洗濯で移染した服をお湯を使って元に戻した話
2020年3月18日 お買い得品 0
新型コロナの影響で不振な店が多いらしい。
中国人客目当てに乱立した難波・心斎橋筋のドラッグストアは洋服店や飲食店よりも閑古鳥が鳴いているように見える。
先ごろ老父を転院させ、なんやかんやと昨年12月から病院や役所の手続きばかりやってあまり仕事にも集中できないので、気分転換に買い物をすることにした。
買い物と言っても当方が買う物は3種類しかない。日用生活品や食料品を除けば、服・本・ガンダムのプラモデルの3種類である。
要するに趣味はその3つしかないということであり、つまらない人間である。
本は読むのに時間がかかるし、ガンダムのプラモデルは作るのに時間がかかる。
そんなわけで服と靴を買ってみた。
買ってみた内容はまた後日にでも詳細にまとめてみようと思う(読者に興味を持ってもらえるなら)が、ユニクロ・ジーユー・アダストリア・無印良品のセール品ばかりを買ってみた。まあ、値下がり品を買うのはいつもと同じなのだが。
シャツ1枚、トレーナー1枚、綿セーター2枚、パンツ3本、ウィンドブレーカー(死語)1枚、レザーのローファー1足という内容で合計は約17000円だった。
合計で10点買って17000円というのは結構なコスパの高さではないかと思う。
ほとんどが2019秋冬の処分品で、2020年春物の値下げ品は綿セーター1枚とウィンドブレーカー(死語)1枚のみである。
で、アダストリアのドットエスティで結構明るいレモンイエローみたいなオックスフォードボタンダウンシャツを買った。ブランドはグローバルワークで定価3500円(税抜き)が1540円(税込み)に値下がりしていた。
実物が到着して封を開けてみると、画像よりもかなり明るいレモンイエローで、蛍光イエローっぽい感じを受けた。
綿100%とか綿高混率素材の商品は、必ず洗濯してから着用するようにしているので、早速洗濯してみた。
一緒に洗ったのは綿セーターとグレーのジョガーパンツ、グレーのコーデュロイイージーパンツである。
もちろん、別々にネットに入れて洗濯している。
洗濯機が止まって蓋を開け、ネットからそれぞれを取り出してみると、なんと、レモンイエローのシャツにグレーの染料が移染しているではないか。
それも結構広範囲に色濃く。
襟、棟ポケ、袖口が特にひどかった。
そのまま乾燥させて着用するのは無理なほどである。
気が小さいので、途方に暮れてしまった。
「1540円(税込み)もしたのに一度も着用できないのか」orz
恐らくグレーのパンツのどちらかから移染したのだろうと思う。
犯人はこの2本のうちのどちらかである。
しかし気を取り直して、移染した色を除去する方法をネットでググってみた。
それにしても、洗濯で移染させるのは久しぶりである。10年ぶりくらいではないかと思う。
そうすると、このサイトが検索で一番上に出てきた。
読んでみると、失礼ながらガセではなさそうなので、早速試してみることにした。
https://yourmystar.jp/c0_133/c1_26/articles/color-migration-washing/
色移りの落とし方は50℃のお湯で洗剤2倍!本当に正しい情報大公開
■色移りの落とし方は、すぐにお湯とたっぷりの洗剤で洗うのが◎
■たっぷりの弱アルカリ性洗剤と塩素系漂白剤を使うのが最強
■色移りは仕分けて洗濯ネットありで洗って予防できる
この見出しだけで内容はほとんど理解できてしまう。でも今回のは洗濯ネットで洗ったんやで。
とりあえず、自宅にあったカラー漂白剤「手間なしブライト」を移染した箇所に原液のまま塗った。しかし7年くらい前の残りで酸素系漂白剤と書いてある(本文がお勧めするのは塩素系漂白剤)が、まあ使えないことはないだろう。
自宅にある液体洗剤はちょうど弱アルカリ性である。
色移りを落とすときには、おさえておくべき3つのポイントがあるのです。
・色移りに気づいたらすぐに落とす
・50℃以上のお湯を使う
・既定の2~3倍の洗剤で洗う
とある。
乾かさずに濡れたままでやるのが吉だとあり、ちょうど濡れたままなので、早速、鍋に大量のお湯を沸かした。
洗濯機にぶち込まずに、当方は大きめのバケツにほぼ沸騰させたお湯を入れ、大量の液体洗剤を注入し、件のシャツを入れて、熱くて手を入れられないので、箸でかき混ぜる。
そして
30分から1時間ほど、そのままつけ置きます。
ときどきぐるぐると混ぜてあげるといいです。
とあるので、かき混ぜて何時間か放置する。
当たり前だがお湯はだんだん冷めてくるので、何時間かおきに沸騰させたお湯をつぎ足す。
色移りが落ちたか確認します。色移りがほとんどとれていれば、成功。
とれてなければいったん水を捨て、もう1回つけ置きをやってみてください。
とある。3時間くらい経過した時点で引き上げて見てみると、だいぶと薄くなっているが、まだ残っている。
そこでさらにお湯をつぎ足し何時間も放置した。
結局、12時間以上漬け置きしたが、完全には落ち切らなかった。
そこで、この記事には書かれていない方法を試してみることにした。
大きい鍋にお湯を沸かして、洗剤とシャツを投入しかき混ぜて、そのまま煮沸し続けてみた。
30分煮沸して、30分置いて、また30分煮沸するというのを2回繰り返してみたところ、ほとんど移染は落ちた。それを今度は普通に洗濯機で洗って干したところ、ほぼ目立たなくなった。目にまぶしい蛍光イエローも幾分か落ちたような気がするがそれはそれでちょうどよいトーンになったかもしれない。
洗濯によって白い服や色の薄い服に染料が移染した場合、お湯が効くということが証明された。
これは恐らく、染色の逆の作業をやっているのだと考えられる。
糸や生地を染色する際、綿素材ならだいたい60~80度くらいで染色する。
常温の水では綿糸は染まり切らない。
合繊のポリエステルだと100度以上の温度で染めなくては色は染まらない。
今回、綿100%シャツに対してお湯に漬け置く、煮沸するという二つの作業を試してみたが、これは綿100%素材を染める際と似たような環境を作ったということになるのではないかと考えられる。
そして、生地の染めよりも移染した染みは、定着率が悪いため、お湯と洗剤のダブルの力でほとんど抜けてしまうのではないだろうか。しかし、本体の色も幾分か抜けたので、蛍光イエロー度合いも少し抑えられたのではないかと思う。
今回言いたかったのは何かというと、移染はお湯で落ちやすいということと、綿糸は60~80度で染まりポリエステルを染めるには100度以上の温度が必要であるということ、の2点である。
特に業界人でも製造加工に詳しくない人は、糸や生地を染めるのに高温が必要ということすら知らない人もいるし、綿とポリエステルでは染まる温度が違うということを知らない人もいる。
なので、このブログの読者で染色にあまり詳しくない人は基本中の基本であるこの部分を覚えておけば、何かと仕事で便利に使えるのではないかと思う。
そんなわけで、洗濯で移染してしまった人はお湯を使ってみてもらいたい。
ググると7年前の「手間なしブライト」は廃版になっているようで、代わりにワイドハイターEXをどうぞ~