ルーズシルエット・ビッグシルエットの流行が終わらないと思う理由
2020年10月23日 トレンド 2
今月はネット通販で服を買っていないが、最近はネット通販で買ってもほとんどサイズ選びで失敗することがなくなった。
買って試着してみた結果、思ったよりも似合ってないということは多々あるが、それは当方の容姿がカッコ悪いせいであり、サイズが小さすぎて着られないということはなくなった。この1年半くらいは皆無ではないかと思う。
それだけ、ネット通販の勘所がつかめたのかと思うが、同時に、ルーズシルエットが無印良品などの一部のブランドを除くと行き渡ったためだということは間違いない。
タイトシルエットの服はそれこそ、どこぞのネット通販会社がPBでやろうとしていた「ミリ単位の精度」が必要になってくる。
ピチピチした服は5㎜、1㎝の大きさの差が明暗を分ける。
一方、ルーズシルエットの場合、身幅はあらかじめ大きめに作られているので、極端な言い方をすれば、Mサイズを着ようがLサイズを着ようがさして問題ない。
どちらを着用してもあまり変わらない。
変わるとするなら、着丈と袖丈だろう。
着丈の場合は、ロングコートよろしく長めに裾をたなびかせても良いので、これも重要度合は当方の中では低くなる。
当方が最も気にするのは袖丈である。
何度も書いているように当方の手は短めである。母方の祖父に似ているのだろう。極端に短くはないが、ユニクロのLサイズだと袖が長すぎる。
そして、当方は、長めの袖で指先が隠れている着こなしがカッコいいとは全く思えない。だから、なるべく袖丈は手首で止まるのを選びたい。
ユニクロに限らず、今のルーズシルエット全盛期のサイズ感だと、どのブランドもLサイズだと袖丈が長めで手のひらが半分くらい隠れてしまう。
そこで、Mサイズを選ぶわけだが、以前のピチピチ時代だとMサイズはミリ単位の精度が必要だったから、5㎜でも小さいと袖丈は合うが身幅や肩幅がキツくて動きにくい・入らないという状況だった。
しかし、今はルーズシルエットだから、身幅・肩幅はMサイズでもゆとりがあるものが多い。ゆとりがなくてもジャストサイズとして着られるものが多い。
こうなってくると、ルーズシルエット、ビッグシルエットの恩恵は大きいと感じる。
おまけにやっぱり、ピチピチで貼りつくような服よりは、ゆとりのある服の方が動きやすいし着心地もイイ。
ではこのルーズシルエット・ビッグシルエットは何時まで続くのか?ということになると、当方は当分続くのではないかと思う。
また、マストレンドがほかに移行した場合でも、バブル崩壊後のように完全に消え去るのではなく、そういうジャンルとして根強く残るのではないかと思う。
未だにスキニージーンズやピチピチTシャツを好む層が一定数存在し、それに向けた商品がユニクロにさえ置かれているように。今でもユニクロ、ジーユーにはスキニージーンズが相当数並んでいる。
ルーズシルエット・ビッグシルエットが当分続くと考える理由は
1、ネット通販で買うには便利だから
2、ピチピチよりも着ていて楽だから
この2つである。
アパレル各社がネット通販比率をこぞって高めている状況下においては、どうしてもネット通販で買う人は必然的に増えるだろう。増えなければアパレル各社の取り組みは無駄に終わってしまうから、各社ともに割引クーポンをばらまいたり、ポイントを何倍も点けたりして、何としてでもネット通販で買わせようとするだろう。
となると、ミリ単位の精度が必要となるピチピチよりもルーズシルエット・ビッグシルエットの方が、消費者にとっては買いやすい。
それが売れるとなると、ビジネスとしてはそこに商品を供給するわけだから、ネット通販ではビッグシルエットが売れるだろうし、そこに向けての供給量も増えるだろう。そうすると、ネット通販で買った人はビッグシルエットの洋服を持つ人が増えるわけだから、さらに大衆に浸透する。
ネット通販が増えることでビッグシルエットが長続きするというのは、人気ファッションブロガーのMB氏が唱えている。MB氏のファッションビジネス解説や、素材解説に対しては正直なところ「???」ということが多いが、この見通しに関してはまさにその通りだと思うし、慧眼であると思う。
http://www.neqwsnet-japan.info/?p=38331
その社会情勢とは、通販です。
通販の需要が高くなっているからこそビッグシルエットの流行は消えにくくなっている。
なぜかというと・・・例えばスーツのように体の線にピッタリ合わせたジャストサイズの服は通販でサイズを選ぶのが難しいでしょう。
とのことである。
ついでに言うなら、ズボンの丈が少し短めなのも当分の間続くだろうし、もしかするとそれが標準になるのではないかと思う。理由はネット通販である。
丈が長めだと、裾上げをする必要がある。ジーンズなんかは折り曲げて穿いても構わないが、スラックスタイプや裾がリブになったジョガーパンツなんかは折り曲げて穿くことはできない。
となると、裾丈の短いものを選べば裾上げは不要である。
ユニクロのネット通販なんかでは股下の長さを指定すれば裾上げをして送ってきてくれるが、実際、自分のベストな股下の長さを把握している人がどれだけ世の中に存在するのだろうか?多分、よほど衣料品に興味のある方だけではないか。
となると、ちょっと短めを買う方が余計な手間も要らないし、選択に失敗することもない。
次に、着ていて楽というのは、まさにその通りで、いくらストレッチ性の強い生地を使っていようが、いくらパターン(型紙)を工夫しようが、ピチピチした服は締め付け感があり、着ているとしんどい。
ゆったりした服はストレッチ混でなくてもラクである。
となると、大衆はどちらを好むかというと圧倒的に後者だろう。
次のパンツの先端トレンドとしてはブーツカットが注目されているが、これに移行するのは何年か先だろうと思うし、移行したところで、今のトレンドやスキニーが完全に消え去るわけでもなく、それなりに存在し続けるのではないかと思う。ブーツカットも完全復活すれば、またそれが一つの分野として今度は消え去ることなく、残り続けるのではないかと考えられるから、ファッションはある意味で多様化していくことになるだろうと思う。
安いユナイテッドアスレのビッグシルエット長袖Tシャツをどうぞ~
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BOCONON より: 2020/10/25(日) 3:28 PM
腕が短くて困っているのは僕も同じであります。左右で違うけれど,身長170㎝程度で袖丈がおおよそ80㎝くらいしかない。だからコート,スーツはもちろん,カジュアルシャツ(Lサイズ)の袖丈も直さないととても着られない。
しかしどうも世の中ワイシャツはまだしも,カジュアルシャツの袖なんぞを(簡単な直し方とは言え)いちいち直して着るような人はあまりいないようでもある。スーツの袖丈が合っている人もむしろ少ない。
少しどうかとも思うけれど,まあ僕みたいな奴がヘンなのでしょうし,結果としては南さんに同意せざるを得ないのですが。
どうでもいい話を二つ。
“MB理論” というのは実際のところ「黒のスキニーデニム穿けば誰でもおしゃれになれる!」というだけの話を持って回った言い方で,無意味な理屈で粉飾して言っているだけでありますね(昔のC.ディオールじゃあるまいし,男の服が “Aライン” になんてなるかいな)。黒スキニーがはやらなくなったらどうするつもりなのだろう?
まあ彼は自身のブランドやオンラインサロンで大いに儲かっているから信者だけ相手にしていればいいようなものだが,《日刊SPA!》で彼が「秋のユニクロ:マストバイ」なんてやっているのは,真に受ける人もたぶんいて,そういう人はたいへんに気の毒な気がする。バブァーのパチモン(ものすごく安っぽい)なんて買って着てたら大概いい笑いもんだ。