正月のバーゲンに行かなかった理由
2020年1月7日 お買い得品 0
年始の洋服店頭の状況はどうですか?と尋ねられたので、今回は雑感を。
年始の店頭の様子はよくわからない。なぜなら、買い物に出かけていないからだ。
老父が入院しているということも無きにしもあらずだが、それはメインの理由ではない。別段毎日見舞いに行く必要もないのだから年始のバーゲンに行きたければ行く。1日やそこら見舞いに行かなくても老父の容態は大して変化しない。正月バーゲンに行かなかったのは行く理由がなかったからだ。
これでも毎年1月2日の朝にはバーゲン巡りをしていた。
もちろん、当方が好む安いブランドばかりである。
ユニクロ、無印良品、ライトオン、ジーンズメイト、グローバルワーク、レイジブルーあたりは鉄板で、一昨年くらいからジーユーが加わった。その昔はベネトン、チャオパニックティピーなんかにも足を運んでいた。
2005年くらいまでは百貨店ブランドとファッションビルブランドのバーゲンにしか足を運んでいなかった。
メンズビギ、メンズメルローズ、ジュン、タケオキクチ、トルネードマート、アトリエサブ、コムサあたりで買い物をしていた。当時でもニコルクラブフォーメンはなんだかオッサンのイメージが強くて買い物をしたことはなかった。今は店として見かけなくなったブランドもある。このときもベネトンは覗いてたまに買っていた。
理由は普段のプロパー販売時期が長く、定価が高くて毎月買うのは難しかったからで、夏冬の年2回のバーゲンに買いだめするが常だった。
2004年ごろからユニクロを買うようになった。
理由はデザインがマシになったからだ。何度も繰り返すが98年のフリースブーム当時のユニクロ商品のデザインはクソダサかった。サイズ感やシルエットもおかしかった。あんな物を「ユニクロは値打ちあるわ」と喜んで買っていた繊維業界新聞のオッサン先輩記者連中の感覚が信じられなかった。
「この人、20年間どんな服を見てきたんだろうか?」
と素直にそう思っていた。
2005年以降年々百貨店、ファッションビルでの購入枚数は減っていき、ついに2008年か09年頃にはゼロになった。当方が普段着る服に関して言えば、そこで買わなくても類似品がユニクロを始めとする低価格ブランドに行き渡り始めたからである。
またこれらの百貨店、ファッションビルブランドが過剰なコスト削減とODMの乱発で、同質化してしまっており、定価の割には商品にチープ感が溢れるようになった。
だったらラグジュアリーを買えばどうか?
と言われそうだが、そんな気は毛頭ない。それを買うほどの収入は当方にはなかったし、切り詰めてでもそれを買いたいと思うほどファッソニスタではないからだ。
当方の嗜好は手の届く範囲でそれなりに良い物が買えればそれで十分であり、身に余る高額品を買いたいとはこれっぽっちも思わない。まあ、タダでくれるなら病気以外は喜んで頂くのだが。(笑)
しかし、1月2日の買い物数量もだんだんと減ってきて、昨年、一昨年あたりだと1~3枚を買う程度になってしまい、今年、ついに1月2日には買い物に出なかった。
理由は
1、当方が買うような低価格ブランドに限らず、ラグジュアリーや高級ブランドを除いては、年中割引販売をしていて年始にわざわざ買いに行く必要がない
2、ネット通販を使用することにも慣れた
3、人ごみが嫌い
の3つである。
もともと人ごみは嫌いで、人ごみに長時間いるとイライラするが、以前は買い物がしたいから我慢して開店前に並んでいたが、今、ネット通販での利用方法を覚えてしまえば、並ぶ必要はなくなる。
配送時間に待っていなくてはならないという苦痛はあるが、人ごみで赤の他人に揉まれるよりは1億倍マシである。
年始のバーゲンはそれなりに賑わっているように見えるが、暖冬もあり、単価の高い防寒アウターは苦戦していると伝えられているので、売上高自体はそれほど良くはないだろうと考えられるが、果たして暖冬のせいだけだろうか?
これだけ年中安売りをしているなら、何も混雑する正月にわざわざ買いに行く必要はなく、空いている日に行けばよいということになる。
11月だと下旬のブラックフライデーがあるし、12月にはプレセールもある。なんだったら9月、10月だって「期間限定の新作●%オフ」とか「2枚買えば●%オフ」とかをやっているし、あとは毎日のようにタイムセールもやっている。1月2日まで待つ必要が全くない。
そしてネット通販への慣れである。
ネット通販で買う場合、今でも多少、サイズ間違いへの恐怖心はある。返品不可のサイトもあるし、返品無料でもその手続きがめんどくさかったりする。
それでも何回か買って失敗を繰り返せば、だいたいサイズの寸法表記で、小さすぎて着られないという間違いは起こさなくなる。少なくとも当方はそうなった。
サイズの寸法表記が分かりにくいとか雑とか必要なことが書かれていない場合は、どんなに魅力的な値下げ品であっても買わないことにしている。もし着用できなかったらカネの無駄だからだ。
ネット通販の寸法表記で大きな間違いを起こさないようになれば、ネット通販で買った方が、人ごみを回避できて楽になる。それにネット通販は店以上に毎日安売りを乱発している。
正月のバーゲンは、正月気分と言うこともあり、今後もなくならないし、それなりの店頭の賑わいを見せ続けるだろうと思う。しかし、夏のバーゲンはどうだろうか?すでに以前ほどの集客パワーがなくなっているのは、店頭を見れば明らかである。
ネット通販は成長市場と言う人がいるが、こと洋服に関しては買う場所が店からネットに変わっているだけで、洋服の小売市場規模は9兆2000億円台のまま全く変わっていない。
ということは洋服そのものの需要が増えているわけではないということで、買う場所が店からネットへと何割かが移っているだけということになる。
今後、当方のようにバーゲンに足を運ばなくなる消費者は増えるだろう。それでも正月はそれなりに賑わうだろうが、特に夏のバーゲンは一部のブランドのファン以外には大したイベントではなくなってしまうだろうと思う。
これから、毎年バーゲンでの売上の比重は下がり続けることになり、何十年か後にはバーゲンは形骸化してしまうかもしれない。買う側からすれば、形骸化したところで何の痛痒も感じないのだが、はてさて。
こんな本をどうぞ~