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南充浩 オフィシャルブログ

洋服を実店舗で買いたいという人が大きく減らない理由

2020年12月22日 ネット通販 0

個人的なことを言えば、もうお気づきの方々も多いと思うが、自分は新しいことにすぐに飛びつくタイプではない。

イノベーターとやらになりたいともアーリーアダプターになりたいとも思わない。レイトマジョリティーで十分である。

そんな自分がインターネット通販を本格的に使い始めたのが2013年から。洋服をインターネットで買い始めたのは2015年ごろからである。ガンダムのプラモデルをおもに買っていたが、当時はAmazonで3~4割引きだったので、Amazonをよく使った。今年3月からはコロナ需要と転売ヤーの跳梁跋扈で、ガンプラが値上がりして、近所の2割引きのジョーシンよりも高くなってしまったので、Amazonでガンプラをほとんど買わなくなってしまった。

洋服もインターネット通販で買い始めてからすでに5年くらいが経過しており、これだけ使うと、何となくコツというものが見えてくる。

今ではサイズが小さすぎて着られないという失敗はほぼ無くなった。

たしかに洋服のネット通販は便利である。夜中でも買えるし、荷物を持ち帰る必要もない。だが、それでも現在の技術水準では、今後、洋服の購買の半数以上がネット通販に切り替わるとは考えにくい。

その理由は2つある。

1、生地の触感がわからない(厚いか薄いか、柔らかいか硬いかなど)

2、似合うか似合わないかは試着してみないとわからない

である。

これまでネックだったサイズは自動計測システムが充実しつつあるし、こちらが慣れればサイトのサイズ表を見て判断しても8割くらいは外さなくなる。

 

まず、生地の触感だが、洋服に詳しい人なら組成で何となくわかる部分もある。

例えばレーヨンやテンセル、モダールなんかがかなり含まれている場合である。ツル、テロとした触感になることは容易に想像できる。

こういう特徴的な生地は想像しやすいが、それでも例えば「綿100%デニム」の場合、だいたい何オンスくらいか表記されていないと、厚さは想像できない。

10オンスくらいならかなり薄いし、14オンスを越えるとかなり分厚い。

Tシャツでも同様だ。4オンスなら薄いし、7オンスなら分厚い。

この辺りはモデルの着用写真だけでは判断しにくい。

 

2年くらい前にドットエスティで「ライン入りチノパン」なるものをポチった。

「チノパン」と銘打たれているわけだから、当然、こちらとしてはある程度、ハリコシのある生地を想像したわけだが、到着した「チノパン」はまるでパジャマのズボンのように薄くて柔らかい生地だった。

夏物ということもあったのかもしれないが、それにしても生地が薄過ぎる。これを画像から判断することは難しい。

 

次に「似合うかどうかは試着をしないとわからない」という問題だが、各サイトの着用画像はそこそこ容姿端麗なモデルを使用している。

このため、洋服がかっこよく見えやすい。

だが、実際に自分が着てみると、モデル着用画像ほど似合っていない場合も多いし、逆にひどくカッコ悪い場合も珍しくない。

そう、洋服は悪くない。着用者の容姿が悪いのである。自分も含めて。

 

今年の11月だったと思うが、またまたドットエスティで「ニコアンド」のユーロミリタリーブルゾンという商品をポチった。理由は価格が70%オフの3234円に値下がりしたからである。

 

 

しかし、購入後さらに2910円に値下がりしたので早まったと後悔している。

この商品は着用画像で見ると、そこそこカッコヨク見えているが、いざ届いて自分が着てみるとめちゃくちゃカッコ悪い。

 

https://www.dot-st.com/nikoand/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?ITEM_CD=2839708

 

 

 

理由は、当方の体格がガッチリしていることと、首が短いことである。

このため、どう見ても「これから工事現場に行きます」みたいなオッサンにしか見えない。

ちなみに商品の機能でいうと、非常に満足している。

ポリエステル中綿だが、薄い割に軽くて暖かい。おまけに首の内側はフリースが貼られていて暖かい上に、首の脂による汚れが目立ちにくい。

縫製を簡略化してコストを下げたのだろうが、内ポケットがないところだけは不満だが、それ以外に不満はない。

定価の10000円では買いたくないが、3000円くらいなら大満足である。似合わないという一点を除いて。(笑)

 

しかし、似合わないのは服が悪いわけではない。自分の容姿が悪いだけである。

もう少しダイエットをすると少しマシになるかもしれないが、当面は風呂上りに寝間着の上から羽織っている。

 

この2点は、バーチャルタッチとかバーチャルフィッティングなんかのシステムが完成すればクリアできるのだろうが、このシステムが完成するのは相当先のことではないかと思う。

アパレルブランドのEC化率がどんなに高くても現在は30~40%にとどまっていて、低いブランドだと10%前後である。

要するに7割~9割の人は服を実店舗で買っているわけだが、どうして実店舗で買う人の比率がイノベーターやコンサルタントが思うほどに高まらないかというと、先に挙げた2点が大きな理由だと考えられる。

この2点がクリアできない限りは、洋服のネット通販購買比率は、業界人や怪しい有象無象が期待するほどには高まらないだろうと思って眺めている。

 

 

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