高齢者の購入が増えてもブランドイメージは低下しない?
2020年7月9日 お買い得品 2
ブランド価値
ブランディング
ブランド化
そういう言葉が溢れているが、もしかするといわゆる「専門家」が考えている内容と、マスの消費者の感覚はだんだんとズレて来ているのではないかと最近思っている。
前回もそんなことを書いてみた。
ユニクロやジーユーのコラボでブランド価値が毀損したのか、在庫処分店で値下げ販売されることでブランド価値が毀損するのか、という内容である。
ユニクロやジーユーとのコラボがブランド価値を毀損していないのは、すでに証明されている。
また、在庫処分店で値下げ販売されてもブランド価値はほとんど毀損されないのではないかと、個人的には考えている。(例外はあるが)
フリーランスになって何事もなすことなく10年間が経過してしまった。
まあ、「無事これ名馬」ともいうから、存続できただけでも良しとしなくてはなるまいと思う。
フリーランスになってからは冠婚葬祭以外の洋服の縛りがなくなってしまったから、ほぼカジュアル服で過ごしている。
足元は、結局のところスニーカーに落ち着いてしまった。とくにナイキのエアマックスシリーズとリーボックの2種類である。
その昔は、カジュアルブーツとかワークブーツも試してみた。またいわゆる革靴も試してみた。コンバースオールスターやスペルガといったローテクスニーカーも試してみたが、足の疲れにくさからいうと、ナイキとリーボックのハイテクスニーカーが最善である。
とくに長時間立ったり、長距離歩いたり、するにはベストである。
革靴至上主義者みたいな人もお見掛けするが、どう頑張っても、長時間の立ち仕事や長時間歩くことには向いていない。
あれはほとんど歩かなくても済むような偉い人の履物ではないかと思う。
以前も書いたが、エアマックスやリーボックのフューリーシリーズを50歳の当方が履いている。それに対して、世間が奇異の目を向けてくることはない。
で、都心や田舎で人々の服装をチェックしていると、60代~80代のスポーツスニーカー着用率は驚くほど高い。もちろんスポーツ時に履くのは除外してである。
けっこうデイリーユースとしてナイキやアディダス、アシックス、リーボックなどを履いている。
足腰が弱っている老人こそ、たしかにスポーツブランドのスニーカーを履いた方が安全だと思う。
みなさんも一度試しに、ご近所で足元チェックをしてみてもらいたい。
しかし、これだけ老人層が愛用するようになってもナイキやアディダスなどが「ダサいジジイのブランド」とは思われていない。それこそ、ファッション好きの若者だってナイキやアディダスのスニーカーを喜んで履いている。
ユニクロのレジには学生から老人までが並んでいる。
年を取ると寒いのが苦手になるようで、現在入院中の老父も自宅にいる晩年はずっと暖房を点けていた。逆に真夏はクーラーなしで過ごしていた。
冬になると、老人は保温肌着が手放せないらしく、ユニクロのヒートテックを買うために店に足を運ぶ。一方、若い人でも寒いのが苦手な人も多く、若い人でもヒートテックを愛用している人が多い。
まあ、みなさんは全然興味がないだろうが、当方は暑い方が苦手で、冬はほとんど自宅で暖房を点けずに過ごしているが夏は冷房をかけっぱなしである。
夏用の吸水速乾肌着は10何枚も持っているが、保温肌着は持っていない。
あと20年ぐらいしたらこの体質は変わるのだろうか?
どうでもよいことだが、この体質はどうも死んだ母方の祖母と同じらしく、母方の祖母は昔の人なのに冷房が大好きで真夏はずっと冷房のそばで寝ていた。変なところばかり遺伝するものである。(笑)
それはさておき。
ナイキやアディダス、ユニクロなんかは「老人から学生までが一緒に使うブランド」になってしまっていて、それが「カッコ悪い」とか「ダサい」とは見なされていないところに、大きな特徴があると感じる。
昔からファッション業界では
ジジイまでが使うようになると、そのブランドは終わる
と言われてきたが、このセオリーはもしかして崩れ始めているのではないかと思う。
もちろん、ジジイ専用ブランドが若者から「カッコイイ」と思われることは今でもない。それができるのなら、ジジババ専用ブランドになっていたレナウンは復活できただろう。
しかし、若い人とジジババが同じブランドを使ってもおかしくないという風潮はできつつあるように感じる。
ブランド化とかブランディングとかブランド価値といわれるが、決まった方程式が無いだけになかなか難しい。だから一概には言えないが、過去に言われていた定説というのはちょっと現状には当てはまらなくなりつつあるのではないかと思う。
セールをすればブランド価値が毀損するというのは本当だろうか。
ナイキもリーボックも特定の人気品番以外のスニーカーは驚くほど安値で投げ売りする。専門の人に言わせると「低価格ラインみたいな商品ラインがある」とのことだが、売り場では「ナイキ低価格ライン(もしくはそれに類するライン名)」が表示されているわけではなく、4990円に値引きされているのも「ナイキ」だし、2万円近くで値下げされない人気品番も「ナイキ」であり、4990円の値下げ品があるからといって「ナイキは安物ブランドだ」とは思われていない。
ジジババが着るようになったらブランド価値が毀損する
というのもナイキを筆頭とするスポーツブランドやユニクロを見ていると怪しいと感じる。
低価格ブランドはブランド化できないというわけでもない。ユニクロ、ジーユー、無印良品、H&M、ZARAあたりはそんなことはなくなっている。
とはいえ、ファーストダウンとかペンフィールドとかエアウォークとか、そのあたりのイズミヤや平和堂のカジュアル平場向けブランドは、いくら著名ブランドとコラボしてもなかなかブランド価値が上がらないというのも事実である。しかし、もしかすると、長年やり続けるとブランド化できるかもしれない。まあ、コラボ先と伊藤忠商事がどこまで我慢できるかにもよると思うが。(笑)
そんなわけで、ファッション業界人がこれまで考えてきた「ブランディング」の手法というのは、一般消費者の好みや嗜好とはかなりズレてきているのではないかと思ってしまう。
その辺りも考慮しながら、ブランド化に取り組む必要があるのではないか。
値引きされたナイキのスニーカーをどうぞ~
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BOCONON より: 2020/07/09(木) 10:10 PM
ところで,南さんは特異体質なのかも知れないが,年取って来るとだんだん暑さに鈍感になってくるものです。うちの母見ていると分かりますね。つまり気がつかないうちに熱中症になる危険が出て来る。
一方寒けりゃ寒いで,僕みたいに血圧が高めな人間は脳卒中の危険が出て来る。いや,誰でも高齢になれば血圧は多少は高くなるから,暑い方がまだましかも知れない。
洋服関連で言えば,今後は老人向けのあったか靴下(寝る時にも履いたりするような)などはますます売り上げを伸ばすことでありましょう。
たとえばもともとニッカボッカというのはゴルフの時などに穿く由緒正しいズボンだったけど,いつの間にやら「ド〇タの穿くもの」というイメージがついてしまって作業着でしかなくなった。
このドカ〇に当たるものが現代に於いてはオタクのようであります。老人はまだしも「オタクの身につけるもの」というイメージがついてしまうと致命的だ。本当にオタクがそんな格好しているか,ではなくイメージの問題で。
例えばリュックサックやデイパックはいつの間にかダサいものになってしまった(僕は「ガンダムのビームサーベルのように背負ったリュックサックからアニメポスター突き出しているオタク」なんて秋葉原でも見たことがないですが)。
ダンロップのスニーカーもユニクロのチノパンやダッフルコートもスーパーで売ってるチェックのシャツもそれ自体がダサいわけではなく,良いものを選んで買えればじゅうぶんにオシャレにもなる。つまり選び方次第である・・・なんて事を今さら言っても誰も聞く耳もたない。困ったもんです。