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南充浩 オフィシャルブログ

あべのキューズモールの初年度売上高は450億円に。計画比13%増

2012年5月10日 未分類 0

 オープンから一年が経過した、あべのキューズモールの初年度年間売上高は450億円だった。
当初の売り上げ目標が400億円だったので、好調だったと言って差し支えないだろう。
計画比13%増である。

一方、来館者数は2700万人で、当初予想は1700万人、計画比59%増である。

やはりというか、大阪・天王寺地区なら当然というか、買い上げ歩留まり率が悪いのか、客単価が予想以上に低いのかである。
そうでなければ、来場者数が6割増しなのに、売上高は10%増程度で収まるはずがない。

くどいようだが、あべのキューズモールは駅前都心立地にありながら、郊外型ショッピングセンターという性格である。テナントはユニクロ、ザ・スーツカンパニー、ライトオン、イーブス、ウィゴー、チャオパニックティピー、グローバルワークなどの低価格SPAが中心で、ミドリ電機、東急ハンズ、イトーヨーカドーなどの量販店も入店している。

さて、筆者は平日の昼間にふらりと立ち寄ることがあるのだが、なかなかに賑わっている。

同じ都心でもファッションビルには平日昼間にあまりお客の姿はない。
飲食フロアには比較的入店しているが、特にファッションフロアは寂しい限りである。

筆者の見るところ、キューズモールに平日昼間に来場しているのは、近隣に住むお年寄り、専業主婦、幼児を抱えた主婦などである。夏は冷房で涼みに、冬は暖房で温まりに来ている。
天王寺地区は大阪市内で梅田、難波・心斎橋に次ぐ繁華街ではあるが、路地を一本入ると多数の住宅がある。
平日昼間の来場者はこれらの近隣住民が多いのではないか。
彼らは、イトーヨーカドーの食品売り場で購入した88円の缶ジュースと、賞味期限切れ間近で値引きされた98円の菓子パンをかじりながら談笑している。
おそらく、彼らの出費はそれだけで終わるのだろう。

キューズモールの客単価が予想以上に低いのも肯ける。

また午後4時以降は、帰宅途中の高校生の姿が増える。
天王寺地区は近隣に多数の公立・私立の高校がある。
彼らもまたジュースと菓子パン程度の買い物しかしない。コンビニで買うよりもよほど節約できるからだ。

休日は衣料品や家電など比較的単価の高い買い物をする人が増えるのだろうが、平日の消費行動はざっとこんな感じである。

近鉄百貨店阿倍野店の増床オープンが1年前倒しとなった。
当初予定では2014年春開業だったのが、2013年春となった。
1年前倒ししたということは、テナントが順調に集まったということだろうか。
社員を毎年100人単位でリストラしながら日本一高いビルを建設する必要があるとはまったく思えないのだが。

これのオープンで天王寺地区の今後の動きがどうなるのか注目したい。

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