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南充浩 オフィシャルブログ

お互いに隣の芝生は青かった

2013年2月7日 未分類 0

 大阪市内は一昨年から商業施設の改装・オープンラッシュである。
2011年は大丸梅田店、ルクア、JR大阪三越伊勢丹、あべのキューズモール。
2012年は阪急百貨店うめだ本店。
今年はもうすぐグランフロント大阪がオープンし、近鉄百貨店阿倍野本店のあべのハルカスが先行部分オープンする。

さて、そんな中、先日、東京から出張して来られたカジュアルアパレルの方とお会いした。
彼の手がける新ブランドが今月、梅田のエストにオープンするための打ち合わせだという。

そんな彼が開口一番「久しぶりに大阪に来ましたが、大阪は盛り上がってますね。東京はダメですよ」という。
一方、関西圏に住んでいる人間は「関西はあかんで。やっぱり東京やな」というのが口癖になっている。

お互い隣の芝生は青いのだろうが、なかなか面白い現象である。

東京から出張して来られた彼は、決してよくあるタイプの浮ついたアパレル業界人ではない。
実家は繊維製造業だし、東京のアパレルやSPAで長年仕事をされており、各ブランドや商業施設の実状をよくご存知である。
浮ついたチャラいアパレル業界人が言うなら、フフン♪と聞き流すところだが、そんな彼が言うので興味深く聞いた。

さて、彼が言うには「東京も毎年商業施設が増えているが、オープン景気が続くのはせいぜい1年間。その後は閑古鳥が鳴いています。コンスタントに賑わっているファッションビルは結局、各駅のルミネしかないのが現状です」という。

なるほど。
そういえば、オープンして半年から1年くらい経過すると、新しいファッションビルや商業施設が話題になることはほとんどない。業界紙もルミネ(不振の有楽町を除く)の好調を伝えるばかりだ。

Mニエゲートとか、コ●ド日本橋とか最近はどうなっているのだろうか。
昨年オープンした東急●ラザ表参道原宿もその後はあまり話題に上らない。

その彼が続ける。

「東京で商業施設に新規出店する場合、ルミネに出店するかしか手が無い」とのこと。
結局、「ルミネ一極集中」になっているというのだ。

そういう東京の状況に比べると、有力商業施設がある程度並立する大阪の方が活気が感じられるという。

またまたなるほど。

一見華やかな東京だが、勝ち組商業施設が「ルミネ」(有楽町を除くww)しかないというのもなかなか侘しい。
悪戦苦闘の大阪だが、有力商業施設がそれなりに並立競争できるというのは良い部分もある。

関西人が羨んでやまない東京だが、東京には東京の悩みというか閉塞感もあるのだなと思った。
いくら羨んでいても関西が東京になることはないのだから、現状を長所と考えてやっていくほかはない。

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