新型コロナがきっかけでネット通販の比重は高まりそう
2020年4月13日 ネット通販 7
新型コロナウィルスの影響で、7日夕方に非常事態宣言が出された。
これを受けて7都道府県では、ほとんどの商業施設が休業になった。
こういう状態は初めてである。東日本大震災の際、被災した県は同様の状態だったのだろうが、それ以外の都府県だと電力消費を抑えたり、閉店時間を早めたりしながら対応していた。休業していた店もあるが、数日とか1週間程度くらいで、4月8日~5月6日、あるいは4月8日~当面の間、という長期間の閉店は初めて体験する。
何のかんのと用事もあって、4月8日、少し心斎橋筋商店街を通ったが、洋服関係の店はほぼ閉まっていて、ドラッグストア、飲食店の一部、コンビニ、書店、家電、ABCマート、スニーカーのSTEPなどはオープンしていた。
で、通常の閉店だと〇〇地域店は閉まっているが、××地域店は空いているという具合なので、ちょっと足を延ばせばお目当てのブランドの他店舗で買うことができるが、今回のケースだとそうもいきにくい。
例えば、当方が愛用しているユニクロとジーユーだが、大阪市内の店は閉まっている。なんばシティ店が閉店しているから心斎橋店へ行けば買えるというわけにはいかない。
梅田にある店舗は全部閉まっている。
こうなると、好むと好まざるとにかかわらず、ネット通販で買うほかない。
まだコロナ休業が本格化していなかった3月は売上高が伸びたネット通販が多かった。4月に入って今度はムードの悪さからの消費停滞なのか、収入の減少を心配しての買い控えなのか、現時点で衣料品への興味が薄れたのか、要因は様々あるが伸び率は鈍化しているようだが、ネット通販は衣料品だけではないので、それ以外の商品を含めると全体需要は伸びているらしく、配送業務は人手不足になっている。
気は早いが、1カ月後なのか2カ月後なのか、新型コロナがある程度終息した後のことを考えると、ネット通販の比重は増えるだろうと当たり前に考えられる。
アフターコロナで大きく世界が変わる
と言うエモい人もけっこういるが、当方は「大きく」は変わらないと見ている。もちろん幾分かは変わるだろうけど、大きくガラっと変わるのではなく、ジワジワと変わるのではないかと思っている。
なぜなら、2011年の東日本大震災の際にも「大きく変わる」と言われていたが、そんなに「大きく」は変わっていないというのが実感である。
変わった部分もあれば変わらない部分もあり、その変わった部分も大きく急激にというよりは、ジワジワと変わったと感じる。
まあ、人は自分の周囲くらいしか知覚できないから、当方が属しているクラスターはそうであり、そうではないというクラスターに属しておられる方もいるだろう。
アフターコロナも同様ではないかと思う。
ただし、これまでなかなか導入が進まなかったものの導入は幾分かは楽になるのではないかと思う。
ネット通販はその一つだが、リモートワーク、平たく言えば「在宅勤務」やオフィスへ出社せずに業務をこなすことなんかは導入が進むだろう。
ネット通販にしろ、在宅勤務にしろ、これまで体験していない人が大勢いて、体験したことがない故に導入に否定的・懐疑的だった人も多かった。しかし、今回体験してみて、それなりに効果があるとか、それなりに利便性があるとか、思ったより難しくないということが分かれば、これまでよりも導入は進むだろう。
当方もそうだが、人間は誰でも「食わず嫌い」という部分も大いに持ち合わせていて、未知のものには警戒を示すが「食べてみれば」思ったよりも悪くないということが多々ある。
とはいっても、IT系の人が夢想するほど一気にネット通販需要が高まるとは思わないが、購入比率は徐々に増えて行くだろうと思う。
アフターコロナでは、アパレル業界ではネット通販の必要性への理解が経営層にまで、より広がるのではないかと思う。
すでに先行していてある程度の売上金額を稼いでいるブランドはさらにそこを強化するだろうし、これまで10年間くらいはやってきたがほとんど売上金額が伸びていないブランドやショップはやり方を改善しないと伸びないままで、先行ブランドとの格差はさらに開くだろう。
例えば、レナウンなんかは相当にやり方を変えないと、先行するユニクロ、ユナイテッドアローズ、ベイクルーズ、アダストリアなどとの格差はさらに開くだろう。
ネット通販の売上高が停滞している三陽商会も同様である。
2005年頃とか2008年頃とかなら、まだ黎明期と呼べるネット通販は、今と比べて競合が少なかったから今ほどの工夫は求められなかった。
しかし、今は競合が増えすぎているのと、先行企業の売上高が増えていてそこに吸収されてしまうことも増えているので、ネット通販で成功(企業によって成功目標は異なるが)するためには、相当の工夫が必要になる。
知名度の高いブランドや企業でない限りは、相当の工夫をしないと短期間で多数の顧客を獲得するのは難しく、地道な作業を積み重ねて、1年後とか2年後にようやく結果が出てくるという感じになる。
そこまで倦まず諦めず継続し続けられるかどうかが、今からのネット通販で成長できるかどうかの鍵になる。
3月半ばからテレビ番組で放送があったらしく(当方はほとんどテレビを観ない)、突如として納豆が品薄になっていたが、4月の頭には近所で愛用するスーパーマーケット万代では、また陳列棚に溢れかえるようになった。
納豆を食べると免疫力が高まると番組で放送されたからなのだそうだが、納豆を今日食べて明日に免疫力kが高まるわけではない。3カ月、半年、1年と続けて効果がでる。
ネット通販もこれと同じで3カ月、半年、1年とコツコツ続けてようやく結果に結びつく。
4月の頭には納豆の品薄が改善されたということは、2週間で脱落した人がどれだけ多かったかということで、この人たちの免疫力はまったく高まっていない。
ネット通販も同様で短期間で諦めてやめてしまえば、それ以上の伸び率はよほどの幸運(有名人に偶然紹介されるなど)が無い限りはまったく期待できない。
今以上に競合が増えるだろうと考えられるネット通販に、どのように対応するのか、自社は対応しないという選択肢(けっして間違いではない)も含めて経営層の選択が問われるといえる。
90パック入りの納豆をどうぞ~
comment
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BOCONON より: 2020/04/13(月) 3:12 PM
> 自社は対応しないという選択肢(けっして間違いではない)
調べてみなきゃ分かりませんが,本当にオシャレな人が洋服,特にスーツなど重衣料を通販で買ったりするのだろうか,と思う。ネクタイなんて自分の持っているスーツやシャツに合わせてみなきゃ選びようがないと思うのですが・・・いやどんな服だって実際見て上下内外合わせてみて選ぶのでなきゃお洒落ってレヴェルには行かないと思うな。
まあ僕みたいなタイプは絶滅危惧種なのかも知れない。
ネット通販がさらに普及すれば,これからそのせいもあって服装がいい加減な人が世界的に増えて行くと思われる。既にイギリス王家ですらチャールズ皇太子のスーツ姿の美しさに比べたら王子たちなんてもうね,どうこういう気も起らないレヴェルですからね(母ちゃんの服装の品のなさを受け継いでしまってゐやがらあ)。
あるいは各国首脳も紺スーツに白シャツ,紺等テキトウな色の無地タイ…と云った風で,一種の制服みたいになりつつある。なんだかどんどんつまらない世界になって行くなあ。 -
BOCONON より: 2020/04/13(月) 5:12 PM
またも身も蓋もない話ですが,こういう記事を見るとますます「ネット通販でも実店舗でも,もう洋服は安いものしか売れなくなる一方だろう」という気がする。
↓
https://news.livedoor.com/article/detail/18112348/会社としては表向き「コロナのせいで」とか「ネット通販を強化する」とでも言うしかないんでしょうし「人員削減はしない」というのは御立派だ。でもこういう会社に残って粘り強く努力するくらいなら,僕なら転職を先に考えますね。
百貨店ブランド主力の会社で700店舗閉鎖ってスゴいな・・・ -
小売り屋のオヤジ より: 2020/04/13(月) 7:46 PM
確かに今は服が売れる気が全くしない。
オンワードの700店舗閉鎖の記事とか読んでいたら、百貨店の婦人服売り場や、SSの婦人服テナントは、今後は本当に消えてしまうのではないかと危惧しています。ところでSSでは、今月から来月上旬までまる一か月休店となったが、入店している同業者と話しを聞いたところ、どうやらデベロッパーから「売上0でも、家賃・共益費他経費はきちんと頂きます」と言われて絶句していましたよ。つまり、売上ゼロですが追金を請求しますとの事でした。
あまりの無情な対応に、今後SSでの契約更新は全くの白紙にすると言っていました。
でもね、大手の○○○とかはテナント収入とかクレジット手数料とかで相当な利益をだしていたよね?これってみんなテナントから儲けた利益だよね?
100年に一度とか言われているコロナ危機の時ぐらい、助けてあげて欲しいよね?
店休してもデベロッパーは何の損もないよね。
当社の場合、まあ今更ですが、ネット販売に参入しても売上が作れると到底思えませんので、今はただただじっと耐え忍ぼうかと思っています。-
BOCONON より: 2020/04/14(火) 5:57 PM
「弊社も国の要請に従って休業していますので,国から休業補償を受けない限り家賃等はお支払い致しかねます」というのが筋としては正しい気もしますね。
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細野 より: 2020/04/13(月) 9:16 PM
私は服を結構たくさん買っている方だと思うのですが、ゾゾタウンの古着で去年や一昨年の服を安く買うことが多いです。新品の服を定価で買おうという気になんだか、なれないんですね。どのブランドも、去年のも今年のもそんなに違いがあるように思えないし、トレンド物だったらGUで良いやって思っちゃってます。洋服好きでも、洋服にお金をたくさんかけること自体、ちょっと罪悪感があります。周囲から洋服に金をかけるなんて、なんて無駄遣いなんだという反応が多いからです。モノにお金をかけるのが、あんまり良しとされない時代なのかなと。衣食住の中で、衣が一番優先順位が低いのかもしれません。
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BOCONON より: 2020/04/14(火) 6:08 PM
僕は毎年同じような春服なら春服3,4パターンをとっかえ引っ換え着ているだけ,と云った風なので,同じ服を10年くらい着たりする。だからあまり服を買う必要もないのですが・・・女性はそうは行きそうもないですね。同じ服を大事に着ていると今度は周囲から「またその服~?」とか言われそうだし(笑)。
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ZOZOの批判記事探しててこのブログを見つけ、他の記事でもネガティブな書き方に共感を覚え(笑)、デスクワークで暇な時にサボって読んでいたら、アラフィフの今更ですが服に興味が出て最近ちょろちょろ通販で服買ってます。
最初は無印とユニクロだけだったんですが、検索してたらセレクトショップ系のほうがやっぱりカッコいいなとか思って、色々見てたら「dファッション」とかいうドコモ系?の通販サイトでは「似た商品を探す」ってボタンがあり、これが面白かったです。おそらくAIで選択した服の色と形から同じような服を探すのだと思いますが、売り切れだったり高すぎて買う気が起きないような服と同じような服が検索できました。こんなAIの使い方なら、他業種でも役に立つんじゃね?と思いました。