40年くらい前の祖父のコートを見つけた話
2019年12月25日 商品比較 2
今日はクリスマスである。
大阪は近年稀に見る温かさで、こんなに温かいクリスマスは珍しい。
クリスマスはキリストの誕生日とされているが、その起源については、冬至が終わり、これから春分に向かって日が伸びていくことへのお祝いの祭りだとされている。
今回は、ちょっと趣向を変えて、自宅で見つけた珍しい物をご紹介してみる。
12月10日以来、父が入院したままなので銀行の通帳を探したりしていて、そのときに見つけたのが2枚のコートである。
これは母方の祖父の遺品で、そういえば30年前の葬儀の後で見たことがある。
1枚はピエール・バルマンのステンカラーコート、もう1枚はサンヨーのコートである。
ピエール・バルマンのステンカラーコートから見てみたい。
そこそこ厚手のガッシリした生地で画像ではわかりにくいが少し光沢がある。そんなにツルツルした手触りではなく少しザラっとしている。
最初見たときには、一般的な綿主体の素材かと思ったが、表示を見て見ると、シルク100%だった。裏地はキュプラ100%である。
素材とブランド名から考えると、これは相当に高額な商品だと思われる。
安物しか持っていない当方からすると見当もつかないが20万円とか30万円くらいはしたのではないかと思う。
袖はスプリットラグランスリーブになっている。
袖丈は短めで、実際に着てみると、当方だと八分袖くらいな感じである。これは恐らく、母方の祖父の袖丈に合わせて切ったものである。母方の祖父は腕が短かったから。
実は当方の腕も短めで、そこは母方の祖父の遺伝である。
あとついでにいうと母方の祖父はつるっぱげだったが、当方の髪が薄いのもその遺伝だろう。もっとも父方の祖父もつるっぱげだったから、2つの禿を受け継いでいるといえ、本当に要らないところばかり似てしまうものである。
もう1つはサンヨーのコートである。
これは三陽商会のコートで、ポケットの裏地がメッシュになっているのと、背中が半裏で生地も薄いので、スプリングコートなのだろう。
生地の組成はポリエステル65%・綿35%だから、シワになりにくく、今でいうところの機能性素材ではないかと思う。
袖口が少し擦り切れているから、相当に愛用したのだろう。色はピエール・バルマンより少し暗い。
こちらの袖の長さも少し短めだが、バルマンほど短く切られていない。形はシングルトレンチである。
これも恐らくは10万円以上したコートではないかと思う。
祖父が亡くなってちょうど今年で30年だったから、この2つのコートは少なくとも30年以上前の商品で、三陽商会のコートの方は袖口の擦り切れ具合から考えても5年や10年くらいは着用していただろうから、40年以上前の商品ではないだろうか。
母の実家は比較的裕福だったことに加え、祖父はオシャレ好きな人だった。
近眼でもないのになぜかいつも伊達眼鏡をかけていて、そのレンズは少し色が着いていた。しかし、禿でサングラスだから単に怖い人にしか見えなかった。結構な高級品をたくさん持っていて、亡くなったときにその形見分けで、父がもらったのだが、洋服に無頓着な父がこの2枚のコートを着ているのを見たことがない。(笑)
30年間、タンスの肥やしになっていたというわけである。(笑)
父も1年半以上に渡る不摂生でヨレヨレのカクカクになってしまっているから、今後もこの2枚のコートを着ることはないだろう。
それにしてもピエール・バルマンに使われてる厚手のシルク地は当方はちょっと見たことがない。今、製造するとどれくらいの値段になるのだろうか?
恐ろしく高額になるのではないかと思う。
父が着ることはないだろうから、当方が着てみようかと思う。8分袖なので着こなしにはちょっと工夫が必要だろう。カジュアルにまとめてみた方がよさそうな気がする。
例えば、スエットパーカの上から羽織って、ダボっとしたジーンズでも合わせてみようかと考えている。
三陽商会のコートは普通に春先に着てみようかと思うが、袖口の擦り切れを修理したい。
それにしても30年前、40年前のコートを見ても、現在の商品とそれほど大きく形が変わっていないところに驚かされる。案外と洋服は変化が少ないということだろう。
一時期のピチピチ・ピタピタブームが過ぎて、また適度なゆとり感がトレンドになっていることも、こういう古い服を復活させられる要因の一つにもなっている。
まあ、そんなわけで2020年の春以降はこの2枚のコートをときどき着てみようかと思っている。
comment
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南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/11/06(日) 11:21 PM
うわ~懐かしい
サンヨーコートさんは百貨店専用ネーム、
婦人服店専用ネーム、量販店専用ネームと
ブランドを分けてましたよねダイエー・ヨーカドーと子会社アパレルがあるものの
重衣料とりわけコートはサンヨーさんの独断場だった
記憶がありますにしても、レナウンがやってたアクアとちがって
さすがコート専業メーカーと思わせる物ばかりでしたバーバリーが伸びたのも、そもそもバーバリー以前に
サンヨーさんが日本人にあったデザインのきちんとした
縫製のコートを造り続けていたからですそれに一流のネームが加わればそりゃ無敵ですわな
しかし、2022年現在は、重たいコートが要らない
気候になってしまいました・・・サンヨーさん別注のイングランド製バーバリーを着て
(こんなものもあるんです。別タグがついている)
今年の冬を過ごしてみようかな・・・
はじめまして、こんにちは。
残念ながらサンヨーのコートは廉価品です。
40年位前の「BlueFlag」は量販店(主にダイエー等)向けブランドで
当時チェーンストア事業部生産のものです。
バルマンのコートも三陽商会のライセンスだったはずです。
自分は当時婦人服担当だったのですが、バルマンの14万のアルパカコートが
よく売れたのを覚えています。
つい懐かしくてコメントさせていただきました。
因みに自分は2013年の希望退職制度にて33年間のサンヨー人生に幕を下