15本のバラを贈る男たち
2012年9月6日 未分類 0
スティーブ・ジョブズの名言にこんなものがあるという。
「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい??
そう思った時点で君の負けだ。
ライバルが何をしようと関係ない。
その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。」
スティーブ・ジョブズ
有名な言葉なので多くの方がご存知ではないだろうか。
さて、繊維業界・アパレル業界を見まわすと、「15本のバラを贈る男」ばかりである。
ユニクロがフリースを出せばフリースを、発熱肌着を出せば発熱肌着を、と追いかける量販店各社。
「ユニクロで100万枚売れた某商品と同じ生地を売ってくれ」と頼む百貨店アパレル各社。
ジーユーが990円ジーンズを発売したら、990円以下のジーンズを発売する量販店各社。
低価格ゾーンも高価格ゾーンも「15本のバラを贈る男」が跳梁跋扈しているように見える。
これでは目新しい商品など生まれるはずもなく、繊維ファッション業界は閉塞感が漂っている。
筆者個人は閉塞感を感じているのだが、他の業界の方も感じておられるようで
先日の「ニットキッチン」元社長の奮闘記ブログでもこう書かれている。
今のアパレル業界は
ハンパない閉塞感に
みんな苛まれてしまっていますので(;´Д`)ノ
http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-11336565918.html
だいたい現在のアパレル業界はユニクロをキャッチアップ対象と見ているわけだが、ユニクロの企業規模、グループ会社を含むファーストリテイリング社の企業規模を考えると、「彼らを越える本数のバラを贈る」ことは容易ではない。
個人的な印象で例えるなら、彼らは「1000本」とか「10000本」の単位でバラを贈っている。
他のアパレルがそれを越える「2000本」とか「20000本」を贈ってしまえば破産してしまう。
だから、他のことを考えなくてはならないのだが、これがなかなか思い浮かばない。
思い浮かんだとしても実行するには大変な労力が必要となる。
しかし、アパレル各社が「ユニクロを越える本数のバラを贈る」ことにこだわっているうちは、この閉塞感は漂い続けるだろう。