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南充浩 オフィシャルブログ

オーバーサイズの服の利便性

2019年7月18日 お買い得品 0

いつ始まったのか判然としないが、とりあえず夏のバーゲンに突入しているが、当方からすると恒常的な「店頭のセールコーナー」、ウェブ通販での「タイムセール」「昨年物のアウトレット値引き」「シークレットセール」などを通年で見ていると、果たして従来通りの「バーゲン」に何の意味があるのかと思ってしまう。

安い服が欲しければ、選び方のコツさえつかんでいれば、恒常的に買えるのが現在である。

そんな皮肉を言いつつもやっぱり何枚かは7月に入ってから服を買っている。

で、今年の夏に何枚か買ってみて痛感したことは、オーバーサイズの服が増えているということである。

特に当方が買うようなユニクロ、無印良品、ジーユーなどの低価格ブランドにオーバーサイズの服が増えている。

 

ということは、オーバーサイズはマスに行き渡ったと考えるのが正解だろう。

 

2003年以降、タイトシルエットが全盛となり、2015年頃からオーバーサイズの復活が言われ始めた。当然、当時オーバーサイズを発売していたのはトップブランドだけで、マス層の低価格ブランドは少しゆる目というシルエットが差し込まれた程度で、依然としてタイトシルエットが多くあった。

 

4年後の2019年夏にはその低価格ブランドでもほとんどがオーバーサイズ、ルーズシルエットになっているので、何事もマスに行き渡るにはだいたいそれくらいの時間が必要だということがわかる。

バブル期のオーバーサイズへの苦い思い出から、オッサンたる当方は二の足を踏んでいたが、昨年くらいから意を決してユニクロUやジーユーでオーバーサイズの商品を買ってみた。もちろん、ユニクロ本体のシルエットも全般的にオーバーサイズ気味に変化している。

で、着てみるとそれはそれなりに似合うような気がする(他人に言われたことがないので他人からの評価はわからない)。

まあ、50歳手前のオッサンにいちいち「その服似合ってますよ」なんて誰も言わないのは当然である。ただ、似合ってない場合は教えて欲しいと思う。(笑)

 

同じオーバーサイズでもバブル期とは厳密にいうとサイズ感が異なる。身幅が大きいのは同じだが、トップスはアームホールが狭い。アームホールが狭いことでダボっとしながらもスッキリとしたシルエットになりやすい。この辺りは30年前の服と比べると面白いのではないかと思うのでパターンに見識のある人にわかりやすく解説してもらいたいと思う。

 

で、今回はマス層に行き渡ったオーバーサイズについて思うところを書いてみたい。(いつも思うところしか書いてないのだが)

 

 

1、オーバーサイズはなくなるのか?

 

4年くらい前から復活したオーバーサイズだが、「流行が終わると消える」という説がある。しかし、当方は消滅することはないと思う。

その理由の一つとしては、スキニーパンツを挙げたいと思う。

2008年からのスキニージーンズブームでは、ワイドパンツが市場から消えた。そういう消費動向になるのはこれが最後だったのではないかと思う。

現在の店頭では、スキニーパンツも併存している。もちろん、構成比率は下がっているがゼロにはなっていない。

逆にトップスがルーズになると、ボトムスを細めにまとめる方が、一般的には着こなし易い。

またボトムスがルーズになると、夏物でやりやすいのがタイトなトップスにすることである。

となると、タイトシルエットアイテムは今後も残るだろう。

これと同様に復活したオーバーサイズもゼロにはならず、今後も残ると思う。

 

また、人気ブロガーのMB氏が再三指摘しているように、ネット通販で買うにはオーバーサイズが「便利」である。

タイトシルエットだとそれこそ「ミリ単位の精度ww」なるものが必要で、1センチサイズを間違えるとピチピチすぎて着られないということがあるが、オーバーサイズの場合、1~2センチくらい小さくても無問題である。

実際に当方も、今春夏はネット通販で何度か試してみたが、オーバーサイズ商品を買うと「当たり外れ」が少ない。決して華奢な体型ではない当方だが、ほとんどのブランドはMサイズで着用できるし、なんならSサイズでも従来のMサイズくらいのサイズ感で着用できる。

「買うサイズを間違えて着られへ~ん」なんてことはなくなった。

アパレル各社がネット通販を強化すれば強化するほどオーバーサイズの利便性が際立つため、今後、消滅する可能性は極めて低いと考えられる。これはボトムスも同じで、特にルーズシルエットのイージーパンツはネット通販向けとしては必要不可欠なアイテムになるのではないかと思う。

 

2、ジャストサイズ?なにそれ?

 

とくにカジュアルアイテムで顕著だが、オーバーサイズではジャストサイズの概念がほぼない。特に半袖アイテムでは。

先日、無印良品のMUJIラボで、値下がりしたノーカラーポロシャツを買った。定価4990円(税込み)が2495円(税込み)に値下がりした。

 

 

 

何年か前にトップセラー主宰の四元亮平氏がノーカラーポロシャツを夏場に着ていたのだが、そのアイデアは面白いなあと思いつつ、当方の愛用する低価格売り場ではずっと見かけなかった。

それが今夏のMUJIラボには並んでいたので、半額に値下がりするのを待って買った。定価では絶対に買わない。(笑)

 

MUJIラボは展開店舗数が少ないので、店頭で見たことがない人も多いのではないかと思う。

 

で、今夏のMUJIラボのトップスは、このノーカラーポロシャツに限らず、すべてオーバーサイズであり、サイズ表記は「XS~S」「S~M」「M~L」と極めてアバウトである。

 

 

当方は「S~M」を買ったが、それでも相当にルーズで、今度は違う色で「XS~S」を買ってみようかと思う。それほどにゆったりしている。

着てみて感じたのが、顔面の差もあり「四元氏となんだか違う」ということと、「ヘンリーネックTシャツとほとんど同じに見える」ということである。

まあ、アイテムとしては面白いから今後も着るとは思うが。

 

このMUJIラボに限らず、ユニクロやジーユーのオーバーサイズトップスのほとんどは、当方はMサイズで着用できるがかなりゆったりとしていて、タイトに着たいならSサイズを選ぶ必要がある。言ってみれば、MとSのどちらを選んでも構わないということで、気分や狙いによって買い分けることができる。

となると、「ジャストサイズ」という考え方はここには存在しないということになる。

タイトにまとめたいならSサイズ、ゆったり着たいならMサイズ、もっとダボっと着たいならLサイズ、と言う具合に気分や狙いによってサイズを使い分けられる。

 

そしてこれは、サイズピッチが緩いがゆえに、サイズが合わないことによる売れ残りが減り、こじつければ結果的に「エコ」につながると言うこともできてしまう。

 

まあ、そんなわけでオーバーサイズの服は消費者にとっても業界にとっても便利である。便利で使い勝手の良い物はトレンドやブームが終わっても残るから、オーバーサイズの服は根強く今後も残るのではないかと思う。

 

 

 

 

 

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