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南充浩 オフィシャルブログ

カッコイイだけの広告では意味がない

2013年6月13日 未分類 0

 個人的には以前からインターネットのバナー広告の効果に疑問を感じていた。
なぜなら、自分がバナー広告を一切クリックしないからだ。
マウス操作を誤ってクリックしたことは何度かあるが、それ以外に自発的意思で広告をクリックしたことがない。

例え、バナー広告が華々しい動画であっても、カワイイお姉ちゃんが映っていてもである。

で、そんな疑問にある程度答えてくれる記事を読んで感銘を受けたのでご紹介したい。

ネットマーケティングの“常識”はウソばかり
「売れる」ネット通販と「貧乏」ネット通販の違い(前編)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130606/249287/?P=1

まず大前提として、「広告なんか無視される」。ほとんどの消費者にとって広告は邪魔だ、ゴミだ。これはTVCMだろうが新聞だろうが、ネットだろうが、すべて同じだ。特にネットでは、他の媒体以上に広告は無視される。

 そう、ネット広告は無視されるのである。そう認識しておくべきである。

 ネットの急激な普及により、ネット媒体のリーチは毎年拡大している。だが、実はネット広告そのもののクリック率は毎年下がり続けている。

 理由はネットユーザーの慣れ。2000年頃はクリック率が1%くらいあったネット広告は、この10年間ちょっとでクリック率0.1%台にまで落ちているのだ。つまり、広告を見た1000人中、1人くらいしかクリックしないということ。これは、非常に低い数字である。

 特にネットという媒体では、消費者は能動的に「情報」を求めてネットを見ている。広告を見るためではない。やっかいなことに、消費者はネット広告を自然と無視する“習慣”を身につけている。本能的に広告を目に入れないのである。

 これを認識せずに思いっきり広告原稿で商品をアピールしても、誰もクリックをしてくれない。目立たせようと派手な動きやイメージで広告原稿を制作すればするほど、逆に無視されクリック率は下がっていくのである。

 ただしネットユーザーを理解して、ネット広告が“無視されることを前提に”戦略的な広告原稿をプラニングすると、劇的にクリック率は上がる。

 消費者の心理状況をよく理解して、広告原稿を制作すれば、0.1%のクリック率を2倍の0.2%にすることはそんなに難しくはない。今までとは比べ物にならないほどのクリック率を稼げるのだ。

とある。
バナー広告に限らず、テレビCMはほとんど意識して見ておらず、お茶を飲んだりトイレに行ったり、用事をその間に済ませたりする。録画した場合はテレビCMは完全に飛ばしてしまう。
これはほとんどの方と共通する認識ではないだろうか。

で、その解決法として

売れるネット通販は、“情報っぽい”広告原稿を使う。
貧乏ネット通販は、“おしゃれ”な広告原稿を使う……。

 クリック率の高い広告原稿とはどういうものか?

 最近「バナーブラインドネス」という業界用語が出てきた。

 これは、ネットユーザーがバナー広告(ネット広告)に慣れすぎた今、バナー広告を本能的に無視してしまう傾向が高いということだ。何度も繰り返すが、消費者はネットを使って情報を求めている。いかにも広告っぽいバナーが無視されるのは当たり前である。

 つまり現在のネットにおいては、派手におしゃれっぽくアピールする意図で制作したバナーほど無視されるという皮肉な傾向にある。それにもかかわらず、多くの広告主はいまだにそれに気づかず、イメージ型の派手な動きのバナーを掲出して消費者に無視され続けている。

 バナーのクリック率を大幅に上げる方法は、ズバリ、動きを無くし、キャッチコピーをメインにすること。そして、なるべく出稿している媒体のコンテンツと馴染むバナーをデザインすることだ。要するに情報っぽい、もっと言うと“コンテンツ風”の広告原稿を制作することである!

 動きがなく、キャッチコピーが立っており、媒体社のページと馴染んでいれば、消費者は本能的に無視しなくなり、広告を見てくれる。また、動かないキャッチコピー、つまり動かない文字と言うのは、「広告だ」と思っても無視できない。無視するより先に内容が頭に飛び込んでしまう。

 経験則上、“情報っぽい”広告原稿で、クリック率は約1.5倍~2倍上がる!

とある。
前編はここで終了しており、後編の掲載が待ち望まれる。

要するに純然たるバナー広告ではなく、タイアップ記事の導入部分のようなバナー広告にすることでクリック率が伸びるというわけである。
0・1%のクリック率を10%に高めるのは至難の業だが、0・1%のクリック率を0・15%とか0・2%に高めるというのはやりようによっては達成可能である。

今回の記事はネット通販について書かれているのだが、同じ考え方はすべてのバナー広告に当てはまるのではないかと思う。

例えばネット媒体はその重要性が認識されている割には儲からない。
紙媒体と違って広告の効果というのが測定されやすいから、なかなかバナー広告は集まらない。
もし集まったとしても「じゃあ広告効果はどうか?」という観点で出稿社から精査されると、継続してもらいにくい場合が多い。

それなら、クリック率を上げる手段として上で紹介されている「タイアップ記事の導入風バナー」というのは効果があるのではないか。
またタイアップ記事そのものを増やしても良いのかもしれない。

「とにかく目立て」みたいな感じで、どぎついデザインにしたり、動くバナーにしてもそれほど効果はない。
バナーをたくさん掲載しているようなサイトで全部のバナーが動いていたらひどく気味の悪いものに成り果ててしまう。

そして、オシャレでカッコイイだけでは意味が無いというのはバナー以外の広告でも同じである。ヘアサロンや洋服店のカッコイイ広告やダイレクトメールに感動した方はいらっしゃるだろうか?

カッコイイおにいちゃんやカワイイおねえちゃんがスタイリッシュに立っているだけで、下にブランド名やショップ名だけが書かれている。

BlogPaint

こんな広告やダイレクトメールを見ることが多い。
果たしてこれで消費が喚起できるのだろうか?それは不可能だろう。
カメラマン、デザイナー、スタイリスト、プランナー、コピーライター、そして広告出稿主の自己満足に過ぎない。

そういう意味では広告代理店そのものの体質や考え方が消費者ニーズをまったく乖離してしまっているということだろう。

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