旧大手ジーンズメーカーはジーユーかユニクロとコラボして知名度を高めるべきでは?
2020年8月12日 ジーンズ 3
先日、ビッグジョンが百貨店のジーンズ売り場から撤退した。
理由は儲からないからである。どれくらい儲かっていないのかという裏は取れてはいないが、採算に乗っていないからだということ自体は裏が取れている。
個人的にはエドウインやリーバイス、ビッグジョンといった旧ナショナルブランド系のジーンズが好きだし、安くなった型落ち商品をたまに買ったりする。
しかし、その一方で、ユニクロ、ジーユー、無印良品といった低価格ブランドのさらに値下げされたジーンズも買う。近年はどちらかというとこちらを買うことの方が多い。
一方、ジーンズそのものを穿くことが個人的には少なくなった。
まず、夏場は穿かない。
梅雨明けからの連日の猛暑に襲われている今年夏だが、もうこの暑さでフルレングスのジーンズを穿くことはちょっと選択肢としてありえない。
あと梅雨時や雨の日もジーンズは穿かない。理由は雨に濡れると乾きにくいからである。
ジーンズは基本的に綿100%、もしくは綿高混率である。合繊100%のジーンズというのは基本的には存在しない。
オールユアーズの企画を一手に担う原康人さんによると、
合繊では糸が細すぎて、デニム生地特有の経糸の表面感が出にくい
とのことである。
たしかに糸の番手換算から考えてもポリステルやナイロンに使用される太さの単位「デニール」は9000メートルで1グラムが1デニールなので、めちゃくちゃ細くて軽いということがわかる。
逆にデニム生地は綿の10番手くらいの太さの糸で織られるのだが、綿10番手くらい太い合繊というのは、存在しないため、合繊のみでデニム生地を完全再現するのは今のところ不可能である。
綿100%もしくは綿90何%のデニムは水に濡れると乾きにくい。なので雨に濡れるとなかなか乾かないので、梅雨時や雨の日には絶対に穿かなくなってしまった。
雨の日に穿くのは合繊高混率のズボンばかりとなってしまった。
また、ジーンズは重いし、動くには窮屈である。
スキニーだっていくらストレッチ混だとはいえ、細すぎてレオタードみたいだと不格好だし、貼りついて窮屈感がある。ストレッチのない綿100%ジーンズは動きにくさがある。
そんなわけで、段ボールを運んだり、売り場の設置などの作業をする際はジーンズはあまり穿かなくなってしまった。
ユニクロでさえ綿100%ジーンズというのはストレッチ混に比べて売れ行きが鈍いようで、ユニクロUの綿100%ワイドジーンズはついに1290円にまで値下がりしてしまっているが、その割には店頭の陳列量はそんなに減っていない。恐らく990円か790円に下がるまでは売り切れないだろうと思う。
そんなことを考えると、ジーンズというアイテムは今後需要が伸びて回復することは、当分の間ないのではないかと思える。
そういうことを考えると、ジーンズというアイテム、特に定番5ポケット型(スキニーからワイドまで)は、前回のブログではないが、ユニクロ、ジーユー、無印良品があれば十分ではないかと思えて来る。
2008年頃までのユニクロ・無印のジーンズはデニム生地のブルーの色合いといい、ヒゲ加工といい、安物臭さ満載だったが、2010年以降はかなり改善された。
ジーンズだけは頑なに旧NBを買っていたが、2010年以降、ユニクロ、ジーユー、無印の値下がりしたジーンズを買うようになった。
だが、逆にジーンズには熱烈なファンもいる。
ユニクロ、無印、ジーユーにはないコダワリ部分だったり、ステイタス性であったり、デザイン性であったり、に濃いファンがいる。
前回のブログの続きではないが、そういう少数の濃いファンに向けた「ニッチ」な売り方というのが、今後はジーンズメーカーが生き残れる方法ではないかと思う。
すでにビンテージレプリカ系ジーンズブランドは、ニッチ市場に完全移行したが、旧NBは移行しきれていなかった。だが、マスに売るNBはエドウインとリーバイスがあれば十分である。エドウインにもリーバイスにもなれなかった旧NBはニッチ市場への移行を目指すべきだろう。
もちろん、そこにはビンテージレプリカ系ブランドとの競合が待っているわけだが、競合のない分野などほとんどない。特にこれだけ大衆に広まってしまったジーンズというアイテムでのブルーオーシャンを探すことは不可能に近いだろうと思う。
そして、エドウイン、リーバイスになれなかった旧NBのもう一つの弱点は知名度が極端に低いことである。
旧NBの中の人や経営陣は絶対に認めようとしないが、はっきり言って知名度はめちゃくちゃ低い。知名度が高いのは50歳以上の世代にとってのみである。
ここを改善しないことには、ニッチ市場での競合にも勝ち残れないだろう。
当方がエドウイン、リーバイス以外の旧NBの中の人なら、ユニクロ、ジーユー、無印良品あたりとのコラボレーションを模索する。
とくにユニクロ、ジーユーは最近ブランドコラボを増やしている。
先日、ジーユーで昔懐かしいハンテン(HANGTEN)のコラボTシャツを見たときは驚いた。1490円だったのがあっという間に値下がりし続けて昨日190円になってしまっているが(笑)。プロパーでの販売時期の方が短いんじゃないかというくらいなので、よほど売れ行きが鈍いのだろうと思う。(笑)
とはいえ、ユニクロ、ジーユーとのコラボの効果は絶大で一躍知名度は上がる。そして、ブランドイメージは体感的に言えば低下しない。
いくら990円や790円で投げ売られていようと、JWアンダーソンもルメールもブランドイメージは低下していない。
まあ、そんなわけでビッグジョンもジーユーかユニクロとのコラボを模索してみてはどうかと思った次第だ。
とりあえず、明日からお盆休みということでブログはお休みして17日から再開する。
ビッグジョンのコンプリートフリーをどうぞ~
comment
-
-
BOCONON より: 2020/08/13(木) 3:32 AM
そう言えば,MBクンがしまむらとコラボした商品も見事にスベっていたなw
「 “黒ジーンズ+白Tシャツ+グレーのパーカ” といったモノトーンの合わせ方は初心者でも様になりやすい」と言うなら正しい。でも彼は「黒スキニーはドレスなアイテムで,ドレス(ドレッシーの意ならん)&カジュアルのミックスで誰でもお洒落になれる」なんてあらぬ方向へ行く。結局流行ってるものを着ろ,というだけのもので子供だましもいいところですね。
「そんならその “理論” とやらで本当にオシャレになった奴ここ連れて来て見せろや」であります。そもそもMBクン自体がヒドい。昔やってた『SPA!』の連載なんてもうね ...(苦笑)。 -
読者 より: 2020/08/14(金) 5:31 PM
ハンテンはやはり「斑点」を連想してダサさは拭えませんね…
HANGTEN のTシャツについては7月8日の記事にちらとコメントした通りになったようで。当たり前だけど,どこと “コラボ” しようとダサくっちゃ売れませんね。
失礼ながら,本当に知名度が上がったのかなと思う。あるいは知名度が上がったとしても,いずれもう40,50代以上しか知らない/買わないブランドですからねぇ。
有名デザイナーならとも角,こういう昔懐かしいブランドとのコラボって何かいいことがあったのだろうか/あり得るのだろうかと思ってしまいます。