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南充浩 オフィシャルブログ

スーパークールビズのデメリットに目から鱗が落ちる

2011年7月25日 未分類 0

 今まで、快適性や効率面からスーパークールビズの推進について賛同するブログを書いてきたが、先日、東洋経済オンラインにブランド側が抱えるスーパークールビズの問題点をまとめた記事が掲載された。
恥ずかしながら、自分の中でこの観点は抜け落ちていた部分であり、目からウロコが落ちる思いだった。

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(はるやま商事のSAVE BIZのイラストより)

紳士服店には両刃の剣 スーパークールビズ旋風
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/d8ba0d4f16f3b45833cd949fa6b43c24/

本文は長文なので、件の個所を抜粋引用したい。

環境省が提唱したスーパークールビズ期間は、5月から10月末まで。開始月と終了月をそれぞれひと月分延ばした。毎年スーツ販売が通常の水準に戻る10月も含まれており、秋のスーツ販売にも影を落としそうだ。さらに来年以降も電力不足が続き、こうした動きが通年化した場合、結果的にスーツが着用される期間は短くなる。

 一般的にスーツは、汗などで濡れた状態での摩擦に弱い。スーパークールビズの浸透でスーツを着る機会が減り、摩耗が抑制されると、当然ながら買い替え頻度も低下。年間の販売量に影響を与える可能性も考えられよう。

 スーパークールビズ商品とスーツとの単価の差が大きいことも課題だ。中心価格帯が3万~4万円台のスーツに対し、シャツは1枚3000~4000円程度。シャツやスラックスなどでスーツと同じ利益の絶対額を稼ぐには、「何倍も売らなければならない」(大手紳士服専門店)。

 確かに目先では、売り上げ増に貢献しているスーパークールビズ。が、事は日本人の生活習慣にも絡むため、業界にとって追い風となるか逆風となるか、予断を許さない。「スーパークールビズ元年」は、紳士服専門店の存在意義を改めて問うている。

とのことである。

現在、紳士服売り場はスーパークールビズが商況を牽引しており、
例年よりも好調に推移している。これは、青山やアオキだけではなく百貨店も同じである。
しかし、上に引用したように、秋以降のスーツの販売数は一転して減る可能性が高い。

さらに来年以降も電力供給は回復しない可能性が高く、スーパークールビズの流れは、最低でも何年間か続く。
そうなると、年間のスーツ販売数量は間違いなく減る。
記事でも述べられているが、いくらスーツが値崩れしているとはいえ、通常3万~4万円が中心価格であり、シャツやポロシャツはせいぜいが数千円だ。スーツと比べると圧倒的に安い。
これでは、シャツやポロシャツの販売枚数が伸びても、紳士服店の売上高は下がることとなる。

そして、手持ちのスーツの着用回数が減ることで、スーツの傷みも軽減され、買い替え需要も減ることになる。

さて、この対策であるが、容易に考えが浮かばない。

一つは、ビジネスも年間軽装化すると考えて、カジュアルアイテムを強化することが良いのではないか。
青山商事はすでに「ザ・スーツカンパニー」で売り場の半分くらいをカジュアル単品アイテム化している。
またAOKIも「ORIHICA(オリヒカ)」というスーツ&カジュアルショップを展開している。
この2社は既存路線の拡大で、対応できるのではないだろうか。

はるやま商事は「PSFA(パーフェクトスーツファクトリー)」、コナカは「スーツセレクト」というツープライススーツショップを展開しているが、正直に言えば、カジュアルアイテムが弱い。スーツ需要が減れば苦戦を強いられるであろう。

スーツの買い替え需要減少に対応する措置として、「傷みやすい」生地を使ってみてはどうか?
「傷みやすい」というと語弊があるが、決して粗悪品を使うのではなく、逆に高級素材を今以上に採用するのである。
以前にも書いたことがあるが、スーツ用の毛織物素材は、高級になればなるほど細番手のウールで織られており、薄く柔らかいが、耐久性がない。
「スーパー100」とか「スーパー120」、「スーパー150」という超細番手のウールで織られた生地は高級だが、弱い。ちなみに「スーパー○○」という上の素材は、数字が大きければ大きいほど細い糸が使われており、手触りは滑らかになるが、その分耐久性がなくなる。

ツープライススーツショップで販売しているスーツの29800円以上の商品のすべてを超細番手ウール素材に切り替える。そうすれば、着用回数が減っても摩耗しやすく、すぐに買い替えが必要となる。
また消費者へも「高級素材使用」を大々的にアピールしやすくなる。

安値で高級素材使用の商品が手に入るので、消費者にとっても悪くない話だと思うのだが。

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