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南充浩 オフィシャルブログ

他人と「被って」も気にならないブランドもある

2013年5月13日 未分類 0

 先日、齊藤孝浩さん著の「人気店はバーゲンセールに頼らない」(中公新書ラクレ)から、「根拠はさだかではないものの10万枚作ると同じ服を着た人を街で見かける」という考察を紹介した。

なるほどと思わせるものである。

この1型10万枚というラインを越えた商品は、街を歩いていると「あれ、同じ服やな~」という感じで1日に何人か見かけることになる。
思い出されるのは「ユニ被り」といわれたユニクロのフリースジャケット、ウルトラライトダウンあたりだろう。
個人的には2012年秋冬現在で気になる「被り方」はフリースジャケットよりもウルトラライトダウンだった。とにかく目につく。

さて、昨年9月に発表されたユニクロのウルトラライトダウンの全世界での販売目標枚数は1300万枚で、海外販売比率は34%だった。
そこから考えるなら国内の売上目標枚数は858万枚ということになる。
さて、実際に858万枚が完売したかどうかわからないが、2月末ごろには各店舗で何十枚かずつ残っている程度だったので、完売に近い状況で800万枚内外は売れたのではないかと勝手に推測している。

10万枚を越えたら「被る」人が出てくるので、800万枚販売したならその80倍くらい見かけても不思議ではないということになる。

さて、ここで「被る」という状況について考えてみたいのだが、「ユニ被り」という言葉に代表されるようにあまりに自分と同じ服の人ばかりを見ると、ちょっとゲンナリしてしまうことが多い。
しかし、かといって誰とも被らないような奇抜な服も着ていて恥ずかしく感じる場合が多い。

例えばゴスロリというジャンルの服は世界に誇る日本独自の服だと思うが、アレの着用者は普段それほど見かけない。やはり着ている人がいたらすごく目立つ。
で、すごく目立つ格好を見て「私も着てみたいわ~」と思う方はどちらかというと少数派ではないだろうか。

極端に露出の多い服でも同じであろうし、スタッズや鋲がいっぱい付いたウニみたいな服も同じだろう。
70年代みたいなベルボトムのジーンズだって同じだろう。

だから、逆にある程度は人と被らないとその服は流行(トレンド)ではないということにもなる。

「被って何となく恥ずかしい」か、「被ったことがうれしい」かはそのブランドの持つステイタスにもよる。

ダウンジャケットを例に取れば、ウルトラライトダウンだと被ると何となく恥ずかしいが、モンクレーだと被ったことがトレンドの仲間入りをしているような気になるという人が多いだろう。

これはユニクロとモンクレーのブランドステイタスの違いが大いに関係している。

ウルトラライトダウンは粗悪品ではないが、低価格であることは国民に知れ渡っている。
定価は5990円だが、とくに2012秋冬は値引きが多く、週末値引きで3990円か2990円に下がることも多かった。

一方、モンクレーは品質的に決して最高級品とは言えないが、高価格品であることは多くの人が知っている。
まあだいたい10万円前後する。

ファッションというのは嗜好品や見栄の張り合いみたいな部分も多いにあるので、「庶民的ですわね~」と思われるよりも「おお、すごい高額品着てますよね」と思われた方が気分が良い。

値段がすべてだとは言わないが、低価格品よりは中価格品や高価格品の方が良いブランドイメージを持たれていることが多い。

結局、「ユニ被り」という言葉は生産数量もさることながら、ユニクロのブランドステイタスをそれほど高いと感じる人が少ないということだろう。
反対に誰も「モンクレ被り」とは言いださない。
これは物の良し悪しは別として、モンクレーのブランドステイタスがそれなりに高いと認知されているためだと考えられる。

となると、「ユニ被り」という表現を無くすためには、ユニクロのブランドステイタスをもっと上げるか、1型あたりの生産数量をもう少し押さえるかのどちらかしかない。
どちらの方向性を採るにしても現在のユニクロには難しい注文だと思われる。

この辺りを解決できればユニクロは真のグローバルなSPAファッションブランドとして認知されるのだろうけど。

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