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南充浩 オフィシャルブログ

ネット通販で服を買うときの生地と型紙の重要性

2018年1月10日 ネット通販 0

アパレル業界の新たな販路としてEC/ネット通販が注目を集めていることは言うまでもないが、実際にEC/ネット通販を論じているエライ人の多くはネット通販で服を買っていないように見える。
もちろん、実際に購入して論じている人もいるが、それのほとんどは若い世代に限られているように見えるし、いわゆるベテランのエライ人の論調には自分で買い物をしたという体験が微塵もにじみ出ていないものが多い。
そんなレベルの人の指摘やら指導をありがたがって受けているアパレル企業の経営陣はやっぱりアホなんだろうと思う。
そういう経営陣も自分がネット通販で触ったこともないのだろう。
アパレル業界には笑い話みたいなことが実際にたびたび起きる。
例えば、社員にEメールアドレスも与えずにファックスと電話のみで仕事をさせているくせに、あまり売れていないとはいえ、形ばかりのネット通販を行っているアパレルもある。
これが実話なのだから下手な漫才やコントよりも面白い
それはさておき。
毎年、正月バーゲンは貧乏ながらも幾点か服を買う(もちろん値下げ品を。定価商品は絶対に買わない)が、今年の正月はネット通販で買ってみた。
理由はくだらないことだが2つある。
1、ネット通販の利用頻度を高めてみようという実験
2、人ごみが嫌いなこと
この2つである。
個人的には他人はすべて嫌いなので、駅でも街でも商業施設でも電車でも混雑しているところは漏れなく嫌いだ。
そして、正月は毎年、どれほど景気が悪くてもそれなりにどこも混雑している。
今まではネット通販が発達していなかったので、人ごみを我慢しながら店舗に行ってバーゲン品を買っていたが、今年は一念発起してネット通販を利用してみようと思った。
ネット通販は2016年頃から毎月1度くらいは使うようになったが、何度も書いているように、ガンダムのプラモデルとパソコン回りの備品や日用消耗品がほとんどで、衣料品を買ったことはほとんどない。
グンゼの肌着と靴下とかユニクロの商品とか、比較的サイズ感が必要ない物、もしくは、以前に試着したことのある商品に限られていた。
ZOZOSUITが発表されてから(一部の有名人以外には誰の手元にも届いていない)サイズというものが改めて脚光を浴びているが、洋服を買い慣れている人間からすると、ある程度の自分の体のサイズは把握しているので、取り立ててZOZOSUITは必要ないと感じられる。
洋服が取り立てて好きとは言えない当方だが、買う枚数は多いので、それなりに自分の体のサイズは把握しているつもりである。
だから今回は試着したことのない商品やサイズ感が必要になる商品を買ってみようと思った。
もちろん狙うは格安値下げ品である。
2017年には靴のネット通販での購入も何度か試してみた。
これは一切試着せずにサイズ表記とレビューの書き込みだけで推測しながら買うという行為で、当方からするとイチかバチかの賭けだったのだが、いずれもぴったりのサイズだった。(くどいようだが格安品)
だから、当方にはその成功体験における慢心があった。
ZOZOTOWNは会員登録すらしていないので選択肢から外れる。
AmazonとYahoo!ショッピングを見て回ったが、結局はAmazonで2点買おうと思った。
1つは、コーエンの中綿入りバルカラーコート、もう1つはパーフェクトスーツファクトリーのウール30%・ポリエステル70%のスーツである。
結果的にはこの2点の買い物は大失敗で、理由はサイズが合わないためだ。
サイズの重要性を再認識することになった。
コーエンの中綿入りコートは定価10800円が6480円に値下がりしていた。購入後5148円に再値下げされている。
素材は表地が綿65%・ナイロン35%、裏地がポリエステル100%、中綿はポリエステル100%。
袖がラグランスリーブになっている。

 
 

サイズ表記は、例えばMだと、着丈94センチ・身幅57・5センチ・ゆき(裄丈)85センチ となっている。
この表記のみを元にMを買ってみた。

 
 
結果をいうと、身幅と袖丈は問題なかったが、肩幅が狭すぎた。
当方は大した運動もしていないのに、もともと骨格ががっしりしていて肩幅が広く胸が厚い。
極めて迷惑な体型である。
Amazonのこの表記だと肩幅は表記されていないからわからない。
これが失敗の原因の1つといえる。
パーフェクトスーツファクトリーのスーツはなんと、定価20520円が9234円にまで値下がりしている。

 

ツープライススーツブランドなのでサイズ表記はA6とかA7とはY7とかそういう表記しかない。
かろうじてあるとするとウエストがセンチ表記されている程度で、あとはすべて一律でサイズ展開されている。
もし、体格に合うなら、ツープライススーツこそネット通販で買いやすいのではないかと思う。
これも結果をいうと、ズボンのウエストは問題なかったが、ジャケットの肩幅が小さすぎた。
当方は手が短いから袖丈はぴったりだったが、タイトシルエットなスーツなので肩幅が小さく、アームホールのパターンどりもなんだかおかしく、手が上がりにくい。実際に着用したら電車でつり革を持つのにも一苦労しただろう。
さらにいうと、生地がノンストレッチなため、さらに動きにくさが加わっていた。
そのうえ、生地の表記はウール30%・ポリエステル70%のみで、総裏なのか背抜きかすらも表記されていない。
実物は背抜きだったのだが、スーツを売るのにその表記がないのはAmazonの怠慢としか言いようがない。

 
ちなみにZOZOTOWNで買うつもりはないが、覗いてみると、独自の採寸によってジャケットだと、着丈・身幅・肩幅・袖丈の4つを表示している。この辺りは流石といえる。
サイズ表記に関してAmazonの取り組みは甘すぎる。
この程度の甘さでAmazonがファッション衣料を強化すると言っているのだからお笑い種だ。
さらにもう一つ重要なのは、素材とパターンだ。
こればかりはどれほど技術が進歩しても画像だけでは確かめようがない。
コーエンのコートは、生地が厚手でおまけに中綿の入りも厚かった。
となると、実際に表記されているサイズ感よりは小さくなってしまう。
またパーフェクトスーツファクトリーのスーツは、一度書いたようにノンストレッチ生地で意外に厚手なため、ぴったりしすぎると動きにくくなる。さらに、袖の付け方がどうにもおかしくて、腕がひどく上げづらい。
この部分はいかに技術が進歩しようと解消はできない。
逆にいうと、生地の質感とパターンは洋服にとっては非常に重要で購買を左右してしまうということを再認識した。
しかし、ZOZOTOWNよりもAmazonの方が使いやすいのは、この2つの商品は未使用で30日以内なら返品交換が無料だというところだ。
今回初めて返品をしてみた。
返品理由を書いてウェブで送り、バーコードをプリントアウトしてから同梱して集配所に持ち込む。
そして着払いで送る。
このとき返送料が無料になるというところがAmazonを当方が利用する理由だ。
もちろん、2000円以上で送料も無料になっている。
個人的にはZOZOTOWNに200円は絶対に払いたくない。
多くの識者が論じているように、この送料無料が宅配業者を圧迫しているということは周知の事実だ。しかし、消費者利益の視点から考えれば、送料無料で指定された物は返送料も無料になる(Amazonの着払い)というのは、非常に魅力的で、利用者が減らないということは大いに理解できる。
宅配業に関わらない人間からすると、送料無料とか返送料無料(通販業者持ち)を利用するのは当たり前だ。
消費者利益と宅配業者の状況をどうすり合わせるかが今後の課題になることは言うまでもないが、当方は送料無料の利用をやめるつもりは全くない。

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ウィゴーの筆頭株主が4か月で変更に
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