定着期に移行したナチュラル系
2011年10月21日 未分類 0
「雲ガール」という言葉を流行らせようとして、広告代理店だか仕掛け人だかがゴリ押ししている感じがするので非常に不快である。
「○○ガール」「○○女子」「○○男子」という用語を次々と生み出してはいるものの、大半は定着せずに消え去っている。最たる例は「弁当男子」「パパ男子」あたりだろう。
ファッションの世界で一番最初に注目されたのは「森ガール」だが、最近はこの用語もさっぱり聞かない。服装で見ても「森ガール」スタイルそのままの女性はあまり見かけない。そのテイストをどこかに採り入れたスタイル全般が「ナチュラル系」として集約されたように思える。
さて、その「ナチュラル系ファッション」なのだが、ジャンルのひとつとして定着した感じがあるが、ブームは過ぎ去ったのではないか。
なぜそのように考えるかというと、廉価版ブランドが続々と参入しているからである。
その代表例は「無印良品」だろう。
ユニクロよりもナチュラルテイストの強い無印良品は、ナチュラル系カジュアルの最廉価版だと捉えている。
カットソーで1900~2900円が主力となる。
また今春からジーンズメイトが新業態として開始したレディースショップ「ブルーベルマーケット」も規模は小さいが廉価版の一つに数えても良いだろう。
他社ブランドの仕入れ品もあるが、オリジナルのカットソー類は2900~3900円くらいである。
(ドミンゴの「ブロカント」)
(ジーンズメイトの新業態「ブルーベルマーケット」)
こういう廉価版が拡大するとそのブームは終焉を迎え、定着期に移行する。
稀に廉価版の登場でブームが終わり、そのまま消え去るファッションもあるが、ナチュラル系はこのまま定着すると見ている。
なぜなら、ナチュラル系は幅広い層の女性が着用できるからである。
10代後半~50代、60代の女性が着用が可能だ。
年配の女性が10代、20代と同じ服装をすると違和感を感じることが多い。
セクシー系や109系の服はその代表選手として挙げられるだろう。
セクシー系や109系ファッションに身を包んだ50歳前後の化け物みたいなオバチャンを天王寺界隈で目にすることがあるが、正直「オエっ」となる。
しかし、ナチュラル系は50代でも60代でも違和感がない。
むしろ、お洒落な年配の方という印象がある。
10年来の付き合いのあるデザイナーさんによると
ナチュラル系ファッション雑誌がここ数年で雨後のタケノコのように創刊され、一時期は大型書店でも「ナチュラル系コーナー」が作られていたが、昨年あたりからコーナーを目にしなくなったという。
ナチュリラ、リンネル、クウネルあたりまでは認識しているが、よくわからない類似雑誌もその後続々と創刊されており、そのどれもこれもが同じに見える。
雑誌名はちがうものの、表紙のデザインや誌面のレイアウトはどれもが似ている。
さらにナチュラル系ファッションが一般層に広がるに従って、広告出稿しているのは廉価版ブランドばかりになっている。
これらの影響で、雑誌販売部数にも陰りが出て、専用コーナーがなくなったのではないだろうか。
コーナーが無くなったということはブームとしてはピークアウトしたということになる。
これから年配層にさらに広がりを見せ、定着化するだろう。
しかし、ナチュラル系の服装をしたオバちゃんが増えるのことは歓迎したい。
何十年も勘違いしたままセクシー系やカワイイ系に身を包んだオバちゃん達の数が減るのだから。