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南充浩 オフィシャルブログ

単品アイテムの大規模卸売り時代の終焉

2013年4月8日 未分類 0

 ジーンズメーカー、ビッグジョンの再建計画が発表された。
以前から耳にしていた内容よりはずいぶんとソフトな内容となっており、正直、ほっとした。

http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013040608014159

 ジーンズメーカーのビッグジョン(倉敷市児島下の町)が経営不振に陥り、地元金融機関など出資の官民ファンド「おかやま企業再生ファンド」の支援で再建を進めることが5日、分かった。ファンドが金融機関から債権を買い取ることで、約40億円の借入金を大幅に圧縮。経営陣も刷新し立て直しを図る。

 同社は1965年に国産初のジーンズを手掛けた老舗。ピークは182億円(93年1月期)を売り上げたが、低価格ジーンズに押され、2013年1月期は25億円までダウン。07年1月期から最終赤字が続いていた。

 再建策は、メーン行の中国銀行(岡山市)など2行が、担保で保全されない約30億円の債権を時価(回収可能と見込まれる額)でファンドに売却。ファンドは購入後に大半を債権放棄し、ビッグジョンの金利負担を軽減する。ファンドの出資と中国銀の新規融資で計約3億円の金融支援も実施。一般債権のカットなどは要請せず、取引先への影響はないとしている。

 国内唯一の本社工場は閉鎖し、児島地区を中心とした協力工場と中国の子会社での生産体制に移行する。希望退職による人員削減や資産処分を進めながら、持続可能な事業モデルの構築を目指す。

 創業家の尾崎博章会長と尾崎篤社長は経営責任を取って退任し、新社長に市原修・東京支社東日本エリアマネージャーが4日付で内部昇格した。ファンドも管理部門に人材を派遣してバックアップする。

とのことである。

この山陽新聞の報道が一番内容が詳しい。

ただ、不満もある。
紋切り型に「低価格ジーンズに押された」としている点だ。

ボブソンの倒産時にも同じ分析がなされていたが、この2社にはこれは当てはまらない。

以前に日経ビジネスオンラインにこんな記事を書いたことがある。

「低価格競争に敗れた」が本当か考えてみよう
ジーンズメーカー、ボブソンの再生断念から何を学ぶか
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120502/231651/?P=1

それにしても、一度倒産したボブソン、今回のビッグジョン、再建問題に揺れるエドウインと国内大手ジーンズメーカーはそろって経営難に直面している。
大手だけではない。一般紙や経済誌が報道しないだけで経営難が原因で、社内再編をした中規模メーカーもけっこうある。
そういう意味ではジーンズ専業アパレルというジャンル自体の存続が難しくなっているのかもしれない。

90年代半ばのビンテージジーンズブームの印象が強すぎたのか、一般紙などではいまだにジーンズ=ビンテージという図式を描いている場合があるが、ビンテージの現在の市場は極めて小さく、経営コンサルタント会社によると最大手のエヴィスですら50億円未満の売上高だと推測されている。
その他ブランドの年商は2億~10億円内外である。
この市場を否定するつもりはないが、市場規模からすると好事家・伝統工芸品の世界と見て差支えないだろう。

広く大衆に支持されるマス商品としてジーンズ単品が成り立つかというと、それが難しい時代になっている。
同じような状況で衰退したのが、シャツ専門アパレルだろう。
こちらはジーンズほどのマス商品ではなかったが、10年ほど前まではメンズのワイシャツを専門に企画製造販売している大手が数社以上あった。
今、残っているのはフレックスジャパンと山喜とSPA化した東京シャツ、中堅のスキャッティオーク、日清紡に子会社化されたCHOYAくらいだろうか。

ジーンズもワイシャツも単品アイテムの卸売りが隆盛を極めるという時代が長く続いたが、その時代はもう終わった。

新生ビッグジョンには心機一転がんばってもらいたいが、今回の再建計画発表は、ジーンズ単品の大規模卸売り時代の終焉を象徴しているように感じられる。

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