インターネットの使い方にも上手い下手がある
2011年12月21日 未分類 0
販促に関して、インターネットが欠かせないツールであるのは、世間的に常識として認知されていると思う。
個人事務所みたいな企業であっても、業務内容と連絡先を載せたホームページはあった方が良いし、具体的な商品内容もウェブ上で見せた方が良い。
物販に関してもそうである。
しかし、物販では、ただ単にホームページがあれば良い物でもないし、「○○%オフ」とか「○○イベント開催」などという言葉だけの告知を何度繰り返してもあまり効果がない。
衣料品は最終的に直接着たり、触ったりしてもらわないと真価がわからない。
先日、別ページの記事に書いたが、「キャサリン・ハムネット・ロンドン」の消費者参加型受注イベントは、インターネットを使って、上手く実際の商品に誘導できていると感じる。
消費者向けにITソーシャルネットワークを駆使
展示受注会の新しいあり方
「キャサリン・ハムネット・ロンドン」
http://www.apparel-mag.com/abm_trend_1111_it.html
文中にもあるように、このイベントは、フェイスブック上で消費者に展示受注会への参加を呼び掛け、抽選で無料招待する。そのほかには、各店舗の優良顧客を無料招待して、本社スタッフと店舗スタッフがそれぞれもてなすという趣向であり、飲食をしてもらいながら、その場で新作を受注してもらうというシステムである。
飲食はもちろん無料で、夕方5時以降はお酒も供出される。
昼間はバイヤー向けの普通の展示会だが、夕方5時以降は一般消費者向けの展示受注会である。
招待された一般消費者はなかなか熱心で、2時間・3時間かけて商品を吟味する人はざらにおり、並みのバイヤーなど足元にも及ばない。
また会場内で様子を見ていると、本社スタッフや店舗スタッフと、一般消費者の距離がかなり近づいており、友達に相談する感覚で商品のことを尋ねていた姿が印象的だった。
正直に言うと、このイベントに初めて招待していただいた昨年12月の時点では、「なんやよくわからんなあ~」というのが感想だった。それでもスタッフの方は懲りずに筆者を招待し続けて下さった。
今回ので5回目となる。
5回も継続できているということは、このイベントが売上高に好影響を与えていると会社側も判断したのだろう。
筆者のような零細事業主からすると、この飲食にかかる費用は相当に大きい。
しかし、一般のマスコミに広告を掲載するよりはるかに安いし、またその場での受注がある程度は見込める。
反応があるかないかわからない広告を掲載するよりも、売れ筋も見極められるし、商品ごとの手ごたえも感じ取れるため、遥かに効率が良い。
そして呼び込みはインターネットを介してなので、無料である。
まともな企業からすると、ひどく効率が良い。
デジタルを通して、アナログな実物の服に導くと言う手法である。
似たようなイベントはいくつかは開催されているが、まだまだ少ない。
他のブランドももっと積極的に採り入れても良いのではないだろうか。
ついでに書いてしまうと、
先日、ネット上で「○○ブランドが20%オフ」「25日までクリスマスセール開催」という呼び込みの言葉を見た。
しかし、残念ながらそのホームページで、商品ラインナップを見ることができなかった。
なぜなら、商品ラインナップを掲載していないから。
「○○ブランド」にどんなラインナップがあるかも、クリスマスセールにどんな商品が出ているのかも店舗に行かなくては分からない。
これが「キャサリン・ハムネット・ロンドン」のような無料パーティーでもあれば消費者は店舗まで足を運ぶだろうが、このままではセールの告知は「言いっぱなし」で終わってしまう。
実にもったいないと思う。
インターネットの重要性は各企業も理解はしているが、その理解度の深さはマチマチで、あまり効果的に仕えていない企業も多く見受けられる。