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南充浩 オフィシャルブログ

アメリカ人だってガラパゴスじゃないの?

2012年7月11日 未分類 0

 お読みになった方も多いと思うが、

ZARA(ザラ)はなぜアメリカで店舗拡大できないのか?
http://dwks.cocolog-nifty.com/fashion_column/2012/07/zara-5fde.html

というブログは面白かった。
さすがによく分析されていらっしゃるという感想である。

ZARAは1989年にアメリカに進出し、20年以上が経過しているにもかかわらず、まだ46店舗。

 一方、H&Mは2000年進出以来、着実に店舗数を増やし、234店を構えます。

とのことである。

比較の数字を挙げておられるが、

日本ではZARAは74店舗、中国では101店舗
日本ではH&Mは15店舗、中国では89店舗

となっている。

アメリカでZARAが受けない理由について、文中から再構成すると

1、サイズの問題。縦は長いが横が細くて着づらい(アメリカ人的感覚で見た場合)
2、アメリカ市場では価格にお得感がない(他ブランドがもっと安いため)
3、コレクショントレンド重視の働く女性のための服となっているが、アメリカでは都心部の人口比率はそれほど   高くない
4、アメリカでは30歳を越えるとファッションにお金をかける人が激減する(2の理由ともつながる)

という感じになる。

これを読むと、改めて「各国それぞれに独自の風習や考え方があるのだなあ」と感じさせられる。

余談だが、アメリカは世界標準と思われているが、独自の文化を頑迷に守り続ける側面もあり、長さや重さ、速さで独自の単位を使い続けている。
ヨーロッパ歴史小説の有名作家に佐藤賢一さんがおられるが、彼の作品の中に「アメリカ第二次南北戦争」という近未来架空小説がある。

西欧諸国が「奇妙な風習を頑迷に守り続けるアメリカ」に対して様々な謀略を仕掛けて、第二次南北戦争を起こさせるというお話で、最終的にアメリカは5つに分裂してしまう。

これを読むと、アメリカの「独自性」が日本人にも理解しやすいのではないかと思う。

閑話休題

で、今回の齊藤孝浩さんのブログを読んで「各国それぞれのローカリズムがあっても良いよね~」との思いを強くした。海外でいくら受けてようが、日本で受け入れられないブランドがあってもそれは何一つ不思議ではないということである。
さらに付け加えるなら世界的トレンドとは相いれない日本独自のトレンドがあっても何ら不思議ではない。

よく、「日本の女性の重ね着は世界的トレンドとは異なる。だから日本はダメなんだ( ー`дー´)キリッ」という主張を耳にすることがある。
日本女性の重ね着が好きか嫌いかは別として、別に構わないではないか。なぜ、わざわざ国民的嗜好と異なる欧米トレンドに合わせる必要があるだろうか。
「でも中国は欧米トレンドに合わせている」という反論もあるが、それならそれは中国人の嗜好であり、無理やりそれに「日本人が合わせろ」というのもおかしな話である。

先日、アメリカで「ナイキ」のスニーカー、エアジョーダンが大人気で強奪犯まで出現したというニュースがあったが、日本人には到底分からない感覚である。
かつて95年に「ナイキ」のスニーカー、エアマックス95が日本でも大人気となり、追剥が現れたこともあったがそれ以来、日本ではそういう事件は起きていない。

ナイキのエアジョーダンに入れ込むのはアメリカ人だけのブームであろう。

だからといってアメリカ人に「世界のトレンドに合わせろ」と押し付けるのもおかしいし、日本人に「アメリカでのトレンドに合わせないからダメ」と押し付けるのはもっとおかしい。

別に日本でのH&Mの展開店舗数が少なくても良いし、テスコとカルフールが日本から撤退してもそれは国民性を理解しない企業側が悪いということである。

逆にいえば「ZARAを好まないアメリカ人の嗜好はガラパゴス」と言い放つことだって可能だろう。

だから日本は「日本の独自性」をもっと声高に主張しても良いと思うがいかがだろうか。

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