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南充浩 オフィシャルブログ

助成金・補助金で一息吐こうとする繊維産地の姿勢は間違っている

2011年8月30日 未分類 0

 普段、生地メーカーや産地側に立っての記事が多いが、今日は、産地側にNGを出してみたい。

生地メーカーや染色工場、整理加工場などの製造業が集積している場所を産地というが、
安価な製造が可能な、中国をはじめとするアジア各国に押されて疲弊している。
300件も倒産した産地もある。

最近では、行政が助成金や補助金で支援して、自立化や海外進出を目指させる事業が増えている。
行政の助成金や補助金は様々な形態があり、単年度の物もあれば、例えば3年という複数年に跨るものもある。

さて、先日、某産地が申請した複数年の助成金が認可を受けた。
当然、今年だけではなく来年以降の活動の詳細をある程度決めなくてはならない。複数年の認可を受けても毎年事業計画は提出しないといけないので、年々その内容は変わる。今からすべての計画を立てる必要はない。
しかし、この産地はどうやら来年以降の活動を継続するつもりがないらしい。今年の助成金をもらえばそれで良いというスタンスだ。

これでは、助成金詐欺に等しいのではないかと思う。

よく耳にするが、助成金目当てのコンサルが数多く存在し、助成金申請を手伝ってその上前をハネるという。
これも許し難い行為ではあるが、個人の活動である。この個人の心情が間違っているだけのことであり、大多数の方々が悪いわけではない。
しかし、今回は産地である。複数の企業がその企みに乗っかっている。不心得な個人が勝手に引き起こしたものではないだけに、罪も深いと思う。

もちろん、産地企業各社のおかれた苦しい立場は理解できるが、一時しのぎに今年だけの助成金を掠め取ったところでどれほどの利益になるのだろうか。まったく発展性がない。
それならいっそのこと廃業して工場を売れば良い。土地付きであれば最低でも何百万円かでは売れるだろう。
先日、経営破綻したワイキューブの安田佳生社長は、その著書「千円札は拾うな」の中で、先祖代々の斜陽家業を夜も寝ないで守り抜こうとして、疲労困憊した友人に「それなら廃業して違う商売を始めれば良い」とアドバイスしたことが記されているが、まさにその通りである。

一時しのぎで助成金を手にしたところで、来年以降はどうするのか?
日本の繊維産地を巡る状況は悪化することはあっても良くなることはない。

こういう助成金詐欺、補助金詐欺のような案件を今後は一切許してはならない。

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