見た目は重要です
2012年10月3日 未分類 0
今朝、日経ビジネスオンラインで「ザクとうふ」を作った会社の社長さんのインタビューが掲載されていた。
面白いので読んでいたのだが、社長のお言葉の一部分が衣料品業界にも当てはまるのではないかと感じた。
我々はメーカーですから「製造ラインに何とかシステムを導入した」とか、「工法が違う」とか「製法が違う」「原材料が違う」とか、そういう部分ももちろんやるべきなんですけど、あんまり新鮮味ってないじゃないですか。
(中略)
お客様が「何とか製法」を求められているのかというと、それはないですよね。
出来上がったアウトプットのものがどうだというのが重要だと思っていますので。「見て分かる差別化」ができる商品を投入することが、お豆腐の売り場に光が当たるきっかけになると思うんです。
この部分である。
「ザクとうふ」「ズゴックとうふ」を生んだ相模屋の真実 「量産型」にこだわって急成長
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120928/237415/?P=1
産地製造業のオリジナル商品だとか、ジーンズブランドだとかはよく「工程」「製法」「原材料」の差別化を謳う。
その部分はこれらのブランドのキモであるから、PRされるべきだと思う。
しかし、見た目が悪ければ消費者は買わないし、他ブランドとの「見た目での差別化」ができていなければ消費者は買わない。
多くの消費者は「工程」「製法」「原材料」を買いたいわけではない。
この「ザクとうふ」もそうだが、この手の作り込んだ商材というのは、販売価格が高い。
すぐに分かる「差別化」がなければ、消費者は似たような安い物を買う。
これは自然な流れである。
最近でこそ、産地ブランドの見栄えも随分良くなっているものも増えた。
けれどもそうではない産地ブランドも依然としてある。
不得意なVMDの論を持ち出すと、
一番遠くから消費者が認識できるのが色柄で、少し近づいて形(デザイン、シルエット、フォルムなど)を認識する。
もっと近づいて素材感を認識して、最後はゼロ距離で着心地を確認する。
というのがVMDの基礎理論である。
色柄や形を無視して、「製法ガー」「工程ガー」「原材料ガー」というのは、VMDの基礎理論から言ってもまるっきり外れていることになる。
製品化を目指す産地企業があるなら、「ザクとうふ」開発のコンセプトは参考になるのではないだろうか。