
Amazonが東京ファッションウィークのスポンサーから降板
2019年6月27日 デザイナー 0
当方がガンプラやそれに必要な道具、たまにパソコンを買う先であるAmazonが東京ファッションウィークの冠スポンサーを降板することが明らかになった。
ちなみに先日Amazonで買ったプラモデル用のニッパーはすこぶる切れ味が良い。しかし、やっぱりまだ切り取った跡が残ってしまうので、次は5000円前後もするゴッドハンドのアルティメットニッパーを買うべきだろうかと悩んでいる。アルティメットニッパーだとランナーを切り取った跡がほとんど目立たないのだという。
アマゾン ファッションが、東京ファッションウイークの冠スポンサーを降板することが明らかになった。既に東京ファッションウイークの公式サイトからは同社の名前は削除されている。
とのことである。
2016年10月からスポンサーだったから2年半強経過しており、短いと感じる人もいるかもしれないが、期間終了という感じではないのかなと思っている。
業界人の中には、Amazonが国内デザイナーズブランドに見切りをつけたのではないかと考える人もいるようだが、それは違うのではないかと思う。なぜなら、アットトウキョウは継続するからだ。
なお、同社主催の特別プログラム「アット トウキョウ(AT TOKYO)」に関しては「引き続きファッションやデザインの業界を広く支援する活動を通して、お客さまにより良いお買い物体験を提供していく」として、継続していく意向だ。
とあるからだ。見切りをつけたのなら、継続はしないだろう。継続するということはAmazonとしてはそれなりに価値を見出している、もしくはビジネスとしての可能性を見出しているといえる。
アットトウキョウとはAmazonがデザイナーズブランドを支援する目的で独自に開催しているイベントである。
SNSが普及してから東京コレクションの報道量は、体感的に以前より相当増えているように感じる。昔は取材したりショーを拝見したこともあるが、個人的にはデザイナーズブランドやコレクションショーにはまったく興味がない。今は東京コレクションのウェブニュースすら読まない。見出しだけは必然的に目に飛び込んでくるが。
盛り上がっているのかも盛り下がっているのかもわからないが、報道量が増えたように感じる。しかしその増加に盛り上がりが比例しているようには感じない。(あくまでも体感的に)
平たく言うと報道量が増えた割には、そこまで盛り上がっているようには門外漢には感じられないというわけである。
で、某知り合いが
「Amazonの降板は東京コレクションが盛り上がっていないからでは?」
との疑問を投げかけてきた。まあ、その可能性はゼロではないだろうが、2年半強やっているので、それだけが理由ではないと思う。
しかし、「盛り上がっていない」「重要視されていない」と感じる業界人が少なくないことも事実である。
ではどうしてそうなるのか。国内デザイナーズブランドを取り巻くさまざまな理由が考えられる。
1、国内デザイナーズブランドを大々的に売る有力店・有力売り場が少ない
2、高額で良くも悪くも特徴のあるデザイナーズブランド服を着たいという人が少ない
3、また着て行く場所も少ない
というあたりだろうか。
ちなみに、当方の残り時間はあとせいぜい20~35年ほどしかないが、これから先どれほど金持ちになっても国内デザイナーズブランドの服は買わないだろうと思う。もちろん、欧米ラグジュアリーブランドの服も絶対に買わない。まあ、もっとも当方がそんな金持ちになる可能性は極めてゼロに近いのだが。(笑)
着る人がいないから売り先がないのか、売り先がないから着る人が増えないのか、なかなか卵と鶏のような話で難しい問題である。
東京コレクション期間中はそれに付随した展示会も多く開催されている。東京ファッションウィークの開催もいろいろと工夫を凝らしているということは伝わる。開催時期を早めてみたり遅くしてみたりしている。
しかし、出展者から聞くと、早めてみても遅らせてみてもほとんど効果はないのだという。
それは国内のバイヤーの多くが極端に欧米崇拝が強すぎるためではないかと思う。
開催時期を早めたときは
欧米のコレクションを見てから仕入れを決めたい
と言い、
開催時期を遅らせたときは
欧米のコレクションで先に仕入れを決めたから予算が残っていない
と言うそうだ。
はっきり言って、もとから仕入れる気がないのである。(笑)
国内の有力売り場のバイヤーの多くがこの姿勢では、いくら工夫を凝らしてみたところで、国内デザイナーズブランドを売る店は増えない。
逆に言えば、独自イベント「アットトウキョウ」を開催するAmazonの方がよほど国内デザイナーズブランドを重視しているといえる。
それにしても衣料品業界人のこの手の過度な欧米崇拝がなくならない限りは、どこがスポンサーになろうと、東京コレクションは今以上には盛り上がらないのではないかと思う。
Sacaiの成功によって、海外でのビジネス拡大という方策は見えたが、それでもやっぱり誰でも気軽に出て行けるわけでもないし、成功率が高いわけでもない。
国内である程度のビジネス基盤が築けることが理想だろう。しかし、この理想はなかなか実現されないだろうと思う。ではデザイナーズブランドはどう対処する?というところが今後の課題なのではないかと、お茶を濁して終わりたい。
ランナーの跡がほとんど目立たないというゴッドハンドのアルティメットニッパーをどうぞ~