価格は需要と供給のバランスで決まる
2019年7月22日 考察 0
1年くらい前からアメリカ村を通る際、いくつかの店舗に行列ができていることに気が付いた。
昼食時なら飲食店には行列ができるが、昼食時でもないのに行列ができている。むろん、洋服屋であるはずがない。(笑)
洋服で行列ができるのは、転売ヤー御用達の一部のブランド店くらいである。
で、よくよく観察してみると、タピオカ店である。
個人的に驚いたのが、屋号に関係なくどの店にもそれなりの行列ができているということで、言ってみれば「タピオカでさえあれば何でもイイ」ということになる。これはちょっと今時珍しい現象だと思った。
ラーメンだって人気の食べ物だが、流行っている店とそうでない店の落差は激しい。「ラーメンでありさえすれば何でもイイ」というわけではない。個人的にはラーメンはほとんど食べないから興味がないのだが、他人と話しているとどうやら各人それなりの支持店があるらしく「俺は●●が好き」とか「私は〇〇が好き」という。ラーメンに興味のない当方からすれば激不味でなくそこそこに料金が安ければどこでもいいのだが。
洋服でもそうで、例えばジーンズが人気といったところで、人気ブランドとそうではないブランドの落差はある。アウトドアウェアしかり、スエットパンツしかりである。
屋号やブランド名に関係なく売れるというのは、2000年以降ちょっと見たことがない。
そもそもタピオカはそんなに目新しい食材ではない。20年くらい前に一瞬流行した。
ネットでググってみると、92年にブームがあったと書いてある。今から27年前である。
当時、その少し前にデザートブーム(当時はスイーツとは呼んでいない)でティラミスが大流行した。理由はわからない。ググれば出ているんだろうがあいにく当方は食品に興味がない。
ティラミスブームの次はナタデココブームがあった。そしてタピオカブームである。記憶ではティラミスからタピオカまで3年くらいしかない。
短期間の間にブームが興廃するというのはいかにもバブル期らしい。
だからオッサンからすると、「なぜ30年前のデザートに行列ができるのか」と不思議でならない。
ネットによると2008年頃に第二次タピオカブームがあったとあるが、これは全然記憶にない。10年ほど前のことだから覚えていないはずはないが、興味のないオッサンが認知するほどの大ブームではなかったのではないかと思う。
今回のブームは第三次になるらしい。
バブル期のブームは、当時22歳の当方からすると、数あるブーム商品の中の一つという感じだったが、2019年のブームは、モノが売れにくい時代にあって一際異彩を放っているように感じる。
先日、なぜか、アメリヴィンテージというブランドのアメリカ村店オープン内見会にもぐりこめたのだが、その際、対岸の道路に長蛇の列ができており、「これアメリヴィンテージの入店待ちか?」と思ったら、対岸にあるタピオカ店の行列だったことがある。
さて、ここまでタピオカの人気が爆発すると、当然原材料が足りなくて値上がりすることになる。
タピオカ足りません…電話が殺到・仕入れ値3倍
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190714-OYT1T50133/
大手外食チェーンでも、ドーナツ店「ミスタードーナツ」、ファミリーレストラン「ココス」などが、タピオカを使った商品の販売を始めた。
だが、このブームによってタピオカは品薄になっている。5月に期間限定でドリンクを投入した回転寿司ずしの「はま寿司」は、売れ行きが想定をはるかに上回り、欠品が相次いだ。
とある。ミスドやココスあたりはまだわかるとして「はま寿司」までタピオカの販売を開始していて、便乗すげえなと思ってしまう。
そういえば、天神橋筋商店街にある台湾料理店もいつの間にかタピオカを販売し始めており、今回のブームが台湾からの人気だということはあっても、やっぱり便乗すげえなと思ってしまった。
「業務スーパー」を運営する神戸物産(本社・兵庫県稲美町)は、家庭用冷凍タピオカの売り上げが前年の10倍以上になったが、大半の店舗で欠品が続く。卸業者も「在庫を補充しても即完売する状態が続いている。問い合わせの電話も集中し、つながりにくい」と悲鳴を上げる。
特に、台湾で加工されたタピオカは人気が高く、価格も高騰している。今のところ、ドリンクの価格を引き上げる動きはないが、タピチ運営会社の東忠治常務は「昨年春と比べ、仕入れ価格は3倍になった」と打ち明ける。
とある。
このままブームが続けば、商品価格も上げざるを得ないのではないかと思う。
でここからわかることは、価格というのはやはり需要と供給のバランスだということで、需要が増えすぎると供給が追い付かなくなって、価格は上がる。高値でも欲しいという人や会社が出てくるからである。逆に需要よりも供給が多いと価格は下がる。
ミカンやサンマが豊作になれば値下がりするのと同じである。
そういうことからすると、洋服は需要よりも供給が多いから値上がりしないことは当たり前だということである。もちろん、一部の人気ブランドは転売ヤーも参入して値上がりするが、それを除けばそこまでの需要量ではない。
流行のアロハシャツが欲しいなと思ったところで、1000~2000円くらい出せば、選び放題である。
ジーユー、ウィゴー、ジーンズメイト、H&Mだけでも何柄もある。
となると、一部の特別なブランドを除いては価格を維持することは難しい。特に当方のようなブランドホッパーからすると、「黒ベースであればどんな柄でもいい」とか「紺ベースであれば何の柄でもいい」という選び方になり、あとは価格とサイズ感の問題になる。
洋服の価格が上がらないのは、供給量が多すぎるのが原因の一つだといえる。値崩れを防ぎたいのであれば、アパレル業界のバブル期からの悪弊である「在庫を積めば積むほど売上高が増える」という考えを捨てるべきだろう。
そんな業務用のタピオカをどうぞ~