地力が高まったライトオン
2012年2月23日 未分類 0
恒例のライトオンとジーンズメイトの2月度売上速報が発表されたのでまとめる。
ライトオンは
既存店売上高が前年比10・9%増
既存店客数が同11・2%増
既存店客単価が同0・3%減
ジーンズメイトは
既存店売上高が前年比11・2%減
既存店客数が同21・8%減
既存店客単価が同13・7%増
だった。
ライトオンの数字で特筆すべきは、やはり既存店客数の増加だろう。
もともと流通小売り業では「ニッパチ」という言葉があるくらい、2月と8月は販売力の落ちる月である。
とくにセールが早まってからは、冬は1月10日ごろまで、夏は7月半ばまでで完全に消費が止まる。
1月半ばから2月末まで小売り店は非常に寂しい売上高で耐え忍ばねばならない。
「春物を早く立ち上げれば良い」という処方箋を提案する方もいらっしゃるが、これはブランド力によって大きく成否が左右される。
ステイタス性の高いブランドなら、「体感気温に左右されない」顧客がそれなりに付いているが、
ステイタス性が低く、デイリーユース的なブランドであるなら顧客の大部分は体感温度に左右される。
デイリーユースブランドの多くの顧客は
「寒くなったから防寒を買う」「暑くなったから半袖を買う」という人が多い。
したがって1月末や2月頭に春物や夏物を立ち上げたとしても「見てる方が寒なるわ~」という一言で片づけられてしまう。
筆者は以前、イズミヤの子会社で、量販店内でテナントショップを展開する会社で販売員をしていたことがあるのだが、1月20日ごろに冬物をすべて引き上げて、春夏物に切り替えたことがある。
その際、自店の売上高が激減した。
もっとも寒さの厳しいときに、春夏物ばかりになった店頭に、お客は興味を示さなかった。
これが量販店のテナントではなく、ステイタス性のそこそこに高いブランドショップなら話は変わっていたのかもしれない。
しかし、量販店でデイリーユースなカジュアルを買う消費者は、体感温度に大きく左右されることを痛感した。
さて、このもっとも売れない2月に、客数を伸ばしているライトオンはまさに回復傾向が顕著であり、その地力の高さが証明されたのではないだろうか。
ちなみに昨年の2月度も既存店売上高は前年比3・4%増、既存店客数は同1・2%減だから、
苦戦した一昨年よりも着実に実績を回復させている。
消費者のライトオン支持はますます強まっていると感じられる。