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南充浩 オフィシャルブログ

最高級品は見せ球で

2012年10月5日 未分類 0

 最近、都心で着物姿の女性を見かけることが以前より増えたように思う。
おそらく、浴衣が定着したことがきっかけになったのではないだろうか。

しかし、着物業界は大変厳しいという。
とくに何十万円とか何百万円とかする高級着物、高級帯の世界は壊滅的だという。

可処分所得が減少傾向にある中で、あの高価格品を買うことができる人はかなり少ない。
もちろん、伝統の技法を残すと言う意味ではあの高価格品は存続させるべきだし、ある程度の保護も必要だと思う。
しかし、それを大衆に普及させようとするのは無理がある。

着物を普及させるには、日常的に着物を着用する人が増えることがもっとも効果的だが、日常服として着用するなら超高価格帯の着物ではない。
日常で着用するなら汚れるかもしれないし、破れるかもしれない。
カレーうどんを食べたときに、汁が跳ねて黄色い染みができるかもしれない。

日常的に着用させるならある程度の廉価版が望まれる。
スーツをユニフォーム的に着用する外回りの営業マンなら、29000円とか39000円程度のスーツを数枚所有し、ローテーションで着替える方が良いだろう。

着物もそれと同じではないだろうか。

日常生活着として普及させるなら10万円以下の価格帯でないと、多くの消費者は購入しにくい。

10万円弱という価格帯について、着物業界の方からは「安すぎる」という声を聞くが、洋装の感覚で言うなら10万円は高級ゾーンである。
当然、洋装と和装は生産背景や流通システムが異なるので、一概に比べることは難しいことは承知している。

それでも、消費者の大半以上は洋装に慣れきっている。
洋装の感覚がどうしても先に立つのではないだろうか。

このギャップを埋めないと、着物の今以上の普及は難しいのではないかと思う。

10万円のダウンジャケットやコート、スーツといえば、そこそこ高級品である。
洋装だとステイタス性を確立したブランドしか売りこなせない。

ツープライススーツショップに10万円のスーツやコートを置いてもそれほど数は売れないだろう。

伝統技法による超高級品を見せ球にして、それをダウングレードした商品を普及させるという手法が必要なのではないか。

和装生地産地の方々の話を聞いて、そんなことをツラツラと考えた。

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