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南充浩 オフィシャルブログ

高野口産地は「エコファー」ブームに便乗してしまえ

2012年2月28日 未分類 0

 最近欧米からのインポートブランドの展示会で、フェイクファーを使っているアイテムをよく目にする。

一つには原皮の価格が上がっているのかもしれないし、そのほかには欧米で動物愛護の機運が高まっているからかもしれない。もしくはその両方なのだろうか。

リアルファー使いを見かけることが少なくなってきたように感じる。

もっともファッショナブルな分野は苦手な筆者なので、インポートブランドと言ってもそれほど高級・ハイセンスなブランドの展示会にお呼ばれすることは少ない。
もう少しデイリーユースなカジュアルブランドが多いのだが、価格帯で言えば、それでもユニクロを遥かに超える価格帯である。
フェイクファーのブルゾンでだいたい2万円~5万円というブランドが多い。

マルシェ交流会 005

マルシェ交流会 006

マルシェ交流会 007

(フェイクファー、否「エコファー」使いブルゾンあれこれ)

そういう状況で、筆者は「これは高野口産地のチャーーーンスやんか」とほくそ笑んでいる。
うむ。展示会に気味が悪いオッサンが紛れ込んでいるようだ。

ご存知の方も多いが、和歌山県の高野山のふもとにある産地を「高野口産地」という。
毛足の長い織物・編物を得意としており、総称して「カットパイル」という。
カットパイルの一つにフェイクファーが含まれている。

国内産地のご多聞にもれず、高野口産地のフェイクファーは価格が高い。
ロットにもよるだろうが、1メートルで最低でも1500円はする。
しかし、面白い物が数多くある。

見た目が本物そっくりに再現されているフェイクファーや、ウール100%やアルパカなどの獣毛を使っているフェイクファー、逆にリアルファーではありえないようなビビッドなカラーリングのフェイクファー、先日このブログでもお伝えした発熱素材を使った機能性フェイクファーなど多彩である。

昨今、欧米では動物愛護運動の高まりから、高級ブランドがわざとフェイクファーを使用する例が増えつつある。
「フェイク」ではニセモノ臭いので、そういう場合は「エコファー」と名乗っていることが多い。

筆者が高野口産地に提案したいのは「この機運に便乗してしまえっ!」である。

筆者が見る限り、欧米ブランドで使用されているフェイクファーは手触り・見た目ともにチープ感を克服できていない印象がある。生地の値段は欧米ブランドが使用している方が安いのだろうが、高野口産地の素材の方が手触り・見た目ともに圧勝しているケースが多い。

高野口産地にネックがあるなら「価格が高い」ところだろうか。

その高価格をある程度吸収できるような高級ブランドに売り込めばどうかと思う。
しかし、往々にして高級ブランドも価格にシビアだったりするので、生半可なことでは突破できないのかもしれない。

しかし、筆者はこの機運を利用しないのはもったいないと思うのだ。
まさに「モッタイナイ」の思想である。

で、こういうことは待っていてもブームは起きないし、生地の買い付けも生まれない。
自らが動いて仕掛ける必要がある。

ついでにいうと、ファーを使ったアイテムは毎年一定量は流通するが、ファーブームというのは何年かに一度しか来ない。今を逃すと、ブームは何年後に来るかわからない。
便乗しない手はない。

高野口産地の皆さんには迅速に、そして苛烈に激烈に仕掛けてもらいたいと願う次第である。

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