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南充浩 オフィシャルブログ

デイリーユースの子供服が低価格化するのは当然

2020年9月29日 トレンド 0

レディース、メンズ、子供服とある中で、もっとも価格低下の圧力を受けやすいのは子供服だろうと思う。

自家需要で考えた場合、子供服は着用年数が短い。子育ての経験からいうと、子供の身体は毎年大きくなるので、最長で2年間しか着用できない。破損するとか色落ちするとかいう以前にサイズが小さくなるからである。

兄弟姉妹がいる場合は、さらに下の子に着せるが、だいたいの家庭は子供が2人、多くても3人くらいだろう。

子供2人の家庭が最も多いと思われるので、下の子に着せたとしても最長で4年間しか利用できないことになる。

となると、高額品を買い与えるのは非合理的と考える人が増えるのは当然ではないかと思う。

 

レディースでもメンズでも大人服の場合、体型が極端に変化しなくて(要は激やせ、激太り)、トレンドが大きく変化しない場合は気に入った服は何年間も着ることができる。

だから

 

「高額品を買って長持ちするようにケアする」

 

という考え方は、合理的な一面もある。

当方は飽き性だから、1着の服だけを何年間も着ることは嫌になってくるので、安い服をたくさん持って着まわす方が性にあっているが。

 

「止まらない子供服の低価格化 ハレの場なくなり日常着の競争激化」

https://senken.co.jp/posts/kids-clothing-price-200929

 

同市場は西松屋チェーン、しまむら、ユニクロと、低価格が強みの大手専門店の売上高が市場規模の2割強を占める。

在庫問題解決クラウドサービスのフルカイテンが総務省の家計調査をもとに算出したデータによると、婦人用洋服と男子用洋服は15年以降毎年、名目増減率が実質増減率を上回っているのに対し、子供用洋服は下回っており、子供服がデフレ傾向にあることが分かった。

 

とある。

これは極めて当然の結果であり、今回、前置きで書いてきたことは世の中の大勢を占めているという証明になるだろう。

加えて、デイリーユースの子供服となると、子供は大人では考えられないくらいに遊びや食事で服を汚すので、洗濯の頻度が高い。その結果、服は早くに傷む。

セレモニー用や「余所行き」とかつて呼ばれたような晴れ着以外は、もったいなくて高額品を買えないと考える人が増えるのは不思議でもなんでもない。

 

ちょうど、つい数日前、かつて大手子供服メーカーに勤務経験のある展示会主催者とお会いして雑談をしながら酒を飲んだ。

現在、小さいお子さんがおられるとのことで、やっぱり「セレモニー用や晴れ着以外のデイリーユースは安い服を着せることがほとんどです」とおっしゃっていたので、当方が子育てをしていた20年前と同じ気持ちなのだろうと感じた。

 

しかし、その一方で、子供服には大人服にはない「ギフト」(贈答)という特殊な市場もある。

この市場では「安物ブランド」は喜ばれない。

男性でも女性でも大人服をプレゼントするなんてことはあまりない。サイズ感が重要だし好みもある。家族にだって勝手に買って帰っても「サイズが合わない」とか「好みではない」とか言われる可能性があることを考えると、普通はあまり「服」は贈らない。

 

だが、子供服は親しい友人、知人、親戚などの出産祝いや誕生日祝いで贈ることがある。その際、いくら「利便性が高い」からと言って、西松屋やしまむら、ユニクロの子供服やベビー服を贈る人はあまりいないだろうし、もらった方もまったく嬉しくないとは言わないが、それほどありがたいとも思わないだろう。

だから、やっぱりそれなりのブランド品を贈る。

その辺りの需要があるのが、ファミリアやミキハウス、ベベなど昔から百貨店にあるそこそこの価格の子供服ブランドだろうと思う。

当方が子供服やベビー服を贈る際も、やっぱりそのあたりからセレクトをするだろう。いや、無名ブランドでも構わないが最低条件としては百貨店の売り場に並んでいる必要がある。

 

そういうギフト(贈答)という部分を考えると、百貨店と高額子供服は共通点がある。

当方のように日常的には百貨店も利用しないし、子育てが終わって子供服なんか買う必要もない人間でも、贈答ということになると百貨店から贈るし、高額子供服ブランドの商品を贈る。

この分野を強化することで生き延びる方法はないのだろうか?

百貨店の贈答需要はまだしも、高額子供服ブランドの贈答需要市場は、恐らくそう大きくない。

西松屋やしまむら、ユニクロなどの小売業は例外として、これまで子供服アパレルメーカーはトップ企業でも売上高300億円台を越えられなかった。業界では「400億円の壁」と呼ばれており、バブル期から今までこれを突破できた子供服メーカーはいない。

そのことから考えても元来、小さい子供服市場のその中でも贈答需要はさらに小さいと考えられる。

ここで生き残るためには、贈答市場を総獲得するほどの貪欲さが必要になるだろう。また、ある程度の企業規模を実現するためにも贈答市場シェアの占有率を高める必要はある。

そこを目指す競争があっても良いのではないかと思う。

如何にイシキタカイ系が叫ぼうと、デイリーユースの子供服は今後ますます価格競争が激しくなる。端から大人服とは前提が異なるのである。

そこに巻き込まれずに過ごしたいと思うのなら、贈答需要に目を向けるほかないのではないかと思う。

 

贈答需要の呼び込みにもネット、SNSは有効なのでその基礎の基礎がわかる本をどうぞ~

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