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南充浩 オフィシャルブログ

自らの価値を棄損している

2013年9月26日 未分類 0

 近頃、国内の生地産地でも製造ロットが小さくなり、中には「1反からでもオリジナル柄を織ってあげるよ」という生地メーカーもチラホラと見かけるようになってきた。

ビジネス規模の小さい独立系デザイナーにはうれしい限りではないだろうか。

しかし、中にはデザイナーと取り組んで完成したオリジナル柄を、勝手に色合いを変えて、デザイナー版よりも安価に販売するという生地メーカーも存在する。

例えば、デザイナーが赤×黄色×紫のチェック柄をオリジナルとして作ったとする。
それが完成すると、この生地メーカーは無許可でまったく同じチェック柄をピンク×グリーン×ブルーで作って、それを安価な量販店価格で販売してしまう。
性質が悪いことに、それが「商才」だと思っている節があり、勘違いも甚だしいと言わざるを得ない。

そんなものは「商才」でも何でもなく、単なる劣化コピーの安売り屋である。

まともに「商才」のある生地メーカーなら、同じ柄の色違いなんて物を無許可には作らないだろうし、それを廉価で投げ売ることもない。
もし、色違いで作りたい場合は、せめてデザイナーに一声かけるだろうし、その生地を廉価で投げ売りはしない。

まともなオリジナルの色柄が作りたければ、デザイナーと正式に幾ばくかの金銭で契約を結ぶべきだろう。
この生地メーカーはソフト開発を甘く見ており、ひいては納入先から自身のソフト力も低く見られているということに気が付いていない。

こんな生地メーカーばかりとは言わないが、この手の生地メーカーが各産地内に存在するのもまた事実である。

そういえば、先日こんなこともあった。
また違う産地のことなのだが、仮にAという生地メーカーが、同産地内のBという生地メーカーに生地を卸売りした。
いわゆる仲間卸である。
例えばその際、1メートル800円で卸売ったと仮定しよう。

ところが、そのA社は何を思ったのか、ちがうお客であるCに同じ生地を1メートル600円で販売してしまった。

しかしCはBからも同じ生地を購入しており、しかもその値段は1メートル1000円である。

当然CはBにもAにも抗議したわけだが、まったくもってA社の商道徳には疑問を感じる。
Cに直接販売するのであれば、せめてB社への卸価格と同じにすべきである。これはA社の信用を自らが棄損している行為だといえる。

このA社も先に挙げた劣化コピーの投げ売り屋も根本的な考え方が間違っているといえるが、本人たちはその間違いに気が付いていない。なんともはや・・・・・・・である。

ここ数年来、地場産業や日本産という切り口が注目されており、あちこちの売り場で「地場産フェア」や「日本産フェア」が毎週のように開催されている。
この降って湧いたようなブームが手放しで良いとは思えないが、この手の産地企業が各産地にそれなりの数存在するということは、現在のブームにも水を指すことになるし、さらには消費者の物作り企業への信頼感も損ねることになる。

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