にアレな物は工場の社長あたりが自分の感性で製造している場合が多い。

先日、製品の企画・製造・販売に乗り出した生地関係の会社のサイトを拝見した。
その会社の経営者は生地販売よりも製品販売を強化したいとおっしゃっていたのだが、デザイン的にはかなりアレな感じで、売れるとは到底思えない。
その割にはやたらと型数があり、その自信はどこから来るのか理解に苦しむ。
自信がないからこそ「下手な鉄砲も・・・・・」でやたらと型数を増やしているのかもしれない。

おそらく、企画デザインは経営者あたりがやらかしておられるのだと思われる。

正直申し上げると、この企業の取り扱う生地はすごく良いので、製品販売はお遊びやサンプル程度にチャレンジされて、生地販売に注力する方が良いと思う。
もしくは製品のデザインをデザイナーや企画会社に有料で依頼されるかである。

それにしても、製造業者の「安易」な物作りは後を絶たない。
某産地のオジサマ方が「自分らの感性でデザインすればええねん」と気炎を上げていらっしゃっと聞くが、そんなにお手軽にデザインできるのであれば、世間のアパレル企業は苦労しないだろう。

産地企業のソフト力への無頓着は相変わらずである。
デザイン、広報宣伝、コーディネートなどなどは無料で当然と考えている産地企業は多い。
例えば、某生地産地の総合展示会では、製品のサンプルを展示するにあたって、デザインを専門学校生に依頼する。理由は無料だからである。
プロに依頼した場合は、当たり前だが幾ばくかの費用が発生してしまう。

また某産地で最近、新製品が開発され、広報活動の甲斐もあって有名雑誌に4ページに渡って記事掲載され、表紙にもその商品が掲載されたが、担当者は社内であまり評価されていないと聞く。
もちろん、広告出稿ではなく、純粋に取材記事であるから掲載料は無料である。
おそらく、優に1000万円分くらいの広告価値があったと考えられる。

悲しいかな、これが産地製造業の現実である。

ソフト力に関して、身の丈に合わないほどの投資をする必要はもちろんない。
しかし、まともな製品を企画製造するなら、デザインその他のソフト力は不可欠である。
いくらコスト削減とはいえ、製品のデザインまでもを工場のオジサマがやらかしているようでは「売れる商品」なんて到底できっこない。

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