
ジーユーでSサイズの服を買って考えたこと
2020年4月15日 お買い得品 3
正直なところ、新型コロナによる自粛のため、ほとんどのアパレルはあまり活動していない。
完全にストップしているわけではないが、展示会も中止ないし延期だし、わざわざ当方が出向いて話を伺うこともできない。
早い話がネタ切れである。(笑)
ネタ切れなので、先日、買い物をしたことを書いてみる。
4月7日、非常事態宣言が出される数時間前、ジーユーで値下がり品を買った。
心斎橋店と心斎橋OPA店をハシゴして、ついでにユニクロ心斎橋店もハシゴしたが、いつもなら平日昼間でもそれなりに客がいる店だが、さすがに客はほとんどいなかった。ジーユー心斎橋OPA店はいつものことなのだが(笑)。
ユニクロ心斎橋店、ジーユー心斎橋店は、この日、1フロアに客が3人ずつくらいしかおらず、下手をするとスタッフの方が多いのではないかと思ったほどで、ここまで閑散とした両店は見たことがない。

真昼でも閑散とした心斎橋筋商店街
で、いつものようにジーユーで破格に値下がりした3点を買った。
心斎橋オーパ店では、昨年秋物の残りのスリムストレッチジーンズのブラックを。心斎橋店ではライトウェイトオーバーサイズコートとロングスエットプルパーカを買った。
スリムストレッチジーンズは定価2490円がなんと590円に値下がりしていたので思わず買ったが、スキニーよりも少しゆとりがある。
脚が太い当方がスキニーを穿くと、スキニー全盛期ならそれも「トレンドだから」と大目に見てもらえるが、スキニートレンドが過ぎた今では「何で無理してピチピチを穿くのか」と思われてしまう。
とはいえ、上下ダボダボではドカベン山田太郎に見えるから、少し細めのパンツは必須で、当方はスリムストレッチくらいがありがたい。
ジーユーのモデルが穿いているとゆとりのあるシルエットに見えるが当方が穿くと細目スリムであるから、モデルの脚めっちゃ細いやんということになる。
うっすらと洗い加工が施されているが、裏側をめくると黒なので、経糸も緯糸も黒を使っていることがわかり、本来の呼び名でいうなら、ブラックデニムではなくカツラギ、あるいはツイル、ギャバの黒ということになる。
しかし、表が色落ちしているので、黒も芯まで染めずに中心部分が白く残された「芯白」の状態にあることがわかる。
生地はやや薄い感じがするが、これが590円なら超お買い得である。
同じ形価格で、ブルーの色落ちもあったので後日、それを買いに行こうと思ったら、心斎橋OPAが4月8日から休業してしまった。残念である。
ライトウエイトコートは定価4990円が2990円に、オーバープルパーカは定価1990円が990円に値下がりしていた。
ライトウェイトオーバーサイズコートは合繊100%だが撥水とか防風とかの機能性はゼロである。ロングスエットパーカは綿100%だが、薄めの裏毛素材で気温が20度以上でないと肌寒さを感じるだろうと思う。
で、何が言いたいのかと言うと、この両方とも試着をした結果、当方が購入したのはなんとSサイズである。
3年前のジーユーならLサイズ、昨年のジーユーならMサイズが当方の購入品のメインだったが、今年はSサイズが着られるようになった。
もちろん、当方が激痩せしたわけではない。
ジーユーの商品のサイズ感が変化したわけである。
3年間で2サイズくらいはジーユーの商品のサイズ感は大きくなっている。
アパレルのネット通販売上高が拡大するにつれ「サイズ」が問題になった。返品交換無料ならまだしも、返品不可の場合もあるし、返品に送料がかかることもある。
返品交換無料でもその手続きはめんどくさいから、理想をいえば返品交換しないこととなる。
返品交換が生じる場合、「小さすぎて着られない」ということが大きな要因の一つとなり、「サイズ」が重要視されることとなったのは極めて当然のことだといえる。
その際、サイズというのはどこまでが求められるのかが難しい部分ではあったが、某社は「ジャストサイズ」にこだわった。
しかし、ジャストサイズというのは本当に必要だったのだろうか?
もっといえばジャストサイズなるものは果たして存在していたのか?
スーツやワイシャツならジャストサイズは求められる。とはいえ、単に「体にぴったり」だと最近のコメント常連氏が書かれているように、「不格好な体型をそのまま表に出すから『単にぴったり』というだけでは上質なスーツではない」ということにもなる。
ものすごいビール腹の人がいて、それがジャストサイズでより鮮明にハッキリクッキリと浮き上がるのは果たして「かっこいいのか?」ということになる。
また、ここ何シーズンかのようにオーバーサイズ化、ルーズシルエット化が進んでいる状況ではジャストサイズの意味はほとんどない。
またサイズ表記のみに頼って買うということも危険である。
何せ当方が「Sサイズ」を着られて、しかもまだゆとりがある。3年前なら完全に「Lサイズ」の大きさである。
しかし、このコートやスエットパーカにしても、別にもっとルーズにMサイズ、Lサイズ、XLサイズを着用しても構わないのである。
そのダボっとしたシルエットが顔や体型、体格、雰囲気にマッチして「似合って」いればそれで構わないのである。
当方はダボっとしすぎたシルエットが似合わないからSサイズを選んだだけであり、華奢な方がXLをダボダボに着こなしてもそれはそれで似合っていれば構わない。
結局はサイズ表記ではなく、各部のセンチメートルでのサイズ、それから着用して似合っているかどうか、そこが重要になるということで、極端なオーバーサイズ化は「小さすぎて着られない」というリスクはほぼなくなったが、逆にリアルでの試着の重要性がさらに高まったといえるのではないかと感じた。
comment
-
-
BOCONON より: 2020/04/15(水) 5:27 PM
ところで既製服のサイズについて言えば,仰言る通りで試着してみなきゃ分かりませんね。僕は背丈も体格も中途半端なので,Mで丁度良い場合もあればLでも窮屈なこともある。ブルゾンの類はLかMかは着てみないと決められず「Lの方が体に合っていると言えば合っていて楽だけど,でもオレは脚が細くてズボンも細いから,Lでは上半身ばかりデカく見えて不格好だから少し窮屈でもMにしとくか」なんて事もある。
・・・何だか自分の事ばかり言っているようですが,そうでもない。「実店舗なら同じ服のサイズ違いが並んでいるんだから試着してみない手はない」「色柄同様全体のバランス見なきゃ」という話であります。
世の中販売員に話しかけられると固まってしまう,といういたいけな男子は多いようですが,僕は敢えて偉そうに「だからってネット通販に逃げていちゃあお洒落ってほどの事は出来ないよ,キミタチ」「怖けりゃGUやユニクロ,無印良品やスーパーあたりから始めなよ」と申し上げたい。 -
BOCONON より: 2020/04/15(水) 6:14 PM
話はずれるけれど,三陽商会もオンワード樫山と似たような危機的状況のようで。
いや,もしかしたら業界全体の問題なのかもしれない。ますます新型コロナ終息後の業界が地獄みたいなことになりそうな気がしてきた。
(各レスについては敢えてコメントはしませんが)。
↓
http://fashion-news.doorblog.jp/archives/10216780.html
僕もものすごく太っていた時期もひどく痩せていた時期もあった。それぞれの時期イージーオーダーしたら極端に胴回りがダブダブだったり,極端に細身(ついでに胴長)なおかしなスーツが出来てきて困った。でもどうやら「元が悪い=お前の体つきがこうなんだからしょうがねえだろ。EOってこんなもんなんだよ」という事らしいので,イージーオーダーには見切りをつけたのでした。
思うにあれは背が高すぎたり低すぎたり太り過ぎだったりして既製服がどうしても合わない人のためのものである(実際僕の勤務していた会社にもそういう人たちがいました)。
ZOZOSUITというのも(何だか本格的なオーダーであるかのように宣伝してましたが)どう見てもただのEOだった。あれでは仮にちゃんと採寸が出来ていたとしても見た目格好が良いスーツは出来なかったのは間違いないですね。つまり「あんまり洋服を知らない人が売って洋服が分からない人が買う」と云ったものだから,どっちみち大して成功はしなかっただろうと僕は思います。