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南充浩 オフィシャルブログ

夏と冬のバーゲンの意味が年々薄れてきている

2019年1月31日 ネット通販 0

1月も今日で終わりなのだが、毎年、年始のバーゲンには必ず買い物に出かけていた。
買う物がユニクロ、ライトオン、アダストリア、ジーンズメイトの値下げ品のみであってもだ。(笑)
少し前はマンネリを打破しようとチャオパニックティピーで買ってみたり、ベネトンで買ってみたりしたが、ベネトンもすっかり店舗が少なくなって今では店舗を探す方が手間だし、チャオパニックティピーもなんだか店数が減ってるし、それほど安くもなくなってチャオパニックとどう違うのかわからない状態になっているから、結局上の4つに落ち着いてしまった。
しかし、今年の正月は買い物に出かけなかった。
理由は3つ
1、家族や親戚のことで忙しかった
2、不振と言われていても正月の商業施設は人が多くて人ごみが嫌いだから
3、12月中に目ぼしい物はだいたい買ってしまったから
である。
1と2はまあ、毎年のことなので、それでも去年までは「忙中に閑あり」を実践していろいろと時間を見つけては行ったのだが、それほどの熱意がなくなっているということである。
そしてさらに大きいのは3つ目の理由だ。
ユニクロにせよアダストリアにせよ、ジーンズメイト、ライトオンにせよ、どれもが12月中に結構な値引きセールを行っており、今秋冬物で欲しかった物のあらかたは12月時点で買ってしまった。
さらにいえば、ネット通販の利用度合いが当方も増え、事前に売り場で見たり試着したりした商品なら、大幅値引きされた時点でネットで買えば済む。
だから1月の年始に買わねばならない物、買いたい物はほとんど残っていなかったというのが実情である。
欲しい物がないのにわざわざ出かけて金を無駄に使う必要もない。それならほかのことに金を回した方が論理的で効率的だ。
そんなわけで10何年ぶりに初めて年始のバーゲンに行かない正月を過ごしてみた。
要するに
1、12月中に大幅値引きセールを行うブランドが増えた
(ユニクロやアダストリアなどのSPAは年中値下げ品が売り場にある)
 
2、ネット通販が浸透して売り場に行かなくても、ある程度は済むようになった
という二点が理由だ。
1月のバーゲン結果がどうだったのかはまだ報告されていないが、正月明けてから売り場を回ってみたが、けっこうどこのブランドショップも冬物を多数抱えている印象がある。
昨年1月・2月の大寒波に味をしめて、防寒アウターを多数入荷したブランドはその苦戦度合いが高い。大寒波なんて何年かに一度しか来ないのだから、期待する方がアホである。
柳の下の泥鰌とか、待ちぼうけとかその類と同類といえる。
ちなみに当方はネット通販を利用する時は、ユニクロやアダストリアの直営サイトか、Amazon、Yahoo!ショッピングを利用する。ZOZOは使わない。送料が200円かかるし、使う理由がない。
ユニクロに限らず御贔屓のブランドはその直営サイトで買う方が気分がいいし、価格を比べたいならAmazonやYahoo!ショッピングでも十分だ。
 
そんな状況だから冬のバーゲンは夏よりは盛り上がったのだろうが、その効果は1月6日の日曜日で終わったのではないかと見ていたら、繊研新聞にこんな記事が掲載された。
https://senken.co.jp/posts/mete-190129

冬物の動きが悪い。年初から気温が下がり、セールでマークダウンしても一向に上向かない。「これほど悪いのは記憶にない」と大手百貨店の婦人服部長が嘆く。
18年に前年を上回ったのは3、4、6、10月の4カ月だけ。年間売上高が前年を下回った最大の要因は、全体の3割を占める衣料品が3.1%減少したためだ。
 

とある。
もちろん例外的に売れている店舗やブランドもあるのだろうが、概ねこの記事の内容に近い状況ではないかと思う。
なぜ1月から気温が下がってマークダウンしても売れないかというと、その理由の一つに当方と同じで「12月に買ったから」というものがあるのではないかと思う。
これまでの12月プレセールは1月の本番セールに比べて値引き率が低かった。しかし、近年は12月のプレセールでの値引き率が高まる一方だし、ネット通販というフィールドでは、ユニクロやアダストリア以外のブランドでも年間を通じて、特に在庫品が値引き販売されている。
消費者とすれば百貨店とファッションビルに合わせて、1月と7月のバーゲンまで待つ必要がなくなっている。
別に5月でも11月でもある程度値下げされた洋服をネットで買うことが可能になっているし、各ブランドも店頭は夏冬のバーゲンに集中するが、ネットで在庫処分することも増えているから、トレンド最先端品でないと我慢ができないという少数のファッション変態以外は、それで十分になりつつあるのだろうと思う。
こうなると、店頭の売り方や見せ方、商品の作り手だけの問題だけではなくなる。
有力ブランドになればなるほど、店頭とネット通販の両方を行っており、消費者としては安い方を選びやすくなっている。ネットの在庫処分品はたしかに型落ちかもしれないが、たとえばベーシックな商品なら最新版でなくても構わないと考える人が多くても不思議ではない。
現にiPhoneだって、最新版の高いXナンチャラよりも安い型落ちの7や8の方を買う人が増えている。
7や8の機能が大きく劣るのであればそれを選択する人は少なくなるが、7や8でも十分に高機能化されているから、高いXナンチャラを無理して買う必要がないと考える人が増えても当然だといえる。
それは洋服ブランドでも同じではないかと思う。
最早、ネット通販を廃止することはできないし、12月のプレセールを今更廃止することもできない。
とすると、1月と7月の年二回バーゲンで売りつくすという売り方自体を見直す必要があるのではないかと思う。見直さずして「消費者が買ってくれない」と嘆いたところで、消費者からすると「知らんがな」でしかない。
 
 
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「アパレルの簡単な潰し方」
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n479cc88c67bf
 
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https://eventon.jp/15877/
 
 
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