アメリカ村のロープライス化・チープ化が進んでいる
2012年6月29日 未分類 0
6月17日をもって、大阪・アメリカ村の商業施設「ビッグステップ」地下1階にあった「デニム研究所」が閉店した。
2009年9月のオープニングに取材した者としては寂しい限りである。
もともとは、藍布屋、正藍屋、Win&Sons、SPARK TRUE、ダニアジャパンの5社で結成した児島デニム協同組合が運営する5ブランド複合店としてスタートした。
デニム研究所の公式ホームページによると、その後「天領デニム」「The strike gold」「ENGINE LABEL」の3ブランドを加えた8ブランドの直営店として運営していたという。
現在は地元の児島店が営業中である。
(2009年オープン当初のデニム研究所)
岡山・児島はジーンズの街として知られているが、ビッグジョン、ジョンブル、ドミンゴ、ベティスミス、マエノなど古くから知られる専業アパレルのほか、先に挙げた5社を始めとする小規模ジーンズアパレルが10年ほど前から続々と生まれている。こういうアパレルが共同で店舗を展開するのは、難しい部分はあるにせよ良い試みだと考えている。
さて、2009年9月のオープン以降、何度か平日の昼間にビッグステップ店を覗いたことがあるが、かなり閑散としていた。平日昼間ということもあるのだろうが、ビッグステップ全体が常に閑散としている印象がある。
地下1階のショップスペースだが、これがかなり広い。
オープン当初の5社集まっても半分くらいしか使いきれてなかった。おそらく100坪以上あるのではないかと思う。
あまりにも面積が広すぎたことも運営が難しかったのではないだろうか。
さて、このビッグステップが位置するアメリカ村だが、2000年代半ば以降、急速に地盤沈下している。
それに伴って、ビッグステップ自体も集客力を弱めており、有力ショップが続々と転出している。
ダニアジャパンの担当者もフェイスブックで、「アメリカ村の若年層化とロープライス化は予想以上だった」とコメントされいる。
御堂筋の東側に位置するラグジュアリ―ブランドショップ群や心斎橋筋商店街に比べると雲泥の差がある。
ビッグステップ自体も1階のユナイテッドアローズとローズバッド、2階のシップス、地下1階のアーバンリサーチが転出し、その後、1階のローズバッドの跡地にアルマーニエクスチェンジが入店したとはいえ、なかなかにブランドラインナップが苦しい印象は否めない。
現在のアメリカ村には目ぼしいブランドショップがあまりない。
町全体が「バッタ屋」という印象がある。
ここに7月21日に北欧の100円雑貨ショップ「タイガー」の日本1号店がオープンするが、はたしてアメリカ村再浮上の起爆剤となるのだろうか?
プライス的にはハマるように思えるが、心斎橋筋商店街に比べると年齢層は格段に若い。
中高生から20代前半がほとんどである。
タイガー効果があるのか、ないのか注目したい。