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南充浩 オフィシャルブログ

伝統産業と簡易版

2012年10月19日 未分類 0

 少し前になるが、沖縄の伝統繊維産業の方とお会いする機会があった。

大雑把にまとめると、沖縄にも繊維業があり、「びんがた」という染色技法とか、芭蕉という植物の繊維で織った「芭蕉布」などがある。

で、最近だと沖縄を拠点とする洋服のブランドもパラパラと耳にする。

それなりに意見交換をさせてもらったのだが、その途中で某ブランドの話題が出た。
すると、沖縄の方から「あのブランドが行っている染色を『びんがた』だと言われると困る。あれは本物の『びんがた』ではありません」というような発言があった。

伝統産業に従事する方からするとそうだろう。
意見はすごく良く分かる。

これは沖縄だけではなく、日本全国の伝統繊維産業に共通する意見である。
「話題の○○ブランドの技法は本当の伝統技法ではない」という感じである。

個人的にも「安易な販促手段」として伝統産業の名称だけを用いることはあまり好きではない。

それでも、簡易版でも廉価版でも伝統産業の名前が広まるのはメリットもあるように思う。
理想形は「○○ブランドが広めてくれた××技法ですが、本物はこうです。本物はこんなに高額ですが、現代風にアレンジしたのがこの簡易版です」ということが周知できることだろう。

そして、残念ことは、簡易版・廉価版を用いたブランドの方が発信力が強く、伝統産業の方が圧倒的に発信力が弱い場合が多いことである。
だから、「簡易版を用いたブランド=真の伝統産業継承者」というようなイメージが出来上がってしまう。

伝統産業側としては、商品開発やデザイン開発と同時に発信力を高める必要もあるのではないだろうか。

そんなことをツラツラと考えてみたりした。

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