格安のオーガニックコットン製品はありえない
2010年10月29日 未分類 1
「オーガニックコットン」と銘打った商品にものすごく高い物と、かなりお安い物が存在する。それもあってオーガニックコットンというものにかなり不信感を抱いている。
農薬も化学肥料も使わずに栽培した綿をオーガニックコットンと呼ぶ。しかし、綿花栽培農家が、いきなり来年から「農薬も化学肥料も使用を止める」と決心して栽培してもそれは「オーガニックコットン」と呼べない。オーガニックコットンと呼ばれるまでには無農薬・無化学肥料栽培を3年継続しなくてはならないからだ。3年経過して初めて「オーガニックコットン」と呼ばれるようになる。
こうして見ると、オーガニックコットンに移行するまでかなりの時間と労力が必要であり、たとえTシャツとはいえ、2900円程度で販売できるはずがない。オーガニックコットンのTシャツが1万円の値段をつけていても不思議ではない。しかし、現状ではオーガニックコットンと銘打った商品で2900円程度の物が多数存在する。
例えば無印良品で販売されている。
なぜ無印良品がそんなに低価格で販売できるかといえば、100%オーガニックコットン使用ではなく、10%とか20%だけ配合しているからである。
通常、オーガニックコットンは肌触りが良く、アトピー性皮膚炎にも効果があると言われているが、10%だけ配合されたTシャツにその効果はない。商品タグに「オーガニックコットン」と書きたいがためのセールスプロモーションに過ぎない。そもそも10%や20%配合した程度で「オーガニックコットン」と書いても良いのか?という問題がある。
表記にもっと厳重なルールが必要ではないのかという議論も実際にある。
幸いにしてアトピー性皮膚炎を患っていない自分は、通常のコットンで十分なのでオーガニックコットンに対するニーズがない。さらに言えば、オーガニックコットン製品のカラーバリエーションの少なさも興味を抱けない理由の一つとなっている。
通常、ベージュ、薄緑、薄茶の3色のラインナップであるが、これは綿の色そのままである場合が多い。
赤や黒、オレンジ、パープルなどに染色すれば良いじゃないかと思うのだがそれではダメらしい。なぜなら通常の染料には化学物質が含まれており、それで染色するとオーガニックコットンの効果がなくなるためだ。ただ、天然の草木染めや100%天然成分の柿渋染めなどは、化学物質が含まれていないので、染色してもオーガニックコットンの効果がある。
しかしややこしいのが、黒や紺に染められた物でも「オーガニックコットン」と謳われているし、草木染め・柿渋染めと書かれていても化学物質を配合して使われている場合もある。いずれも極端に安い価格が付けられていたら要注意である。
上記のような要因が相まってますますオーガニックコットンへの胡散臭さが醸し出されているともいえる。
これはアパレルに限ったことではないのかもしれないのだが「言うた者勝ち」みたいな風潮はなんとかならないのだろうか?
表参道で表にオーガニックと書いてある洋服屋があったので、入ってたずねてみたところ、同様に一部オーガニックコットンを使用しているとのことでした。100%オーガニックによる衣類は、内容そのものよりも営業用語やバズワードとして先行していると私は認識しています。