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南充浩 オフィシャルブログ

ビッグサイズ服の需要 スモールサイズ服の需要

2019年2月15日 トレンド 0

ニッチながらも確実に需要があるのがイレギュラーサイズの洋服である。
計測用ZOZOSUITが盛り上がったのは、このイレギュラーサイズへの対応に期待が集まったところも大きかったといえるが、度重なる計測ミスと計測精度の低さからその期待は雲散霧消してしまった。
それはさておき。
大手がジワジワとこのイレギュラーサイズの取り込みを始めている。
ただし、すごく大きなマスボリュームの市場ではないだけに、華々しい規模拡大にはならないだろうと思う。
一昨年の11月にはるやま商事がメンズのビッグサイズ専門メーカーのマンチェスを買収した。

はるやま商事がビッグサイズ専門メーカーのマンチェスを買収した理由とは


買収当時の売上高は19億円と報じられている。
老舗とはいえ、ビッグサイズ専門のメーカーの売上高はこれくらいなのである。決して大きい市場とはいえないが、捨てるには惜しい市場でもある。
さらにいえば、切実に求めている消費者も何千人や何万人はいる。
そこに特化して、人員をあまり増やさなければ着実なビジネスを続けることができる。
男性だとどうだろうか、ユニクロのウェブ通販だと4Lくらいまで販売されている。またサイズ感の大きいブランドのLLで着用可能という人も多いだろう。
しかし、女性の場合は男性よりも深刻なのではないかと思う。
女性の通常のM、Lサイズは男性の目から見ると本当に小さい。
しかし、男性の当方から見ても「横にでかいな」という女性もたまにお見掛けする。
だからかなり選択肢が狭いのではないかと思う。
もちろんユニクロのウェブ通販という手もあるだろうが、毎日ユニクロばかりでは飽きてしまう。
当方だって毎日ユニクロを着ていれば飽きるし、俺はファーストリテイリングの社員じゃねえぞと思うから、違うブランドで服を買う。その結果、さらに手持ちの服が増えることになり、年に1回くらいしか着ないという服がたくさんある。
だから、5Lとか6Lサイズがある在庫処分店は重宝される。
そこに目を付けたのだろうか、ニッセンが女性のビッグサイズECを買収した。

ニッセン/大きいサイズの婦人服EC「マロンスタイル」子会社化


である。
 

マロンスタイルは、LL~5Lサイズまで展開する大きいサイズの女性専用アパレル通販サイト・clette(クレット)を運営するネット通販事業、アパレルネット通販での商品企画コンサルティング事業、OEM事業などを手掛けている。
2月1日に株式を取得し連結子会社化した。資本金は1000万円で出資比率はニッセン100%。
 

とのことで、以前からサイトの見せ方には定評があった。
 
こうなってくると、今度望まれることは男女ともに極小サイズの服ではないかと思う。
いくつかそういう特化したブランドはあるが、まだそれほど大々的に取り上げられていはいない。
在庫処分店の店頭に立っていると、ビッグサイズのお客も来るがまれにスモールサイズのお客も来る。その店ではビッグサイズはあるが、スモールサイズはSサイズくらいしかない。
しかし、世の中にはSサイズでも大きすぎるという人もいる。
服も靴もそうだ。
まだ、服は大きすぎても着用できるが、靴は大きすぎると歩いていて疲れやすい。小さいと履くことすらかなわない。
 
以前、ZOZOSUITの期待がまだ高かったころ、頼んでみたという年配のご婦人がおられたが、このご婦人はXSサイズくらいで着る物を探すのに困っていた。
ところが、ZOZOSUITでも対応できないと断られたそうで、ジャストサイズ対応とは一体何だったのかと思うほかない。(笑)
 
今のところ、はるやまもニッセンも男女の違いはあるがビッグサイズ強化というところに動いているといえる。その動きに目途がついたなら、今度はスモールサイズを強化してみてはどうだろうか。
スモールサイズの男性は、多分、スモールサイズの女性よりも着る服、履く靴に困っているのではないかと思う。
人口はそれほど多くないから、市場規模もそれほど大きくはならないと考えられるが、しかし、商品やサイズ感が気に入ってもらえるとリピート率が極めて高くなる。これはビッグサイズも同じだ。なぜなら、他店に行ったところで合うサイズがないのだから、浮気したくてもできにくいということになり、気に入ればそこのロイヤルカスタマーになる。
これは男女ともに、スモールサイズもビッグサイズも同じだろう。
マンチェスのように細く長く事業を続けることも可能になるのではないかと思う。
そういう顧客を集めるまで、消費者に認知してもらうまでは結構難しいのかもしれないが、一旦顧客化されれば高いリピート率が見込めるから、やりようによっては水商売かつレッドオーシャンである通常のアパレルビジネスよりもはるかに収益性が高まるかもしれない。
そんなことをつらつらと考えてみたのだがどうだろうか。
スモールサイズ・ビッグサイズ専門という売り方を模索してみるのも一つの手法だと思うが。
 
久しぶりにNOTEの有料記事を更新しました~
「アパレルの簡単な潰し方」
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n479cc88c6
 
クレットのビッグサイズ婦人服をどうぞ~

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