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南充浩 オフィシャルブログ

JR大阪三越伊勢丹の不振は、どっちつかずの品ぞろえが原因では?

2012年2月29日 未分類 1

 今日は2月29日。
4年に一度しかない珍しい日である。
などと書き出してみた。

最近、話題に上ることがめっきり少ないJR大阪三越伊勢丹。
あまりに業績が良くないため、話題にするのもはばかられるのだろうか。

業績不振の原因として業界紙、一般紙ともに「伊勢丹流のディスプレイが理解されなかった」としている。
一応、これが伊勢丹側の公式見解なのだろう。

しかし、個人的にはこれは違うと感じている。
以下私見になるので、あたっている部分もあろうが、外れている部分もあるだろう。

「伊勢丹流のディスプレイ」が理解されないのは、何も大阪に限ったことではない。
新宿以外の店舗では理解されていない。そうでなければ、小倉と吉祥寺は撤退する必要がなかったし、京都店は初年度苦戦しなかったはずである。

一つにはJR大阪三越伊勢丹の苦戦の原因は人気ブランドが集められなかったことだろう。
徒歩数分の場所に大丸梅田店、阪急梅田という二大百貨店が隣接している。
大丸と阪急両方に出店しているブランドは数多くあるが、じゃあ、そのブランドが「さらに伊勢丹にも」ということになるだろうか?こんな近接した場所で3店舗同時に出店するブランドは数少ないだろう。

「大丸と阪急が圧力云々」という噂を聞くことがあるが、圧力をどうこうするより以前に、徒歩数分圏内に3店舗目をオープンしたがるブランドはそれほど多くはないはずである。

次に、大阪で「三越」と言えば、北浜にあった三越を思い出す消費者は多い。
北浜の三越を愛用していた消費者というと今は65歳以上である。
JR大阪三越伊勢丹の内覧会にも出席した。
その当日、業界関係者とマスコミ以外に、一般の上得意顧客も多数招待されていた。
これは推測だが、おそらく、北浜三越で保管されていた顧客名簿を使ったのだろう。
上得意客の多くが65歳以上と見える老年層だった。

完成したJR大阪三越伊勢丹の内部を見ると、若い層にとってはコンサバすぎるし、
旧北浜三越の顧客である65歳以上にとっては若すぎる。

隣に同じJR西日本グループのファッションビル「ルクア」があり、こちらは20代~40代までをターゲットとして、若い層に人気のあるブランドを集めている。
そのため、三越伊勢丹がトレンドブランドを集めても仕方がない。

ややコンサバ寄りのブランド集積となるのは自然の成り行きである。
しかし、旧北浜三越の上得意客には「若すぎる、トレンドすぎる」品ぞろえとなってしまった印象がある。
極言すればJR大阪三越伊勢丹の品ぞろえは、若向きでも老年向きでもないどっちつかずのブランドを集積したものであると感じる。

どっちつかずの品ぞろえは、当然、どっちの層からも相手にされない。
JR大阪三越伊勢丹の苦戦はそういうことではないだろうか。

さて、じゃあ、結果論だが、
旧北浜三越の顧客名簿を基に販促活動を行うのであれば、もっと老年向きの品ぞろえにしても良かったのではないだろうか。
繰り返すがあくまでも結果論である。

東京の大森に老年向け商品を集積して大成功をおさめているダイシン百貨店がある。
シルバー向けブランドのみを扱っており、近隣の老人はこぞって買い物をするという。
また三越日本橋店も富裕な老年層の顧客が多い。
お盆前に行くと、「回り灯篭」が催事場で販売されていることがある。

JR大阪三越伊勢丹は、ここまで老年層に特化しても良かったのではないか?

もうすぐ開業1年である。
次年度以降に向けて大幅にテコ入れを考えているはずだ。
「人気のトレンドブランドを集積して」とか「伊勢丹流のファッションをさらに純化させて」とか考えているならおそらく失敗するだろう。

個人的には、催事場で「回り灯篭」を販売するくらいの決断が必要なのではないかと思う。

 comment
  • yuiplanning より: 2012/02/29(水) 2:24 PM

    品揃えやターゲットの中途半端というご指摘ですが、
    それよりもっと高い要因があると思います。それは
    ■建物構造ですね。
    ①食品はターミナル立地の百貨店に重要な惣菜・菓子売場の
     中央にESや階段設備があり、売場が分断につぐ分断です。
    ②婦人・婦人服飾雑貨は南に面積確保がとれず
     海岸線の長い売場づくり。これは失敗例が多いです。
    ③さらに、その肝心な婦人服のフロアの中央に吹き抜けと
     あの具現化するには難し過ぎた”マインドアーチ”
    これが決定的に阻害要因になっていると分析しています。
    たとえば南に深い売場面積が確保できているメンズは、
    リッチ層とお洒落な若い世代を獲得でき、上層階にあるにも
    かかわらず、唯一好調部門です。
    婦人も、ミセスのフロアは吹き抜けがなく、南に面積もあり
    同様に婦人服の中では好調です。
    ターミナル立地の百貨店にとって一番大切な部門である
    食品と婦人服、婦人服飾雑貨の3部門の決定的欠陥は
    MDやターゲット戦略だけではカバーできないとみています。

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