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南充浩 オフィシャルブログ

年間8000万枚を製造する縫製企業マツオカコーポレーションが上場

2017年12月14日 メディア 0

地味であまり業界人も注目しておらず、SNS上でも拡散されていないが、WWDの
縫製の巨人マツオカコーポが東証一部に上場、ベールに包まれてきた事業内容が明らかに
https://www.wwdjapan.com/519875

という記事に注目した。
この記事を素直に評価したい。
当方は縫製業にうとく、国内の縫製工場をいくつか見学したことはあるが、その程度の経験と知識しかない。
縫製業自身もあまりメディアには登場せず、業界紙にすらめったに登場しない。
それゆえに、同業者や縫製業に詳しい人以外には、実態があまり知られていない。
マツオカコーポレーションも当方はその社名は知っていたものの、実態はほとんど知らなかった。
こういう記事は勉強になる。
今回はほとんど当方の勉強のための転記みたいな内容になりそうなので、めんどくさい人は読まない方が良いかもしれない。

日本最大手の縫製企業で、広島県福山市に本社を置くマツオカコーポレーションが13日、東証一部に上場した。カジュアルウエアの縫製からスタートした同社は現在、中国、バングラデシュ、ミャンマーなどに縫製工場を持ち、従業員数は約1万人、年間の生産量は約8000万枚の巨大な縫製企業グループだ。

とのことで、

上場目論見書によるとマツオカコーポ―レーションは、直接あるいは間接的に、売上高の7割を「ユニクロ(UNIQLO)」を中心にしたファーストリテイリング向けが占めており、ファーストリテイリングは2.89%を出資する大株主として名を連ねている。主力工場は3万8470平方メートルの土地に従業員数約4000人を抱えるバングラデシュで、現在は約20億円を投じ、月産200万枚にまで生産能力を増力中だ。
この数年は減収傾向が続いてきたが、2018年3月期は売上高が前期比9.7%増の567億円、営業利益が同12.7%減の36億円、経常利益は同5.3%減の38億円、純利益は同0.5%増の25億円を見込んでいる。自己資本比率は9月末で総資産388億円に対し純資産168億円で39.5%、売上高営業利益率6.3%と、ファイナンスや利益率の低さが構造的な課題として指摘されることの多い日本の縫製企業の中で高水準になっている。

とある。
国内で苦戦する縫製工場が多い中で、いち早くアジアへ進出してグローバル化に成功しつつある。
同社のウェブサイト(ホームページとは言わないww)の会社概要によると、

1956 株式会社松岡呉服店 従業員10人
資本金100万円 縫製業を始める

とあり、その後、90年に中国へ進出し、98年に国内工場を閉鎖している。
多くの工場が、95年ごろから中国進出を本格化させていったが、それよりも一足早く中国へ進出している。
記事中に、売上高の7割がファーストリテイリング中心だと書いてある部分があり、そこに対しては「過度に依存していて大丈夫なのかな?」と一抹の不安を感じる。
このマツオカコーポレーションのように、国内では一部の関係者を除いてほとんど知られていないが、実はグローバルに活動しているという企業がいくつかある。
例えば、安全靴・ワーキングユニフォームの大手、ミドリ安全もその一つといえる。
中国への進出はもちろん、近年はアセアン諸国にも積極的に進出している。
当方はよく、ワーキングユニフォーム関係でその社名を耳にしていたがこちらも実態はほとんど知らない。
ミドリ安全の沿革によると、
73年に皮革製造会社でしてブラジルに進出、88年に中国進出、2008年にラオス、2009年にベトナム進出、2015年にカンボジア進出とある。また2006年からはメキシコで自動車用のレザーシート製造も開始しており、なかなかのグローバル企業ぶりが伺える。
個人的には全企業がグローバル化する必要はないと思っているが、ともすれば「グローバル企業に押されて日本は負け組」みたいな自虐的な見方が幅を利かす風潮の中で、世間一般の知名度は高くないものの、このようにグローバル化している国内の製造加工業者があるということは特筆すべきニュースだといえる。
これらの企業はなかなか取材しにくかったり、よしんば取材ができても知識がないと理解できない話の内容も多いから記事にしにくい。
また企業名の知名度もないことから、掲載しても反響が少ないことが考えられるため、メディア側としてはあまり積極的に報道しようとは思わない。
マツオカコーポレーションだって今回の株式公開というきっかけがあったから、詳細を公表しただけで、これがなければ今後も実態はほとんどわからないままだったと考えられる。
それにしても、業界にはまだまだ知られていない重要情報が多いことを再認識した。
業界全体を一通り知るということは、才能乏しい当方にとっては不可能ではないかと思う。
少しずつでも見識を広めるためには日々勉強するほかない。
しかし、当方ももう47歳。年が明けると4回目の年男で48歳となる。
老年に差し掛かった今、思うことは「日暮れて途遠し」である。

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