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南充浩 オフィシャルブログ

わけもなく安い商品は胡散臭い

2013年3月25日 未分類 0

 多くの卸売り型アパレルやSPAブランドと話すと「とりあえず安くしないと売れない」、逆に「とりあえず安くしたからこれで売れるだろう」という意見を耳にすることが多い。

しかし、理由もなしに「とりあえず」安くした商品はあまり売れ行きが良くない。
それはユニクロやジーユーに追随して価格競争を挑んだブランドがことごとく失敗していることを見れば一目瞭然だろう。

もちろん、販促手法の不備や広報告知が行きとどかなかった部分もあるだろう。
店頭サービスにも原因があるかもしれない。

それらを差っ引いても理由のない安売りでは集客できない。

ユニクロが台頭する前の80年代に無印良品が消費者から支持されたのは「わけあって安い」というキャッチコピーがあったからだろう。とくにあの当時の社会状況を思い出してみると、DCブランドブームで洋服の平均価格は恐ろしく高かった。メンズのスーツなんて10万円くらいは当たり前だった。
そんな中で無印良品の商品価格は、消費者からは劇的に安く見えたはずだ。
そういう事情を考慮してみても、「わけあって安い」という売り方はまさに適切だったといえる。

まだ10代だったので当時のおぼろげな記憶をたどってみると、「高くなければまともなブランドにあらず」という風潮だった時代に、「わけもなく安い」商品は単なる安物、紛い物、関西ではバッタ物と認識されてしまっただろう。
当時の安売り衣料品ブランドで現在もまともに存続している企業はほとんど見かけない。

自分が運営に携わっている産地メーカーによる生地販売会「テキスタイル・マルシェ」を見ていると、激安生地しかないブースは概して苦戦する傾向が強い。
京都府の丹後地方の生地メーカーは今まで何度か参加してくれたことがあるが、1メートル1000円均一みたいな売り方をしたときに限って売れ行きが良くない。

ちなみに丹後地方は、絹の縮緬製造が盛んな地域で、最近だとポリエステルの縮緬や縮緬の織り技術を活かした洋装向け生地などを製造している。

だから元来は高級な生地を製造している。

3月20日から阪急百貨店うめだ本店10階で「テキスタイル・マルシェ」を開催しているが、今回の丹後地方の生地メーカーの売れ行きは悪くない。トップではないが、コンスタントに売れ続けている。

値段を見ていると、1メートル1500円、2000円、3000円、5000円以上となっている。

ポリエステル縮緬は1500~2000円、3000円以上は純絹か絹が交織されている。

「絹だからそこそこの高価格」「ポリエステルだからそれなりに安い」と明確に値段が分けられており、「わけもなく安い」生地は一つもない。
販売担当者の接客努力や顧客層がマッチしてることもあるが、「わけもなく安い」という販売スタイルを捨てたことが大きな要因だと感じている。

手芸や洋裁をたしなむ人にとって、「わけもなく安い」生地は必要とされていない。
「安いなら安いなりの理由」が必要だし、「わけあって高い」物でもそれなりの需要がある。

生地やアパレル製品だけでなく、飲食物にしたって「わけもなく安い」商品はどこか胡散臭い。
生産地の衛生面は大丈夫か?品質検査基準をちゃんとクリアしているのか?まともな材質を使用しているのか?
などのもろもろの不安を感じる。

これが「工場と直接取引なので安い」「大量生産なので1個あたりの製造コストが安い」などの明確な理由が表示されていることが必要だろう。

ユニクロブーム全盛時にアパレル首脳陣からよく「うちはユニクロより900円値段を下げたから売れるだろう」というような言葉を耳にしたが、そんなつまらない理由を掲げて売れたブランドを見た試しがない。

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